「進捗その6」で危惧した通り、「プレデター」という言葉は「あの」プレデターを指すのではなく、普通名詞として使われているんですね。
原題は「BOTTOM FEEDER」。
原題にない単語として「プレデター」を入れてくるというのは、やっぱり少なからず誤認させようとする意図があるようにも思えるのですが、「BOTTOM FEEDER」という言葉には、「他のものの不幸から利益を得る日和見主義者」という意味があるそうです。
英ナビ!辞書
https://www.ei-navi.jp/dictionary/content/bottom+feeder/#word_detail
そのまま、「底生生物」という意味もありますよね。
海や湖や池や川で、底を中心に餌を獲って生きてる生き物。カニとかエビとか。ナマコとかもそうかも。
「暇人は悪魔の僕(しもべ)って言うもんな」
というセリフが出てきます。
そんなこと言うの?
調べてみると、
「暇人の手許は悪魔の仕事場」という言い回しがあるようです。
idle hands are the devil’s workshop.
これはつまり「小人閑居為不善(小人閑居して不善を為す)」 と同じようなことなのでしょうか。
意味としては「品性のない凡人は、他人の目がないと悪いことをする」。
つまり「ゴチャゴチャ言ってるだけで暇だと感じたら、堕落してるぞな」というようなニュアンスも含むのでしょうね。
「小人閑居為不善」は四書の一つ「大学」に書いてある一節だそうですが、「idle hands are the devil’s workshop」の出元はどこなんでしょう。どうやらこれは、ヒエロニムス(聖ジェローム)の言葉らしい。
ヒエロニムスは正しくはエウセビウス・ソポロニウス・ヒエローニュムス。四大ラテン教父のひとり。キリスト教の聖人に列せられています(西暦420年没)」。
新しい薬品を開発した博士自ら、とんでもない化物になってしまい…
おおざっぱな感想ですが、吹き替え版で観るとB級感が60倍増しくらいになるのはなぜでしょう。でもどうやらこの作品、Amazonプライムには字幕版が無い。
予告編の動画がありました。
正しいタイトルは「ボトム・プレデター 地底に潜む生命体」らしい。
嘘やん。地底に潜んでなんか無いやん。
テキトーだな?テキトーにつけたな?
単なる清掃業者の冴えないおっさんだと思っていた主人公のビンスが実はベトナム戦争からの帰還兵で、やたら肝が座ってるのはそのせいだったのか…とかがわかるもそれ今言われてもな…という設定もなかなか楽しい。流暢に銃を扱う場面のための設定、なのです。
妙に東洋系で武術を使う護衛がモンスターと戦うもぜんぜん歯が立たず、新薬の開発を依頼して博士を裏切った大富豪も、餌食になってしまいますが、あの、電話で値切り合う場面は、モチーフがあるんですかね。
確かこの新薬「セラム」は、「細胞の驚異的な回復。大変な空腹感。それを食べるとそれになる」という特色を持ってました。
なので瀕死の状態で薬品を打たれた、開発者である博士は、迷い込んだホームレスの犬を食べ、犬に似た姿の、不死身の肉食獣になりました。
その後、襲って殺した護衛や大富豪を食べてるはずなんですが、いっこうに人間みたいなニュアンスは増えてないんですよね。1食めの記憶って強いのか。それともすでに2足歩行だし、じゅうぶんに人間らしい、ということなのだろうか…あと、あんなに怪物と化した博士の返り血浴びて大丈夫なんだろうか…。とか思ってたら、やっぱりそういうことに…。
正統な続編である映画「ザ・プレデター」は、未見です。
だけど「プレデター」とついてるだけの映画は…もう…いいかな…。