鎌倉殿の13人

鎌倉殿の13人 第37回『オンベレブンビンバ』

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畠山粛清が招いた

反発の嵐。

権力を奪われた

時政の反撃は。

争いを勝ち抜いてきた

北条家が、二つに割れる。

ジジイはずし

初代将軍の未亡人である北条政子(ほうじょうまさこ・小池栄子)に強力な権威が宿り始め、そのぶん強欲なりく(牧の方・宮沢りえ)が裏で怒りジジイはその言いなりに…という図式になってしまいました。

ドラマではそんな風には見えない(女優さんの年齢から)けれど、りくは北条政子に比べると4〜5歳年下。
ジジイ、まったく何やってんだよ…と、多くの人々がウンザリしていたはずです。

つい先日起こった「畠山重忠殺し」は御家人たちに、ついていけないかも、という思いを抱かせたのではないでしょうか。面と向かって執権に逆らうことはできないにせよ、対抗する権力が現れたらうまいことそっちに移ろう…と思わせるにじゅうぶんな、強烈なショックを与えた。

この時、北条ヨシトキ(小栗旬)42歳。
もうじゅうぶんな貫禄がついてきて、父親(67歳)に引退勧告ができるような迫力が出てきた。畠山重忠(はたけやまのしげただ・中川大志)をこの手で殺めたことに対する静かな怒りは、「ジジイに、女の論理で好き勝手されると政権じたいが崩れる」という危機感を抱かせたのでしょう。

ドラマだとここが一番分かりにくく感じさせてしまうところだと思うのですが、この時、源実朝(みなもとのさねとも・柿澤勇人)は12歳なんです。子供。

だからこそ、まだ鎌倉殿としての果断な政治ができないからこそ、北条家を頂点としての権力闘争・殺し合いが起こってしまう。みんな「ああ将軍、早く成長してくだされ…」と思ってる時期。

北条ヨシトキが暗殺技術者を囲っていたように、それぞれの御家人がそれぞれの「忍びの者」を抱えているのは当然だと言えます。ということは常に、いつも、天井裏や縁の下に諜報部隊が潜んでいる可能性がある。常にいつも、お互いに暗殺の可能性を抱えている。

北条時政(ほうじょうときまさ・坂東彌十郎)を政治の中心から外すには、尼将軍・北条政子の存在が不可欠。
北条ヨシトキはそう判断した。
北条政子は母として、シンボルとして重荷を背負うことになることで、息子である源実朝を助けることにした。

拙速な陰謀

平賀朝雅(ひらがともまさ・山中崇)を将軍に擁立しようと言い出すりく。
勢力を巻き返すには、これは良い手です。
この線しかない。

源実朝ー北条政子(と北条ヨシトキ)ラインに食い込むことができなくなった北条時政(が言いなりになっているりく)は、源氏である平賀朝雅なら資格じゅうぶん、というところに着目しました。

だけど、忘れてはいけないのは平賀朝雅は、畠山粛清のきっかけになった男なのです。

畠山重忠の息子・畠山重保(はたけやまのしげやす・杉田雷麟)と口論して、それを鎌倉にいるりくに讒言した。讒言というかあることないこと、自分の有利になるように告げ口したんでしょう。冷静に考えれば酒の席の口論がなんの理由になるんだとわかるはずですが、権力と若い女に狂った北条時政には「殺す根拠」としてじゅうぶんだった。

源実朝ー北条政子(と北条ヨシトキ)ラインを排したら、まずは善哉(ぜんざい・長尾翼)を将軍にするという「策」を、三浦義村(みうらよしむら・山本耕史)に耳打ちしました。三浦義村は善哉の乳母夫なので、源頼家(みなもとのよりいえ・金子大地)が将軍だった時の、比企能員(ひきよしかず・佐藤二朗)の立場になれる。

でもまだ幼いので、それまでの間、中継ぎとして平賀朝雅はどうかしら…という風に進めようと企んだんですね。

しかし三浦義村はそんな計略に乗るほど、お人好しではなかった。
「悪くない話です」と口では言いながら、一瞬で謀略を見抜いていました。
畠山重忠粛清の余韻がまだリアルに響く中、こいつらもうこんなことを考えてるのか…と、自分がどちらにつくかを決めてしまっているかのようです。

三浦コンピュータが瞬時に計算したように、平賀朝雅が将軍になれば、その次の代を息子に譲ろうとするのは必定です。そして北条時政・りくが後見になり続ける。平賀朝雅が急死でもしない限り、源頼家の息子である善哉に、出番は回ってこないのです。

しかし、当の平賀朝雅もさるもの。
権力闘争の本場・京で生き抜いている男。
鎌倉殿になんか祭り上げられてたまるか…と、理解していたと思われます。
そして同時に、命の危険があることすらも悟っていたかも知れません。

北条時政・りくのせいで未亡人になってしまったちえ(福田愛依)は、武蔵国で足利義純(あしかがよしずみ)という人と再婚することになります。2人の間に生まれた息子は畠山泰国(はたけやまやすくに)となり、名跡を継ぐことに。これを北条氏が許したということは、やはり畠山粛清に対するなんらかの反省があったということかも知れません。

12歳の源実朝がたびたび息抜きに通う和田の屋敷。
古老・和田義盛(わだよしもり・横田栄司)と誼(よしみ)を通じるというこの朗らかで牧歌的なシーンも、10年を経たずに起こる「和田合戦」の恐ろしい前フリになっています。
そして立ったぞ、「武衛フラグ」。

源実朝が12歳なら、その正室として京からやってきた千代(ちよ・坊門信子・加藤小夏)も12歳です。超のつく温室育ちの幼い将軍とその妻にとって、鎌倉でおっさんらが延々とやっている殺し合いは、いったいどう映っていたのでしょうね。

ドラマでは、行動には「感情という根拠」が必要になるので、陰謀で身内すら殺そうとしているりくにも、最愛の息子・北条政範(ほうじょうまさのり・中川翼)の死がのしかかっているんですね。

 

そして呪文。あの呪文。

今回のタイトルになっている、オンベレブンビンバ

大姫(おおひめ・南沙良)が唱えていたオン・タラク・ソワカ。
大姫が死の前に唱えた呪文は、いったいなんだったのか。

鎌倉殿の13人 第21回『仏の眼差(まなざ)し』

色ボケジジイとは言えこの企てには理がないことを悟っている北条時政は、家族との別れを演じ、自分の破滅(失脚)へのルートを引き始めた。

本当はそこまで冷静ならば、命の危険まで感じているのならば、単に身体的な理由をつけて隠居すればいいだけだったと思います。

北条ヨシトキは父の振る舞いを「謀反」と断じ、殺すしかないと決断したようです。
確かに、謀反と決めつけられたら討伐のために軍が組織され、細かい事情を知らない末端の兵によって無惨に首を切られる。それはつい先日、畠山重忠で見た光景。

同じように「評議会」が「謀反」と断じたなら、北条時政は簡単に打ち取られてしまってもおかしくないはずです。

だけど、殺されなかった。

 

今回の『鎌倉殿の13人紀行』は、ここでした。

円覚寺







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