映画「悪いことしましョ!」(1967年版)で人間が、悪魔に対して「それで、どうしてお前は神に反逆したんだ?」と訊いた。
悪魔は「教えてやろう。俺の周りを、おお、神を讃えよ!主はなんと素晴らしい!主はなんと偉大なことか!主はなんと輝かしいことか!と唱えながら踊って回れ」と言った。
彼(人間)はしばらく言われた通りにしたが、しばらくして
「もう、うんざりだ。交代してくれないか?」
と不平をこぼした。
すると、悪魔はすかさずこう言った。
「俺も、まさにそう言ったのさ」。
これはかなり初期的ではっきりとした、「アンチヒーロー」の登場だったのかもしれない。
ジョン・ミルトンの叙事詩「失楽園」を、サタンに肩入れしすぎているとして批判する声すらもあったそうだ。
大天使ミカエルは神の命令に逆らったアダムとイブに、人類に起こり得る災厄の幻を見せ、二人を追放した。彼らは手を取り合って、ゆっくりとした足取りでエデンの園を去った。
ガマガエルになり蛇になり、あの手のこの手でそそのかし、神が最も大切にしていた人間の堕落に成功したサタン。
なぜ堕天使だったサタンがそうしなければならなかったのかを語ろうとすると、複雑で難解・だからこそ魅力的に映る叙述にならざるを得なかったのだろうし、現在でも多くの犯罪ドラマが被害者ではなく加害者の目線で描かれるかの理由として、これが最初の例なのかもしれない。
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1日1個、一年続けたら自動的に少しだけ賢くなるんじゃないか実験。
デイヴィッド・S・キダーとノア・D・オッペンハイムのベストセラー。小林朋則氏訳。
歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7分野から、365日分の知識。
この本を読みつつ、知ってるようで知らなかったこともちゃんと知りつつ、ああそうなんだね~なんて思いながら、少しだけ書くことを続けます。最低限、「360ページ以上ある本を読んだ」の事実が残れば、それでいい。「教養が身につくかどうか」なんて、知ったことか、と。
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365