自論構築過程

2021年元旦/怯えながら生きる

2021年になった。

 

人間には、根底に「怯え」がある。
疾患や弱点があれば、さらにそれは加速する。

健康で金持ちに見える人でも、見えない部分には必ず、根源的な恐怖がある。

だからこそ、明るさを求めるように生きようとする。
おそらく人間は最初から、そういうふうに出来ている。
完全に完璧な時などない。

そもそも、生きることが明るく楽しいだけなら、喜びを感じたいと願うはずがない。
明るくありたい、楽しくありたい、と願うこと自体、最初から生きることが、苦しみを伴うものであることの証拠ではないだろうか。

生き物はすべからく、最初から恐怖とセットで生まれてくる。
科学文明でなんとか便利に、器用に、工夫と快楽で成り立つように、死なずに進んでいくのが人間の人生だけれど、例えば人間以外の動物にとっては、その恐怖と怯えは、より一層強い。

美味しそうに何かを食べているペットだって、急に近くで「グワッッッ!!」と大声を出したら、飛び退く。
食事中でさえ、周囲の環境に気を配り、身を守るために逃げる用意をしながら食べている。
ネズミなら近づいただけで逃げていく。警戒心が備わっているのは、いかに危険が直接的に命に関わるかを、本能的に知っているからだ。

「恐怖と怯え」は、すべての生き物にとって、常に生きる上でセットなのだ。
それがないと、断崖絶壁になにも思わず近づいてしまうし、毒々しい色合いのキノコをしっかり見ずに口に入れてしまう。「生きる上でセット」とはつまりそういうことだ。できるだけ長くできるだけ健康で生きるために、恐怖を感じ、怯えがしっかり続くように、セッティングされているのである。

逆に言えば、それがしっかりセッティングされている種族が、生き残ってきたということだろう。

「勇猛果敢」は人間の後付けの概念でしかないが、なにも恐れず、何にも怯えない種族は、怖がらないが故に自分より強い敵に立ち向かってしまい、勝てない相手に負けてぜんぶ死んだ。肉体が崩壊する高度や温度が理解できず、崖から飛んで全部死んだ。

なにも怖くないから、自分一人で絶滅してしまう段階になっても、気付かなかったかもしれない。

怯えがあることは、生きていることと同時に常にある、人間のデフォルト設定である。
「喜怒哀楽」も人間の後付けの概念でしかないが、すべてはこの「怯え」が元になって、現れてくるものだ。

 

「人生、楽しまなきゃ損よ!」が現代風の処世訓だと語られ、ビジネス書からスピリチュアル本まで、全てにおいて「楽しむこと、そんな人生こそが正解」とばかりに書いてあったりするが、本質的にはそれらは、すべて嘘なのだ。

その「楽しむ」の裏には、それ相当の苦しみが張り付いている。
人を出し抜いて、悲しみを他人に背負わせて得た対価で、病院に通い、薬を常備し、高級車に乗り、高級海苔を食う。

「人生は楽しむべきもの」とだけ言われることへの違和感は、だってあんた、しんどいこととか苦しいこととか、全部隠してるじゃないか、と感じることから来る。

「できるだけ楽しく過ごしたい」
「可能な限り楽をしたい」

の裏には、

「だって人生は苦しいものなのですから」という出発点がセットになっていなければならない。

 

それを考えて、やっと「じゃあどうすればいいんだろう」というところに思いが届く。「この先どうなるんだろう」ではなく、「じゃあこの先、どうして行こうか」が大切なのだ。

 

あと何年生きられるかはわからないが、旅はおそらく死の先も、続くのである。
これはぜんぜん、暗い話なんかではない。
「ああ、そうか」というだけの、単なる事実だ。

 

 

良い年になりますように。

 

 







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