プラトンが「パイドン」で披露したイデア説。これは師・ソクラテスの説ではないかと言われている。
目に見えるもの、手で感じるもの、この世にあると言えるもの、それらが全て、イデアという、永遠不滅の無条件な、すでに別世界にあるものの模倣で、それだけに実際の世の中で自分たちが触れ得るものは、しょせん生滅をくり返すはかなきものだ…。
心の目でしか見えない、表しようのない真実の姿、という風に定義して、今はかなり忘れてしまった人間たちは、実はイデアを、すでに知っている。
すでに知っているからこそ、真に認識するのは「想起」だと。
イデアは英語圏でidea(アイデア)、ドイツ語圏でIdee(イデー)となり、それぞれ近世哲学的な解釈が加えられて、現在に至る。
今見えている、感じることだけを信じず、どこかに根源的性質に至る道程があり、それには経験は不可欠ではない、いわば内的な、心的な能力が人間には備わっている、と彼(ら)は喝破した。
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1日1個、一年続けたら自動的に少しだけ賢くなるんじゃないか実験。
デイヴィッド・S・キダーとノア・D・オッペンハイムのベストセラー。小林朋則氏訳。
歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7分野から、365日分の知識。
この本を読みつつ、知ってるようで知らなかったこともちゃんと知りつつ、ああそうなんだね~なんて思いながら、少しだけ書くことを続けます。最低限、「360ページ以上ある本を読んだ」の事実が残れば、それでいい。「教養が身につくかどうか」なんて、知ったことか、と。
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365