アホらしさで胸がスカッとするかのようなニュースがありましたね。
車追い抜きに立腹し道ふさぐ バイパス6キロ渋滞
https://www.kobe-np.co.jp/news/backnumber/201609/0011730872.shtml
兵庫庫県警飾磨署は7日、傷害の疑いで、姫路市広畑区才の配管業の男(45)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は同日午後3時45分ごろ、同市苫編の姫路バイパス東行き車線上で、広島市の男性会社員(41)の顔を殴り、軽傷を負わせた疑い。「胸ぐらをつかんだが、殴っていない」と容疑を一部否認しているという。
同署などによると、男は追い抜かれたのに腹を立て、男性の車の前に回り込み停車させた上、胸ぐらをつかんで運転席から引きずり出したという。
現場は片側2車線の道路。2人の車が約40分間、走行車線をふさぐ格好となり、約6キロにわたり渋滞が発生したという。
男は追い抜かれたのに腹を立て、男性の車の前に回り込み停車させた上、胸ぐらをつかんで運転席から引きずり出した
んだそうです。
最高じゃないですか。アホっぽくて。
なぜ、追い抜かれたのが腹立つんでしょう。
「負けた感」があるからですね。
相手の行動が、自分を危険にさらす可能性のある走行だったとしても、もう一回抜き返して通せんぼして胸ぐらつかむというのでは、何が「危険」なのかわかってない感じになってしまいますもんね。
「追い抜かれた!!!ムカァッッ!」
という、この心象を持っている人って、運転免許取り立てからの時間に比例して少なくなっていくものだと思ってたんですが、この逮捕された人は45歳。
何なんでしょう。
ずっと、「俺は先頭を走りたいのに!抜かれた!悔しい!」みたいな感覚で20年以上運転してたんでしょうか。
他で、後輩に抜かれてること、いっぱいあるでしょうに。
公道で走るのは、レースの体をなしていません。
だから、「抜かれる」とかっていう概念は当てはまりません。
あくまで「追い越し」です。
レースは、「スタートは同時で、ゴールが同じ」という条件が満たされていないといけません。
赤の他人だと、スタート地点も違うし、行き先も違うのは当然ですよね。
まれに、同じ施設に向かうがゆえに、先着順を争うがゆえに、レースになってしまうことはあるかも知れません。
それなら、「抜くんじゃねえ!」という怒りは少しだけわかります。
でも、正当に怒っていいのは「抜くんじゃねえ」じゃなくて「割り込むんじゃねえ」の場合です。
1時間早く出発していれば、やはり抜きつ抜かれつのレースにはなりえず、腹も立ちませんし先着にも間に合います。
レースの条件には、もう一個ありましたね。
「出場者が決まっている」。
誰が来るかわからない先着順の追い抜き合いは、だからやっぱりレースではない。
ないのに、怒ってるんですからアホですね。
レースの条件をおさらい。
1、スタートが同時である
2、ゴールが同じである
3、出場者が決まっている
これを満たしていないのに「抜いただろ」「抜かれて腹立つ」と怒っている人はもう一度、教習所の学科を140時間くらい勉強しなおしたらいいと思います。多分、そんな項は出てこないと思います。習った記憶もありません。
なぜなら、「そんなことは、なんとなく習得していくもの」だからです。
それが世知というものでしょうし、それを思うと、どっちにしても追い抜かれたから激怒して、走行車線を塞ぐような男に、配管工事とか、服の縫製とか、サイト作成とかあらゆる仕事、やってもらいたくないなぁ、と強めに思うのであります。