モダニズム文学がややこしく感じられるのは、その発生や経緯によるものとも言えるだろう。
時系列の順を必ずしも重視せず、過去・現在・未来を自由に往来するその様は、登場人物の「意識の流れ」そのままを描写し、内的思考に作者は手を加えない、という手法を採用したことによる。
神がすべてを説明してくれると信じられていた時代から、世界にはわからないことだらけなのだ、という時代に進み、そのおかげで科学は発達してきた。
客観的な現実と真実を探る最善の方法を探るべく苦心惨憺した写実主義の芸術家たちを踏み台にして、モダニズムの作家たちは新たな境地へ踏み出した。
今現在、当たり前のように呼んでいる小説やお話も、そういう段階を経て、当たり前のように主人公の心境に共感し、当たり前のように描写を楽しむことができている、ということなのだろう。
そこには文学だけでなく絵画・心理学・物理学など、この世界を知るための叡智がふんだんに盛り込まれていて、われわれはその結果を享受している、ということに他ならない。
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1日1個、一年続けたら自動的に少しだけ賢くなるんじゃないか実験。
デイヴィッド・S・キダーとノア・D・オッペンハイムのベストセラー。小林朋則氏訳。
歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7分野から、365日分の知識。
この本を読みつつ、知ってるようで知らなかったこともちゃんと知りつつ、ああそうなんだね~なんて思いながら、少しだけ書くことを続けます。最低限、「360ページ以上ある本を読んだ」の事実が残れば、それでいい。「教養が身につくかどうか」なんて、知ったことか、と。
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365