スパルタがあったラコニア地方のラコニアという名前は、ラコニック(laconic)という言葉に由来する。これは「言葉数の少ない」という意味らしい。
言葉少なに戦いのみにその存在を賭けたスパルタの戦士たちのことを言っているのだ。
いまだに「スパルタ教育」にその名を残している。いくら教育熱心な親でも「アテネママ」とか言わないところを見ると、いかにスパルタが敷いていた強兵制度が特異で、突出したものだったかがうかがえる。
都市国家規模では通用した戦争や訓練も、大国に飲み込まれる過程でそのやり方は衰微していき、やがて伝説となったのだろう。
それでも恐ろしい鍛錬こそが国家を守る、という意思が社会に浸透さえしてしまえば、戦果も伴って、それが当たり前だと洗脳されてしまうということになるのかも知れない。
文化のアテネv.s.戦士のスパルタ。この帰着は、陸軍対海軍の戦いとも言える。文化的に進んでいないと海軍はまともに運営できないので、やがてスパルタは海上での覇権を失う。
圧倒的に勝った時代もあったが、勝ったら勝ったで空前の好景気が訪れ、貧富の差が治安を乱し、かつての厳しさがモットーだったスパルタらしさが失われ、弱体化に繋がっていってしまった。
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1日1個、一年続けたら自動的に少しだけ賢くなるんじゃないか実験。
デイヴィッド・S・キダーとノア・D・オッペンハイムのベストセラー。小林朋則氏訳。
歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7分野から、365日分の知識。
この本を読みつつ、知ってるようで知らなかったこともちゃんと知りつつ、ああそうなんだね~なんて思いながら、少しだけ書くことを続けます。最低限、「360ページ以上ある本を読んだ」の事実が残れば、それでいい。「教養が身につくかどうか」なんて、知ったことか、と。
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365