世界6位の広告代理店ハバスが、Youtubeへの広告の出稿を停止したそうです。
世界最大級の広告代理店がユーチューブから撤退 悪質動画に反発
https://forbesjapan.com/articles/detail/15613
過激派団体がどんな主張をしようが、それなりのマッチングを経て表示されてしまうYoutubeの広告。
その動画がどんなに人道的に悖(もと)るものであっても、どんなに白人至上主義を叫ぶ、社会的価値のないものであっても、広告が表示されてしまうと「その動画があることを応援」していると取られてしまうところもあるし、視聴者がクリックすると、動画製作者に収益が上がる。
そこから広告主の商品の購買行動があったとしても、
「どの動画から?」
「ホロコーストを否定する牧師のスティーブン・アンダーソン(Steven Anderson)という過激主義者の動画からです」
「う〜ん儲かるね!」
「最高スね!」
とはならないわけです。
広告主、それでいいの!?っていう。
人種差別とか個人攻撃とか人権蹂躙とか、それを応援する人らのクリック・購買で自社ビル建て増ししました!って胸張って言えるの!?っていう。
Youtubeが広く推し進めた「広告収入化」のおかげで、世のYoutuberは好きなことができて承認欲求も満たされてお金も稼げる、っていう理想的な自由人生活が実現しているわけです。
小学生が「将来Youtuberになりたい!」と言い出すのも当然で、今まだでの「野球選手」だとか「宇宙飛行士」だのと並んで、憧れの「職業」になっている。
出典:日本FP協会『将来なりたい職業』ランキングより
https://www.jafp.or.jp/personal_finance/yume/syokugyo/
と思ったらこの資料には載ってなかった。
ひょっとすると4位「ゲーム制作関連」にドバッとまとめて入れられてるんだろうか…?
こういうのって、「変遷することに対して“子供にとって夢があるかどうか”を大人が勝手に盛り上がったり貶したりする」ためにあるんじゃないかと思ったりもしますけどね…。
だって彼ら彼女らは小学生なので、「自分が知ってる職業」がそもそも少ない。
目に触れるスポーツとか、テレビで見たものとか、親や周りにいる人らの仕事から選ぶしかない。
大まかなジャンル名への憧れはあっても、その中で「これをやりたい」が明確かどうかはわからないですよね。
よく「夢を売る商売」なんてことを言いますが、夢ってどんな商売でも売れると思いません?
夢にだって良夢と悪夢があるでしょうし、その意味では覚醒剤の売人とかはまさに「夢を売る商売」なんじゃないかと。
そして、「自分が若い頃になかった職業」に対して持つ嫌悪感というのは、生まれた時に既にある世代からすると、理解できないモノです。
だから「Youtuber?そんな遊びみたいな仕事は仕事ではない!」という世代がすべて滅ぶまでは、もう少し時間がかかりますね。
いえ、そういう世代でも、しっかり理解している方々はたくさんおられるわけですけど。
最近はいろんな動画配信サイトがあります。
他んとこでやってても「YouTuberっすね」とか言われてしまうのは、Android持ってるのに「iPhoneっすね」と言われてたあの感じなのかもしれない。
とにかく、不適切としか言いようがない動画と、広告の勝手なマッチングに、英国政府は怒ってるそうです。
未だにYouTubeでは、ガイドラインをすり抜けた、明らかな著作権違反な動画が生き残ってたりして、そこに広告が表示されたりしますし。
「YouTubeは著作権違反を助長している」と言われても仕方がない。
でも膨大な量の動画の全てを目視→削除なんかできないし、やってるとしても時間がかかる。
テレビ番組などの著作権がある動画がアップされることは、実は利用者のメリットになっているのだ、という実態も、あるとしか言えない。
グーグルは、
「広告主がユーチューブやGoogle Display Networkの広告表示位置を詳細に選択可能になる」
と言っているそうです。
広告主みずからが広告を出す位置を選べるんで、「この動画を応援してます」みたいに見えるかどうかは広告主次第です、ってことですね。
キュレーションサイトのパクリ祭りで社長が退任するニュースがありましたが。
「社長退任のあいさつで皆泣いた」 WELQに端を発したキュレーション騒動、MERYから見た実情
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1703/17/news101.html
例えばそういう「どう考えても問題あるだろう」なサイトにアドセンス広告が出ていると、つまりそれはその広告主(大手企業とか)が、「そのサイトから収益上げたいと考えている」と言われても仕方がないということですね。
このブログには何が出てますか?。
今後はやはり、これはやばいよね…おかしいよね…というサイトは真っ当に淘汰されていくべきですし、そこに出稿している広告主にも、社会的責任から考え直す機会がいちいちやってくるんだろうなぁ、と思う次第です。
それにしてもYoutubeの冒頭のCMは、未だにどうして「そのまま流用した、意味不明の5秒」のままのが多いんでしょうね。
5秒にいのちを賭けた、みたいなのもたまにあるんで、その辺も気にしてるとおもしろいです。