iPhoneを買ったらiPhoneケースを!!
これ、当たり前のように思いますよね。
「かわいいケースが欲しい」
「頑丈でしっかりしたケースが欲しい」
というのも、よく聞きます。
前者は言わずもがな、ですが、後者の「頑丈で…」という方は、なぜ?と聞くと「落としたとき壊れないように」という答えが必ず返って来ます。
これって、もう常套句として何百回も聞いているので何も思わないような感じしますけど、ちょっとおかしいんですよね。
「落としたとき」。
落としたとき??
ああ、「事故したとき」ととても似てる考え方ですよね。
シートベルトやヘルメットは、事故を起こしたときにしてなかったらもう手遅れです。事故といっても色々ありますから、頭打たなかったり車が壊れるだけで、大した被害のない事故もある。だけど、それは当事者には選べないですよね。
事故が起こり始めたとき(厳密には0.001秒の世界ですけど)、あっ、そうだッ!シートベルトしなきゃッッT!とかヘルメットかぶらなきゃァッ!と判断してサッと動けるなら、いいですよ。
うん、そもそもそれができるなら事故には遭わない気がする。
先にやっておかないと間に合わない、それがシートベルトやヘルメットですよね。人間は、完璧ではないから。
それと、同じです…
…か???
iPhoneケースって、それと同じですかね…。
そこが、ずっと引っかかってるんですよね。
いえ、何もどんなケースを誰がつけていたとしても、それを非難したり否定したりする気は毫もないんですけども。
「落とさないようにしたい」っていう、鉄の気持ちはないんですかね。
「落としたりしないように気をつけたい」っていう鋼の誓いはないんですかね。
だって、たとえばデジタルカメラ買ったら、ケースなんかつけないじゃないですか。万年筆を買うとして、ケースなんかかぶせて使ってないじゃないですかそれはなぜですか「落とさないから」ですよね。
落とさない限り、割れたり壊れたりは絶対にしないんですから、「絶対に落とさない」くらいの気持ちを持つことも大事ではないか、と思うんですがいかがでしょう。
そうすると、「絶対はない」と言いたくなります。
おっしゃる通り、絶対はない。
了解しております。
お前は神なのか?
絶対落とさない、なんて言い切れない。
そうなんですよ…そうなんですけど「落としたときのためにケースをつけておく」人と、「壊したくないし割りたくないので、絶対に落とさないように気をつけたい」人と、どっちが落とします????
液晶画面がバキバキに割れてる人っていますよね。
なんでそんなことになるんだろう…よほど不幸な、不慮の、不可抗力が強引にかかってこうなったんだろうな…と思って機会を得て伺ってみると、たいてい「酔っ払って自分で踏みつけた」とか「酔っ払って人混みの中で落として蹴られて飛んでいった」とか「酔っ払って荷物ごと車に踏まれた」とか、酔っ払って酔っ払って酔っ払って、もはや重力の責任ですらないやないかい、と言いたくなるような原因を聞くことができます。
こういう人には、頑丈なケースつけてても意味ないんですよね。
だって人事不省に陥(おちい)って、前後不覚でわけわかんなくなっちゃうんですから。
「記憶をなくした」と武勇伝のように語る人らには、大事な書類とかデータとか秘密とか、絶対あずけられないな、と思ってしまいます。
脱線したようですが、「iPhoneケース」はもはや「クリスマスケーキ」のようにセットになってしまった語句として、広く人口に膾炙することになってますよね。なので「iPhoneケース業界」を揶揄しようとしてるのではありません。
では、お前はどんなiPhoneケースをつけるんだい?という自問自答を、新しく機種変したことをきっかけに、またじっくり考えた、ということです。
iPhone8にすると、ケースのサイズ・デザインは「7」と同じ。
「6」や「6S」とは、カメラの位置が変更されているので使えない。「5」は言うに及ばず。
なので、その中で探します。
iPhone本体が到着したとき、やはり新品としては液晶部分を傷をつけたくないというのが人情というもの。傷よりは手の脂か。
「最後はむき出しで使う」と決めている私でも、最初は母グマが子グマを守るように、優しく包み込んであげたい。1秒でも外気に触れさせることなく外敵に襲われることもないように、守ってあげたい。
まずこれを先に買い。
これも先に入手。
もう、普通中の普通。中の中の中の中。
ど真ん中これでええやんケースの王道。壊れることもなく摩耗もせず、というような、まず政府は各自治体を通じて国民全員にこれを配布するべきじゃないか、と思うような真っ当で真面目なフォルム。
一度でも不良に憧れたことのない真面目で高貴な、やんごとなき人種がデザインから生産、梱包までやってるんじゃないかというほどの善良なスタンダードさ。
メルカリで、300円です。
定価はおそらく1,500円くらいはするんじゃないでしょうか、だけどデザイン性重視なケースも多い中、ここまで普通なケースを、売り手はまぁ、こんなものだろう、と値踏んだんでしょうね。最低出品価格の300円(送料込み)、でした。
でも、届くまでに日数が3〜4日かかるわけです。
Amazonプライムなら次の日に…という感じですけど、個人の発送ですから文句も言えない。「早くしてください」っていう注文じたいが若干クレーミーですからね(クレーマーっぽい、という意味の造語)。
箱に入れたまま、まだiPhone8本体をアクティベートしなければ良いんですが、それは手元にある以上、早くしたい。
早く新機種を触りたい。
なので、「ああ、もう、今日、いま、仮のケースが欲しい」。
300円でメルカリで買ったケースも、「仮のケース」なんですよ?だけど、その前に、「仮の仮」が欲しい。
おかしいものですね、ほんと。
100均に走りました。
何が違うんだと。
何も変わらない。300円(送料込み)で買ったケースと108円のケース。
傲然と漂う「これでええやん」感。
というか今さらながら「100均てすごいな」感。
いやいや
minneで見てみる、みたいなことも、20時間くらいしました。
何に時間をかけてるんだ。
色々、毎日見てたんです。
色々あります、様々売ってます。
だけど、「これはすごい」は無いんですよ、見つけられない。
みんな、「iPhoneケースと言えば」という範疇に、収まってる。
何も悪いとは思いません、それが普通です。
…例えば、どんなにすごいTシャツのデザインがあっても、それは「Tシャツの胸の部分に、何か描いてある」がほとんどですよね。
全面プリントTシャツがあまり汎用性に長けていないことを考えると、「使用できる(着用できる)Tシャツのデザインは、結局「おもしろ(やかっこいい)プリント」の域を出ない。
出れないんですよね。宿命的に。
iPhoneケースも同じように、奇抜なデザインとか美麗に絵画的であっても「プラスチックのアクリルの、同型の、同じケースに施してある」を出ることはない。
あとは「好きなキャラクター」とか「なんかかわいいから」という方向に、逸(そ)れて行くしかない。
一瞬、このシリーズが欲しいと思ってしまったこともありました。今は落ち着いています。
スシーン。
で、考えに考え、やっぱり、とたどり着いたのが、これでした。
クラウストゥルム。
CLAUSTRUM。
CLAUSTRUM
http://claustrum.net/
銀座へ赴き、買わせていただきました。
アンボックスの儀。
白い手提げ袋に入れていただきました。
ロゴが入っています。
中には、黒い箱。右は私のiPhone8本体です。
開けると…
簡単な説明書と、フェルトが。
やっと本体。
こういう感じです。
こちらは、機体に当たる方。内側。
全体はスチールですが、柔らかい素材が貼られています。
表側はこう。
「ブラックマット仕上げ」を選びました。
実物はもっと、深みのある、良い墨をすったような、「落ち着いた黒」です。
装着。
さすが精緻な職人の世界。
0.001ミリの世界。
この「きっちり感」、ゾワっときますね。
下部。どうですかこの感じ。
この「きっちり感」で、ドックも使えるんです。
手帳型のiPhoneケースすべてに言えるマヌケさですが、ドックが使えない。
ブスッと挿して同期!というスマートさが剥奪されるんです手帳型だと。
ブサイクにも手でライトニングケーブルを持って毎回ぶっ挿す、をやらないといけない。
このクラウストルムの「FLAP」はその点「完璧」です。すごい。
ボタン部も、いい具合に露出しています。
わかります?
奥へ向かってのライン。
あの、ボディに沿って、微妙に曲げてあるこの感じ。
無骨なはずの金属製、なのに、この薄さでこの繊細さ。
プロダクト名「FLAP」の由来は、ここ↓にあります。
これを指に引っかけて支えるから、持ちやすい。
小指を、iPhoneの底辺に差し入れて支えなくてよくなります。
最少手で、最大の効果を上げている。私が好きな感じです。
説明動画
素晴らしい作品、これは商品というより作品です、が生み出されているのは東京・銀座。
京橋公園の横の、路地にあります。
店構え。
お店の奥で映っておられるのが、この作品の作者であり職人でありオーナーである、遠藤さん。
お店で、じゃあ、iPhone8用の、ブラックマットにします、と告げると、「10分ほどお待ちください」とのこと。
なんでも、店頭に並べる用にはそんなに完成品として作っておられないのだそうで、注文が来たらそのぶん作る、みたいな感じなのだそうです。
そうか…急に来て「これくれ」みたいな人ってあんまり多くないんでしょうかね。
写真に見えているディスプレイスペースの右側が工房になっていて、そこで、先ほど見た裏生地とか、最終仕上げとかを、手際よくやっていただきました。フラップを上げた時に見えるロゴのビニール部分も、丁寧に貼付されました。
銀座で、手工業の技を継承し未来へ発展させている工芸の匠。
「究極のiPhoneケース」として、これを超えるものは未だ、見たことがありません。
「頑丈」とか、「割れないように」とか、私にとっては妙にナナメに進んでるように思うiPhoneケース界隈ですが、機能を最小限に、それでもクラフトマンシップが極大化されて、しかも精緻で静かな佇まいを見せる怜悧なiPhoneケース、これが私にとって、最適解です。
懐かしいやつ。
で、話は変わりますがiPhone、懐かしいのが出て来ましたよ。
ほら。
左が、iPhone8の箱。
右は、iPhone3Gです。つまり2代目。
なぜかこの3Gは、本体を残してたんですね。箱は、4も5も5Sもあるんですけど。
ああ、そうそう、こんな大きさだった。
いやぁ充電のところ!
もう、ケーブルが無いですねえ…w
そうそう、ホームボタンのところに、「ここがホームボタンだよ」っていう、四角が描いてあった。
おそらく初期化して置いてあるはずなので、充電しても個人的なデータは無いと思うんですけれど、懐かしいですね。起動するのかな。
確か2008年。
まだ、これ持って電車乗ってると、若干「ちら」と人に見られました。海外から来てる人の方が、多く持ってる印象でした。
その時も、私はケースなしで使ってたような気がします。
なぜって、みんなが信奉するスチーヴ・ジョブズが、「このデザインにするのだ」という異常なこだわりと透徹した愛情で創り上げたのがiPhoneでしょう?
その意匠を、なぜ「割れるから」「壊れるから」みたいな、酔っ払いの屁理屈で台無しにできるんだ…って思ったんですよね。
最終的にはやはり、iPhoneはケースとかカバーとかバンパーとかは、無しで持つのが正しい。
意外に、デザイン性なんて微塵も感じていないアンドロイド持ちの人の方が、ケースとかカバーとか無しで使ってますよね。
私が手にしたCLAUSTRUMは、Amazonとか楽天でホイホイ手に入るものではありませんが、ぜひ、工房へ行ったりして「うわぁこれはすごいや」と、手にとっていただきたい。
セレクトショップで売ってるパターンはあります。
取り扱いのある全国のショップは、こちらへ(クウェートでも買える!?)。
Stockist
http://claustrum.net/stockist/
3Gのケースって、どこかにまだ、売ってるんですかねえ。
ぜんぜん売ってた…。