あの有名なナポレオンの絵「ベルナール峠からアルプスを越えるボナパルト」を描いたジャック=ルイ・ダヴィッドによる「ソクラテスの死」という作品がある。
ソクラテスは裁判で死罪を言い渡され、毒ニンジンを飲む死刑に臨んだ。
アテナの500人の市民が「ソクラテスは死罪」と断じた。ソクラテスは、直接会った人によると「非常にブサイクだった」と言われている。
散々な言われようだが、彼には、書いた本などがない。
弟子による著作によってその偉大さ、そのすごさが語られるのみだ。そして「制欲哲学の始祖」と呼ばれている。
論争の中で、彼は本質をえぐり出し、そしてそれがうまく理解されず「若者を惑わせた」という罪で裁かれることになる。
「ソクラテス以上の賢者は一人もない」という神託を聞いて彼は、それを「間違っている」と証明するために、当時、賢者と称えられていた人たちと問答した。
ところが、「賢者ではない」と自覚していたソクラテスの予想に反して、多くの賢者が、自分の言っていることの本質がわかっていない、ということがわかってしまった。
図らずも、あの神託は「最大の賢者とは、自分の知恵が実際には無価値であることを自覚する者である」ということを理解するためだったのだ、と知ることになった。
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1日1個、一年続けたら自動的に少しだけ賢くなるんじゃないか実験。
デイヴィッド・S・キダーとノア・D・オッペンハイムのベストセラー。小林朋則氏訳。
歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7分野から、365日分の知識。
この本を読みつつ、知ってるようで知らなかったこともちゃんと知りつつ、ああそうなんだね~なんて思いながら、少しだけ書くことを続けます。最低限、「360ページ以上ある本を読んだ」の事実が残れば、それでいい。「教養が身につくかどうか」なんて、知ったことか、と。
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365