ニュース手短に。

ほんとうに放射線副読本は回収すべきだったのか

投稿日:2019年4月30日 更新日:

 

 文科省の放射線副読本を回収 野洲市教委、記述を問題視
https://www.asahi.com/articles/ASM4T5TGKM4TPTJB00J.html

野洲市って、滋賀県の野洲。やーすーしーくん!

文科省が全国の小中高に配布した副読本(今まで勝手にこれ、「フクトーホン」だと思ってた。変換されないなー、普通に「フクドクホン」て読むのか…勉強になった)を、市の教育委員会が回収してたんだそうです。

なんで回収するのか。
記事によると、

3月の市議会の一般質問で、「人工と自然界の放射性物質を同列のように扱い、(放射性物質が)安全であると印象を操作しようとしている」などと指摘を受け、市教委が副読本の内容を精査。

▽放射線の安全性を強調するような印象を受ける記述が多い
▽被災者の生の声が少ない
▽小中学生にとって内容が高度

――と判断し、回収を決めた。

だそうで。

山仲善彰市長は25日の定例会見で、「丁寧な情報を若い世代に伝えることが大事。市教委の判断は適正」などと語った。

と書かれている。

ホントにそんなことが書いてあるのか!?
と思いますよね。

そのフクドクホンは、公開されています。

文部科学省
放射線副読本(平成30年10月改訂)(PDF版)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/attach/1409776.htm

小学生のための放射線副読本 (PDF:4117KB) PDF
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/10/04/1409771_1_1_1.pdf

中学生・高校生のための放射線副読本 (PDF:4035KB) PDF
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2018/10/04/1409771_2_1_1.pdf

 

ここに書いてあることは、本当に

▽放射線の安全性を強調するような印象を受ける記述が多い
▽被災者の生の声が少ない
▽小中学生にとって内容が高度

で、それプラス、それは本当に「回収すべきこと」なのか。

そして

3月の市議会の一般質問で、「人工と自然界の放射性物質を同列のように扱い、(放射性物質が)安全であると印象を操作しようとしている」などと指摘

したのはどういう人なのか。
それは、いけないことなのか。

「小学生のための」の方は、放射線ってなんだろう?を丁寧に解説してあります。
放射線が「宇宙から」「大地から」「空気から」「食べ物」から、自然に人間に影響を与えるものであること、その環境の中で人間は生きていることをわかりやすく書いてありました。

▽放射線の安全性を強調するような印象を受ける記述が多い

という指摘は、あくまで「印象の話」であって、それはアンタがどう受け止めるかによるだろう、っていうことに過ぎませんよね。
私が読んでみたところ、「安全性も何も、安全な場合は安全だし危険な量なら危険、当たり前」だとしか読めませんし、もし副読本だけ読んで小学生がそういう「放射線はいかなる場合も絶対に安全だ」という印象を受けてしまうなら、それは教師と教育委員会が無能でしょう。

 

「足し算とか引き算が、原爆の製造に使われています!」とでも、野洲市の小学校では教えてるんでしょうか。

第2章は原子力発電所の事故と復興のあゆみ、というタイトルになっています。

たぶんここにある

福島県が平成 30 年4月までに県民などに対して実施した体の中に入った放射性物質から受ける放射線の量を測定する検査の結果によれば、検査を受けた全員が健康に影響が及ぶ数値ではなかったとされています。

という記述が気に入らなかったんじゃないか…と勘ぐってしまいます。

▽被災者の生の声が少ない

というところ、
福島県の子供が実際に体験した話として、 風評被害や差別、いじめはいけないという趣旨が紹介されています。

「生の声」ってじゃあ、いったいなんでしょう。
この少年の話は「冷凍の話」なんでしょうか。
「生の声」って、そういう抗議や指摘をするタイプの人らが気に入るような、「原発の被害で今も悲惨です。鼻血が出ます」みたいな人の話のことなんでしょうか。

この後、副読本は「食べ物の安全性」、そして「未来へ向けて」と続くのですが、その前に(2-2の終わりに)、「被災児童生徒へのいじめ防止について」という、文科相のメッセージの一部が掲載されています。

東日本大震災から6年がたちました。現在でも震災により受けた被害や傷をかかえながら過ごされている方、ふるさとをはなれて避難生活を送られている方が多くいらっしゃいます。その方々はつらい経験を乗りこえ、未来に向かって、日々、一 生 懸命頑張っておられます。皆さんのまわりにも、同じように頑張って学校に通っている友達がいると思います。
いじめを防ぐには、相手の立場になって思いやりをもって行動することが必要です。震災を経験して、ふるさとを離れてなれない環境の中で生活を送る友達のことを理解し、その方によりそい、一緒に支え合いながら学校生活を送ってほしいと思います。また、放射線について科学的に理解することも大事なことです。そうすれば、皆さんが、こうした友達へのいじめをする側にも、見て見ぬふりをする側にもならず、いじめをなくすことができると私は信じています。

この副読本の趣旨(小学生用)は、無駄な恐怖と誤解を極力なくして子供達よ、いじめとかをしないでおこうぜ!ということなのではないでしょうか。それって、放射能がどーたら、ベクレルがなんたら、よりはるかに大事なことだったり、すると思うんですけど。

 

それにしても…

▽小中学生にとって内容が高度

って、あんまり子供を見下げた、バカにした態度だと思いませんか。

確かに「放射線というのは…」なんて言いだしたら、小学1年生にはわかりにくいかもしれない。
だけど小学6年生ならどうでしょう。

小中学生にとって内容が高度だから回収、って、どこの洗脳集団ですか。
わかりにくいならわかりやすく説明するのが先生たちの仕事じゃないんですかね。

反原発の運動家に押し切られて、正しい知識の掲載された副読本を回収するなんて、どんな知能集団なんだろう、と野洲市の教育委員会を疑いたくなります。

しかも

市教委が副読本の内容を精査。

と記事にはあって、精査してその判断なら、もう判断する頭の方がおかしい、と言われてもしょうがないです。
精査してその結果ならより悪い。

悲惨でなければならない
壊滅的でなければならない
被災者はずっと苦しんでいなければならない
福島は不毛の地でなければならない

という、反原発な人らの(放射脳なんて言われてたりする人らの)、現実を直視せず自分らの頭の中にあるディストピア押し付け思想を子供達にも蔓延させる気まんまんの政治活動に、どうも乗せられちゃった感がありますね。

こういうのって、市議とかの力も影響するんだと思うんですけど、こんなことが起こるには「そういう勢力の市議がいるから」って、けっこう有力な理由だと思えるんですよね。

だから地方の政治って大事ですね。有象無象、誰でもいっしょだから…で投票スルーは危険だってことです。

この件ひとつだけでも、野洲市ってかなりヤバいことがわかるので、お子さんを賢く育てたい…!とお考えの親御さんは、早めに野洲市から転居された方が良いと思いますよ。

 

誰が質問したのか

野洲市のサイトを見ますと、議会で行われた質問の一覧が公開されていました。

平成31年代表質問・一般質問一覧
http://www.city.yasu.lg.jp/gyousei/gikai/daihyou/R1/1579568135418.html

この中にある、「第9番 田中陽介」という方が、「放射能副読本について」という質問をされていますね。
その文言までは載っていないのですが、

田中陽介氏は、野洲市議会議員。
サイトを見せていただくと、一見、「そういう感じ」の人では、ないんですよ…。

田中陽介とマツリゴトするなかまたち
http://tanakayousuke.net/

田中氏は、「おうみ市民放射能測定所の広報係」をされていたそうで、
この「おうみ市民放射能測定所」というのは、2015年12月に設置された、「全国でもめずらしい、飲食店に併設した放射能測定所」なのだそうです。

ブログによると

○畑の土(肥料や土壌改良剤なども)
○お子さんの遊び場や学校の土
○滋賀のジビエ
○琵琶湖の魚
○お茶などの県産品
○ゴミ焼却場の近くの松葉
などの持ち込み歓迎です。ご相談ください。

と書かれているので、どっかでつかんだ物を持ち込めば測定してくれる、ってことですね。

「測定所」の前に書かれているのが「放射能」っていうところが気になります。

「放射能」というのは「放射性物質が放射線を出す能力」です。

これ、小学生用の副読本にも書いてありますよ(p.8)。

読んだ方がいいと思いますよ、ちゃんと。

土を持ち込めば測定してくれて、「ゼロなら安心!」を目指してらっしゃるんでしょうか。

ベラルーシATOMTEX社製ヨウ化ナトリウムシンチレーターAT1320Aという機械で測定されているんですね。

ヨウ素131、セシウム134、セシウム137、カリウム40から放出される微弱なガンマ線を検出して、それぞれの放射能濃度を分析することができます。

と測定Q&Aにはありました。

放射性物質って、雨が降ると土に落ちて、割とぐんと増えたりするんだそうですし、カリウム40って、バナナ1本に天然で0.1マイクロシーベルトある、って有名ですよね。天然のバナナって、この人らもう食べないんですかね…。

しかもしれっと

Q 安全かどうかも教えてもらえるのですか?
A 市民測定所としてできるのは測定結果をお伝えするまでです。安全性の判断はみなさんでお願いします。

じゃあなんのためのやってるんですかね…安全の基準を示すことすらできず(大丈夫です問題なし!とさえ言えない)、無限に・永遠に・市民の不安を増大させるためにやってるんですかね。わからないですけど。

もしかして「ウチのバナナなんですけど…」って持って行ったら「あ…カリウム40…出てますね…うーん、放射能、ですね…やはりあるんですね…うーん」って言うだけで済ます感じなんですかね。

カリウム40を知らない人にとっては「被曝する!!」って思っちゃうんでしょうかね。
もしそう言うことだとしたら、それって悪質と言わずして、なんて言えばいいんでしょうかね。

いや、先述の田中議員は農業や食についての事業も展開されているので、バナナやその他、自然由来の放射性物質についても知ってらっしゃるはず、です。

だけど再度サイトを見てみると

でも、本当に自分で選んでいるだろうか?選ばされていないだろうか?
例えば体の中に入れるもの。
食べ物、飲み物、薬、ワクチン、農薬、肥料、放射能…一体どれだけ理解できているだろうか?
つくられたイメージだけを鵜呑みにして実は、何も知らないんじゃないか。
便利になった一方で、私たちは無知になった。

という文言もあり、ワクチン…放射能…と、この2つが出てくる確率と「そういうタイプ」である確率との親和性を感じずにはいられなくなります。

そして、それが野洲市議会での質問につながったのか…?と。

いや、市議が議会で、質問することはいっさい、なんの問題もないんです。

なので、おかしいのはやはり、「精査」した上で「回収」することにした、野洲市教育委員会なんですよね。

どんな副読本なら納得するんだろう。
やっぱり美味しんぼ(鼻血回)とかなのかな…

 

ほんとうは学校の先生方が副読本なくても、こういうのを読んで、ちゃんと説明してくれてれば、それで良いのだと思います。

まずはここから。「いちから聞きたい放射線のほんとう」。

シロウト、だからこそ。『知ろうとすること。』







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