見たもの、思うこと。

大地を揺るがす天才の激突。『アド・アストラ』。

アド・アストラ ―スキピオとハンニバル― 10 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

今年(2017年)は初頭からローマづいているので、テルマエロマエとか、テレビ番組でもバイアエを取り上げたもの(地球ドラマチック)とか、色々目に入ってくる感じになってます。

▽古代ローマ 陰謀と退廃の街~海に沈んだもうひとつのポンペイ
http://www4.nhk.or.jp/dramatic/x/2017-08-05/31/31903/2340487/

テルマエ・ロマエからベン・ハーへの逆行

 

 

そんな中。

「ここを取り上げた漫画あるの!?」と驚いたのが「アド・アストラ」。
カガノミハチ先生の作品。2011年からやってたんですね。

「アド・アストラ」とは

per aspera ad astra

から取られた言葉です。

困難を克服して栄光を獲得する

という意味なんだそうです。

哲学者・セネカの言葉。

セネカには大セネカと小セネカがいるんですが、どっちの言葉なんでしょうか(調べろよw)…。小セネカは息子。小アグリッピーナとか小カトーとか、この古代の、「小をつけとく」みたいな習慣てなんなんでしょうね。醍醐天皇に対する後醍醐とか白河に対する後白河とか、日本の「後をつけとく」に似てるのかな。

猛将・ハンニバルは紀元前の人なので、「ほんと、よくこれを漫画化しようと…」という驚嘆がまず、胸に去来します。

だって、『ベンハー』もそうですし『グラディエイター』もそうですけど、ハリウッド的な「実写・ローマもの」であってもやっぱり、古代ローマの習俗というか、景色って、どこか違和感あります。というのも、そんなに資料がないから。

レリーフとか石像とか、あるにはあるんでしょうけど、古代のローマ初期の文化はキリスト教の勃興によってかなり徹底的に破壊されているんで、「キリスト教以前」がどんなに豊かで素晴らしかったかは、想像に頼るしかない。

常々、キリスト教が、豊かな文化を破壊したんですよ…?、ということを、安易なスピリチュアルな方々には常々言いたい、と私は感じております。どうもスピリチュアルな方々は「キリスト教そのものが人類の歴史」と感じてらっしゃるフシがある。中世の建造物とか、キリスト像とか奇跡とか、まるで人間の歴史が2017年間しかないかのような、思い込みをしてるフシがある。

実際はそんなことはない(そこまで馬鹿ではない)とは思いますけど、結局は勉強不足と白人コンプレックスの裏返し、なのかもしれません。ああいう方々の「キリスト教的イメージ利用」にはけっこううんざりするものがあります。

キリスト教以前、ローマは怖いくらいの多神教で、なんでも神格化して祀ってたそうです。

 

その数、なんと30万柱。

やおよろず、で「縁結びの神様」とか「交通安全の神様」とか作っちゃう日本人と似てます。日本で、本格的なキリスト教がいまだに一向に広まらないのも、また納得できる感じ。

古代ローマでユダヤ・キリスト教が迫害されたのは、ローマ側は「ユダヤ・キリストの神も、神と認めよう」と寛容で、祀ってもかまわんよ、神殿作ってもかまわんよっていう姿勢だったのに、当のユダヤ・キリスト側が「神は絶対に一つである。他の神を祀る国は、とにかくまず滅ぶべきなのである」と頑(かたく)な非協力的で、ローマ市民の義務すら果たそうとしなかったからなんですね。

その傾向は場合によってユダヤ教よりキリスト教の方が時代が進むと先鋭的で、でも結局はローマ帝国は衰亡する過程でキリスト教を国教にしてしまいます。いえ、そこまでは「ローマ人の物語」、まだ読み進めてないのですけれど(いま13巻めです)。


↑今日、これが届いた。

 

キリスト教が生まれるまだ、はるか以前。

スキピオの生まれは、紀元前236年。
ハンニバルの生まれは、紀元前247年。

240年前ってことは、2017年からすると1777年、日本なら安永5年。
杉田玄白とか平賀源内とか、そういう時代です。

距離感として、「それくらい前」っていうことです。
10代将軍家治(いえはる)の時代に、誰が「世界を席巻する、絶対神を信じる宗教が生まれる」なんて想像できますか。
その時代感覚って、なかなか想像できないけど、できると楽しい。

それにしてもまさか、象を連れてアルプス越えを果たし、イタリア本国内で暴れまわる他国軍が現れるなんて。

驚愕と恐怖と畏怖が渦巻いた、ハンニバル将軍の物語。そしてついに、そのハンニバルを倒し、「アフリカを制した者」という愛称「アフリカヌス」を冠することになるローマの将軍・スキピオ。

ローマ人の物語は、一日にしてならず。

まだカエサルポンペイウスも、とうぜんアウグストゥスも生まれていない時代ですからね…。
北朝鮮の将軍がまさか青森から上陸して、自衛隊や警察を撃破しつつ東北の街を陥落させていく…ありえない!でもそのありえないが起こってしまって、ローマ帝国(この時はまだ帝国ではないけど)はマジで存亡の危機だったんんですね。逆にこの戦争にローマが勝ったからこそ、帝国になり得た。

 

 

 

↓ついに最終決戦「ザマの戦い」!

 

 

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