とつぜんiPhone8が死ぬ世界線の、変なDQウォーク。

朝目覚めると、iPhoneホーム画面の左端に「圏外」と出ていた。

え、この世は漫画（あるいは映画の）『ドラゴンヘッド』のようになってしまったのか。なんで圏外に。いやそんなはずはない、折しも巨大強力台風ファクサイ（15号）が都内を通過し、通過した先の街々に甚大な被害を及ぼしている、ちょうどそんな日だったけど。周囲に幸い被害はない。窓も割れてないし木々も倒れていない。

なんでだ。
私は自分の暮らす部屋にはWi-Fiを飛ばしており、パソコンはもちろんトイレでも快適にネットに接続できる環境である。なのでiPhoneには、常にWi-Fiをキャッチするマークは出ている。家に帰ると、自然にWi-Fiに切り替わる。

なんだ？圏外？？？と思いながら、一度ワイはWi-Fiを切ってみる。通信が出来ない。

「4G」の表示が出ない。
なんでだ！！？？

iPhoneの電源を切る。
再度、電源を入れる。

すると

左上、「圏外」の部分が「検索中」になった。
そして左上はアンテナ感度表示「4本立ってる」になり、

ドン！と

アクティベーション中
しばらくお待ちください。
ーーーーーーーーーーー
　　　　了解

という表示が出た。

え！？
了解、するしかない。

すると、ふたたび「圏外」になった。

つまりこれ、「アクティベーションができてない」という状態なのだ。

「アクティベーション」というのは、いわゆる「初期設定」だ。
「このSIMカードをこのiPhoneで使うからね！？」という設定のこと。

アクティベート（Activate）には、作動させる、活性化するなどの意味がある。
アクティベーション（activation）は名詞形。
「活性化」でいいのだろうか。
語尾にそれぞれ付いている「te」と「ation」の関係性は、たとえば「コラボレート（collaborate）」と「コラボレーション（collaboration）」と同じだ。

とにかく、意味不明にiPhoneの通信機能が死んでる。
Wi-Fiあるんで大丈夫！いやぜんぜん大丈夫ではない。

今はどこにでも無料Wi-Fiはありますしぃ、ノマドっすよぉアドレスホッパーっすよぉ〜、などというのは良くない。だいいちあんまり賢そうに見えない。「東京は電車網が発達しているので自動車は必要ない！」と軽々にいう人らは「そういう生活スタイルで生活しているだけ」なのである。自分が「深夜3時に駅前でない場所にはどれほど重要な案件であっても駆けつけられない」属性であるという事実を、唯々諾々と受け入れてなんとも思わないのであれば、確かに都心で自動車などまったく必要がない。何もそれが悪いわけではない。「ただそれだけ」、だ。タクシーもあるし。

だけど自分が楽天モバイルで契約している20Gプランが、いっさい利用できないというのはとにかく解せぬ。むやみにギガを節約してしまっている（今日も使用量は0バイト）は解せぬ。

早速、楽天モバイルの店舗に行った。

SIMカードを抜き取り、カウンター内にかねて用意の、違う端末に差し込む係のお兄さん。
そちらの端末ではちゃんと受信しているようだ。つづいて試験用の、違うSIMカードを我がiPhone8に差し込む係のお兄さん（同一人物です）。

動かないようだ。
やはり、我が分身たるiPhone8が、アクティベーションを拒んでいる。というか勝手にぶち壊れていやがる。

なんなんだ急に。
どうしたんだ急に。

今日、今、すぐに通信そのものを取り戻すには、この筐体（iPhone8）を打ち捨て、踏み壊し、新しい端末をこの場で購入し、使っているSIMを差し込み新たにアクティベーションをするしかない。

そうするしかない。

だけど「嫌だ」と魂が叫んでいる。
その場しのぎに、急場のがれに、わけのわからん安価めのアンドロイドを買うなんて、Appleの奴隷たる自分のプライドが許さない。ジョブズズ・スレイヴのこの心の涙は、つい数日前に発売された新しいiPhone（イレブンシリーズ）発表と発売開始を知ってしまった手前、新機種がらみでないとぬぐい去ることかなわじ…。

なんて考えながら、楽天カフェでコーヒーくぴくぴ飲んでた（2019年9月23日でカフェ部分は閉鎖）。

まぁ、まぁ、家に帰れば通信はできるし、まぁ、特に急に連絡が誰かから来て慌てて命がけで対応する、みたいなことってあまり考えられないし、まぁ、まぁ、そんなのを恐れるならもっと保険とかに入ってなきゃいけないし、などと思いながら、特に対応はせず帰宅。

始まった、冒険の世界。

折しも、「ドラゴンクエストウォーク（DQウォーク）」がこちらも数日前、ローンチされたところで、すぐに300万ダウンロードのお知らせもあり、ああ、ポケモンGO以来、ちょっとだけやってみるのかなぁ…なんて思って深夜、黙ってダウンロードしてみた。

9月12日(木)に配信を開始した『ドラゴンクエストウォーク』が、本日300万ダウンロードを突破したことをお知らせいたします。
300万ダウンロード突破を記念して、「特別クエスト」を開催致します。開催日程は100万ダウンロード突破記念と合わせて決まり次第お知らせいたします。 #DQウォーク pic.twitter.com/CjHnMIEJQ4

— ドラゴンクエストウォーク公式 (@DQWalk) September 14, 2019

もちろん、「ウォーク」を冠するゲームアプリだし、AR（Augmented Reality。拡張現実）技術をふんだんに取り入れたソフトなので、外に出て、実際の道路に沿って、地図を活かして歩かないと、醍醐味どころか寸毫の楽しみも楽しめない。

公式サイト
https://www.dragonquest.jp/walk/

それは分かっている。

だけど、外に出ると電波がないのだ、今の自分には。
家でしかこのゲームを楽しめない。

初期設定を済ませ、名前をつけ、いざ冒険に出発である。

とはいえ、ずっと同じ位置にいる。
ずっと同じ位置で、同じモンスターを待っている。

最初に設定する「目的地（近所の公園）」にすら行けない（70mほど先）のだから、近づいてきてくれる「スライム」と「ドラキー」のみを粛々と倒し、経験値「3」ずつを黙々と積み重ねていくしかない。

先ほど、レベルはついに、「7」に達した。スライムとドラキー「のみ」の死屍累々の上に樹立した「7」である」。

続報あるかも→レベル「8」になりました…

戦士として偏食にもほどがあるが、このままiPhone問題が解決しなければ、もはや我がiPhone8は言うなれば薄型カメラ。我が名は日中の連絡手段皆無な人。別名ネットカフェ必須人間となってしまう。確か携帯電話が本格的に普及し始めた1998年ごろには「俺？俺は携帯なんかもたないよ？馬鹿馬鹿しい。だって居場所、知られたくないし、捕まえられたくないからねっ！！」とのたまうおっさん・若者が大勢いた。「何言ってんだこいつ」と自分は本気で思っていた。新しい通信機器ができたのに、「居場所を知られる」という発想しかないんだこの人ら…ということに心底驚いたからだ。そしてそういう身勝手な人が少数派になればなるほど、そういう人は「周りの助けがないとまともに仕事もできない」状態になっていくことがなぜわからないんだろう、とも思った。