ずーっと、なんなんだと、思ってました。
この邦題に、です。
「BLOW BY BLOW」の直訳ではないことは、一見してわかりますよね。
なんで
BLOW BY BLOWというのは、「極めて詳細な…」という時に使われる表現だそうです。
a blow-by‐blow account of music
【音楽の極めて詳細な説明】
みたいな感じで。
そうなると、この「ギター殺人者の凱旋」というタイトルはどこからひねり出てきたものなのだ!ということになりますね。
故・フレディ・マーキュリーのソロ「Man made paradise」という曲は邦題「男のパラダイス」。おお、そうか、そうなのか。それでいいのか。
この場合の「MAN」て「人間が」っていうニュアンスじゃないのかな…まぁいいか。
どちらにしても、どこか、英語の雰囲気をいただいて、そこから邦題に…っていうパターンはまだ、許容できる気がします。
しかしジェフ・ベックのこのアルバムには「ギター」も「凱旋」も「殺人」も出てこない。インストだし。
ちなみにこのアルバムは、ベック・ボガート & アピス(通称BBA)というバンドを解散した直後の1975年に発表され、ギタリスト・ジェフがまたソロになった!という意味では「ギター」と「凱旋」は当時の雰囲気としては正しいようなんですね。
問題は「殺人者」ですよね。
もう、ジェフベックのギターでオイラ、ぶっ殺されたようなもんさ!っていう、スラング的な意味合いでの殺人者、なんでしょうか。
だいたい「ギター殺人者」っていう日本語がおかしい。「底抜け一等兵」とか「兵隊やくざ」のノリですよねこの命名って。
「ギターヒーローの凱旋」なら惹句としては正しい気がするんですが、日本版アルバムを見る限り、「ギター殺人者の凱旋」は、サブタイトルになっている。
謎なタイトルですね。
検索していると、「これは発売当時のイギリスでの宣伝文句なんだ」という情報を見つけました。宣伝用ポスターに、コピーとして書かれていたそうです。
Return Of The Axe Murderer
と。
ジ・アックス・マーダラー?
なにそれ。
これって、ジェフベックの海賊版につけられてたりするそうで、もしかするとマイケル・ジャクソンでいう「KING OF POP」とかそういう、この言葉といえばこの人、みたいなコピーだったのかも知れませんね…。
で、アックス・マーダラーっていうのはなんだ?っていうことになるわけですけど、
アックスは「斧」ですね。
ギターのことを「斧」と表現することがあるそうです。
確かに持つところがネックで、刃が…っていう。
なんとなくすぐに思い浮かぶのは「手斧」って感じだけど「バトル・アックス(戦斧)って言われると確かに、ギターに似てる…かな…。
こういうのも、今はあるけどさ。
なので「アックス・マーダー」は「ギターを持った殺人者」とかっていうニュアンスになるんでしょう。それが、「凱旋」したと。
だから「ギター殺人者の凱旋」になる…。
いやぁ、「それにしても」「だからと言って」、つけるなよw!とは思いますねやはり。
内容を聴いたら、そんなニュアンスは微塵もない。
ギターの神様による、まさにフレーズの嵐。
苦心の末に「つけなきゃならない」邦題の、考案者の懊悩が感じられるサブタイトル、ですね。
2017年のライブ↑
読ませていただきました( ̄∀ ̄)1
どうでもいい話:「ギター殺人者の凱旋」の由来はこれ?
http://blog.livedoor.jp/whats_my_scene/archives/51002376.html“Blow by Blow/Jeff Beck”(第2回)
https://blogs.yahoo.co.jp/rikasana2000/1164343.html