鎌倉殿の13人

鎌倉殿の13人 第13回『幼なじみの絆』

投稿日:2022年4月4日 更新日:

頼朝の浮気は

御家人たちをも巻き込む

大騒動となった。

源平の激突を目前に、

鎌倉に

亀裂が入ろうとしていた。

2家族の権力抗争

前回から続く「北条時政(ほうじょうときまさ・坂東彌十郎)が伊豆に帰っちまった」エピソードは、主に「北条ヨシトキ(小栗旬)が父に従わず鎌倉でジッとしてた(いいやつ!)話」として語られることが多いような気がします。

だけどこれは「北条時政・牧の方(りく・宮沢りえ)ラインがそれなりの発言力と勢力を誇るとモメる」という証拠にもなってしまうんですね。源頼朝(みなもとのよりとも・大泉洋)が生きているからこそ…というような、陰謀説の前提にすら。

北条時政は(まだ)失脚したわけではないですが、比企氏の台頭のきっかけになった感じがありましたね。比企氏は源頼朝の嫡男・源頼家(みなもとのよりいえ)の乳母人になることで権力構造に食い込もうと目論む。でもそれが当たり前の出世コースとも言える。権力に巻きつくことで拡大する家格。これものちに、大波乱につながります。

厄介なおじさん

ややこしい源行家(みなもとのゆきいえ・杉本哲太)をかんたんに、あっけなくあしらう源頼朝。
なんとなく厄介者扱いですがこの人がいなかったら源氏挙兵もあのタイミングであったかなかったか。

教養ある風流人でもあるこの人は、のちには京で官位を得て昇殿を許されたりして、源義経(みなもとのよしつね・菅田将暉)と結託して…いや、野望と虚栄心が混濁したこのタイプの人、確かに親戚にいれば確かに厄介なところもあるのか…。

野卑な木曾義仲(きそのよしなか・青木崇高)を過剰な方向に焚きつけたのもこの人か。
おいおい巴御前(ともえごぜん・秋元才加)、眉毛繋がってるじゃねえか。

ドラマは濃いキャラがどんどんはっきりしてきて、群像劇が成立してきましたね。
「鎌倉が真っ二つに割れちまう」危機すら招きかねない、豪族たちの主張。

あっさり跡取りを人質に

武田信義(たけだののぶよし・八嶋智人)もそうですが、「源氏の棟梁に誰がなるのか問題」と「実際に強いのはどっちだ問題」が同時に燻っており、源頼朝はどうして木曾義仲に先んじる形で上洛を選ばなかったのか。これも「優先順位を絶対に間違わない源頼朝」として謎であり、すごいところだと思います。

木曾義仲は源氏として結託する約束の象徴として、嫡男を源頼朝に人質に出すことにしました。

ドラマでは「コミカル頼朝」がやたら強調されてますが、これはどんな落差を作る意図なんでしょう。それともこのまま、「ちょっと間抜けで優しい鎌倉殿」のまま終わるつもりなんでしょうか。40年前の大河ドラマ『草燃える』でも源頼朝は、ちょっと気のいいお殿様キャラだった。

どうして木曾義仲は、子供を人質にしなければならかなったのか。
それは新宮十郎行家を匿ったことに、源頼朝が激怒していたからです。

「坂東軍で攻めるぞこの野郎」くらいの脅しをかけたはずです。だからこそ、京へ攻めのぼることを優先したい木曾義仲は、とりあえず背後に安心感をということで最善にして最大の効果を狙い、嫡男を差し出した。

源頼朝は、ただの女好きおじさんでも、優しい一族思いなパパでもありません。

木曾義仲の嫡男・源義高(みなもとのよしたか・市川染五郎)はまだ子供。
この子は実はその詳細はよくわかっておらず、名前がほんとに「義高」かどうかもわかっていないのだそうです。

この少年の話は「淡い恋」や「幼き悲恋」として語り継がれるエピソードにつながるのですが、よく考えたらやはり合戦など、むくつけき血生臭い男たちの殺し合いばかりがクローズアップされる鎌倉時代なので、恋や慕い、想い想われのロマンスは、ドラマで殊更に語り継がれるべきことなんですよね。

初回から、八重さん(やえ・新垣結衣)との感情の交差がやたら尺を取って描かれているのも、そのバランスのためなのだと理解できます。

本来は「この時代の出来事」としては「京都の問題」に焦点を合わせるべきなんです。
京都の勢力図もこの時期、刻々と書き変わっており、もしかするとアニメ『平家物語』を観るべきなのだと思います。

 

今回の鎌倉殿の13人紀行はここでした。

豆塚神社

最誓寺







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