見たもの、思うこと。

あっ!なにも知らないジョン・スノウ、が出てる!『ポンペイ』。

投稿日:2017年10月1日 更新日:

ポンペイ(字幕版)

西暦79年。

ポンペイは、ローマから少し下ったところにある、ナポリ近郊の大きな都市。
なぜポンペイが有名なのかは、もう有名ですね(変な言い方)。

ヴェスヴィオ火山の大噴火で、一夜にして街が失われてしまいました。
皮肉にも、あまりにも早く全てが火砕流に飲み込まれてしまったがゆえに、時代が進んで過去の建造物などが1mも埋まってしまったローマなどと違って、まったく1世紀当時のまま、保存されてしまった。

人も暮らしも、ほんとに全て、一気に埋まったんですね。

忘れ去られた記憶。
ティトス帝の時代。
ローマの貴族の別荘地でもあったポンペイ。

確か「ポンペイ2014」では「イタリアって気象庁ないのかよ」と思わずこぼしてしまいましたが、この『ポンペイ』は、2014年公開なんだからややこしい。

エイドリアン・ポール主演の↑(原題は「APOCALYPSE POMPEII」)は…あ、あれ?こっちも2014年公開なの?なんで?なんでそんなことになるわけ?なんでわざわざ同じ年に、2000年も前を題材にした「ポンペイ」が封切りになるわけ?

いや、1年ごとでもおかしいわ。
その発想がおかしいわ。

…と同時に、即座に「はやぶさ」を思い出すのは、私の心がひどく歪んじまっているからです。

 

ケルトって?

主人公は、ケルト人の孤児だった剣闘士。
ローマに攻め込まれ蛮族として殺された家族の復讐を誓っている。

「ケルト」は、「ガリア」とも呼ばれた地域のこと。
なんとなく「ケルト民族」と聞くと、森に住んで不思議な呪術と神秘的な様式で魔法とともに暮らしている人たちというイメージを持っている人が多数おられるようですが、少し違う感じがします。
ケルト音楽とかに、その残滓はあるわけですが。

古代ローマ人は今のイタリアから、ガリア(ケルト)へ攻め込みました。

ガリア(ケルト)とは、今のフランス・スペイン・そのあたりすべてのこと。

ローマ人が攻め込んで、「これはこうしなさい。こうした方がええで」と教えて征服したからこそ、今のヨーロッパはあると言えます。
ジュリアス・シーザーがガリアを征服して、ローマに組み入れた。
家名も与えて、元老院への道も開いた。それが原因で、彼は暗殺されてしまうんです。

時代は進んで、この物語はブリタニア征服から始まります(ネロ帝の時代)。
ブリタニアとは今のイングランドですね。

のちにチャーチル首相が「イギリス帝国はカエサルから始まった」と言ったくらい、ローマの侵攻は同時に「文明化」でもあったということでしょう。

騎馬で、狩猟生活をしていたケルト人。
彼らに農業を教え、定住することのメリットを叩き込んだローマ人は、そうやって帝国を広げていったのです。ガリア地域は、ローマ市民権を与えられ、のちには皇帝まで輩出しますから、古代ローマ人のその平等にいこうぜ感覚は、現代の人権感覚にも通ずるかもしれない。

ケルトがローマ化したのちには、さらに北方のゲルマン(今のドイツ)民族の侵攻が待ってるわけですが、これらを含めて全部「蛮族」って呼んでたんですから、はっきりいって欧米人の「文明化の押し付け」は、現代になってもあんまり変わってないような気すらしますね。

ちなみにAmazonで「ケルト」で検索すると、すごくすごくティファールとかが並んでくれます。
それは「ケトル」じゃ!!!

 

ジョン・スノウが出てる!

「ゲーム・オブ・スローンズ」の主役、ジョン・スノウ(キット・ハリントン)が出てるじゃないですか主役(マイロ役)で。最初はキーファー・サザーランド(24のジャックバウワーの人)が主役なのかなと思ったけど、敵役(高圧的なローマの元老院議員コルヴス)だった。

めちゃくちゃおもしろいですよ、「ゲーム・オブ・スローンズ」。

剣闘試合は、ローマ市民の大きな娯楽の一つだったんですね。
剣闘士は豊かな時代には稼げる専門職もたくさんいたそうですが、奴隷を猛獣と戦わせる、とか。
制圧した地域の捕虜をどちらかが死ぬまで戦わせる、とか。

それを見て観衆は熱狂した。興奮した。
残酷ですが現代の、格闘技観戦のルーツ、ですよね。

そうこうしているうちに、火山がグツグツと…。
イタリア半島には火山が多くて、だから温泉も多い。
そして地震も多い。
まったく日本に似てますね。

「ポンペイ2014」と違って、この時代に気象庁とかないですから、大噴火を目の当たりしにして「あ、もうあかん」となるのは当然ですよね。轟然と迫るガス。溶岩が流れてくるとか岩石が飛んでくるとかもすごかったでしょうけど、かなりの人が、一瞬で命を落としたんでしょう。

すごい早さで、猛毒ガスが吹きすさぶ。
多分、あんなに喋ってる時間はない。
予兆の地震はかなりあったはずなんですが、みんな逃げなかったんですね。

セリフにあった通り「この世の終わり」だと感じるのも当然です。

髪型もヒゲも、ほぼそのままジョン・スノウで出ているキット・ハリントン。
第7シーズンも始まってて、確かに大きなイメージチェンジをするわけにはいかなかったんでしょうね。

というか欧米の「魔法と剣」的なファンタジーはすべて、古代〜中世の騎士とか文物がベースになってるんですから、どうも似てくるのは仕方がないことです。

しかしこの主人公たち(ヒロインも)は、なぜこのガスで満たされた状況で死なないんだろう…。

いえ、エンディングは、遺跡から発見されたであろう二人の姿が…。

ポンペイ公式サイト
http://pompeii.gaga.ne.jp/







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