違う音が重なり合う状態を「明るい」「暗い」「心地よい」などと感じるということ、それ自体が「和声」の発見の動機だったのだろうと考えると、この世に「和声」というものがもともと存在するのではなくて、人間が「和声で動く感情を持つまでに進化した」と言えるかもしれない。
ハーモニーの語源は「固定」「つなぐ」という意味のギリシャ語「ハルモニア」なのだそうだ。
不協和音を織り交ぜることで楽曲に深みを出す、という技法もあって、だからこそ協和する和声が、安定的で心地よく感じるのだろう。
単音だった携帯電話の着信音に「和音が使える」となった当時(1996年?)、自分で楽曲の音階を和音にしてアレンジする人もたくさんいた。着メロがサーバからダウンロードできるようになってその文化はついに潰えたが、「この重なりが気持ちいい」という和音の文化と、それを操る音楽人へのリスペクトは、消えることはない。
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1日1個、一年続けたら自動的に少しだけ賢くなるんじゃないか実験。
デイヴィッド・S・キダーとノア・D・オッペンハイムのベストセラー。小林朋則氏訳。
歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7分野から、365日分の知識。
この本を読みつつ、知ってるようで知らなかったこともちゃんと知りつつ、ああそうなんだね~なんて思いながら、少しだけ書くことを続けます。最低限、「360ページ以上ある本を読んだ」の事実が残れば、それでいい。「教養が身につくかどうか」なんて、知ったことか、と。
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365