タバコ、「屋内全面禁煙」が原則となり、飲食店でタバコを吸ってはいけないような法改正がなされる動き。
反対派は、
「お店がやっていけない」
「廃業に追い込まれるんじゃないか」
ということで「分煙を徹底すればよい」で対抗する構えだ。
吸わない人からすると
「それでやっていけないお店が廃業して何がおかしいのかわからん」
であり、吸う人からすると
「憩いの場がなくなるのはどうにも許しがたい」
ということになるようだ。
3つ目の動画に出ていた、大森利夫さん(0:36ごろ)は、「全国生活衛生同業組合中央会」の理事長さん。
そんな偉い人が言うんだから「廃業に追い込まれるんじゃないかと」は、飲食店を経営する方々にとって重く響くのだろう。
「全国生活衛生同業組合中央会」と言うのは、16業種の生活衛生同業組合連合会が会員となっている組織。
全国理容生活衛生同業組合連合会(全理連)
全日本美容業生活衛生同業組合連合会(全美連)
全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(全ク連)
全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会(全浴連)
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)
全国麺類生活衛生同業組合連合会(全麺生連)
全国氷雪販売業生活衛生同業組合連合会(全氷連)
全国食肉生活衛生同業組合連合会(全肉生連)
全国飲食業生活衛生同業組合連合会(全飲連)
全国すし商生活衛生同業組合連合会(全すし連)
全国食鳥肉販売業生活衛生同業組合連合会(全鳥連)
全国喫茶飲食生活衛生同業組合連合会(全喫飲連)
全国中華料理生活衛生同業組合連合会(全中連)
全国社交飲食業生活衛生同業組合連合会(全社連)
全国料理業生活衛生同業組合連合会(全料連)
※wikipediaより
たいていの業種で、「お店で喫煙」が関わってきている。
「クリーニング」は違うか。
洗うほうだし。
で上の大森氏は、理容の方の重鎮だ。
いや、散髪屋は全面禁煙でも廃業にはならないと思うけど。
と言うか散髪する間くらいタバコ吸うなよっていう話だし。
「全面禁煙までするこたぁない」と思っている方、お店の方もそうだが、どうも、根本的な齟齬があるような気がする。
まず、「お商売でやってるんですよね?」ってこと。
なんだか「喫煙する常連だけでやっていければいい、そんなところが全面禁煙になったら潰れるよ」という意見が、ズイッッと通りそうな気配が世間にはある。
上に書いた根本的な齟齬というのは「タバコ吸わない人は、“あそこは喫煙モウモウだから行かない”と言って避けてる店がたくさんある」という情報を、共有できていないということだと思う。
わざわざ、体も髪も服も全部、他人の吐いた息混じりのヤニの匂いにまみれる店に入ろうと思う人はいない。
喫煙者だって「他人の煙は嫌い」なんだから。
美味しいとか、おしゃれだとか、店員さんが美人とか、そういうポイントがあったとしても多くの人が「喫煙OKでクサいから避けてる」っていう事実、知ってるんだろうか?
で、国民全体で見れば、喫煙者は全体の2割以下くらいしかいない。
そうなると「喫煙者を締め出したらお店が潰れる」っていうのは、どこを見て言ってるんだろう、ということになる。
禁煙にした方が、お客さんは増える。
喫煙しない人の方が人口多いんだから。
「確実にお客さんが増える」と言うことがわかってることを、おたくはやらないんですか?
しかも法律が後押ししてくれるっていうのに。
例えばWi-Fiを、国が補助金で設置してくれるってなってもやらないのかな。
店のクリーニングなら喜んで受け入れるはず。
それでお客さんが喜んで増えてくれるなら。
で、また基本的なことですが「喫煙者は入れない」って、別に「喫煙者差別」をして血中ニコチン濃度自動測定器を設置して出入り禁止になる、っていうわけじゃないじゃない。
喫煙者は、店内で、吸わなければ堂々と座っていられるのだ。
何も「喫煙人間席」とかに押し込まれる訳ではない。
「地球上で吸うな」という訳でもない。
重要なのは「タバコが吸えるから」という理由「その一点」だけでお客さんが来ていた店は、潰れて当然だという事実だ。
「タバコが吸えてクソ不味く居心地も悪い店」と、「タバコは吸えないが美味くて居心地がいい店」ならどちらへ行くの?
つまり「全面禁煙になったら潰れる」と言っているお店は、飲食店ではなく「ただの灰皿」だということになる。
そんなむちゃくちゃな。
でも想像するに、高級クラブとか社会的地位の高い人、いわゆる「偉いさん」の集まる社交場なんかでは、タバコOKが当たり前だったりするのが現状だろう。
だけど、じゃあ「法律で禁じられた」ことを、いわゆる「偉いさん」たちは、守らないのかな…?
東京が、先進国の都市では当たり前の「屋内全面禁煙」をぜんぜん成し遂げられないのは、都議会の議員さんにヘビースモーカーが多いからだ、なんていうことが言われている。
江戸時代の喫煙率は日本、世界一だったそうだ。
それで江戸には火事が多かったって言われても、納得できてしまう。
タバコには、日本独特の文化が花開いた経緯がある。
※参考
子どもも喫煙OKだった! 江戸時代の驚きのタバコ事情とは【銘柄やタバコ入れも】
http://edo-g.com/blog/2016/09/cigarette.html
でも今や、現代の科学で、「タバコはダメですね、体に」ということはわかってる訳だ。
「俺の体をどうしようが俺の勝手だ」なんだけど、あなた肺がんになったら病院に行って保険使うでしょう?
それ、人の金なんですよ。
肺の疾患になって息ができないくらい苦しくなっても「タバコ吸ってたらから俺は当たり前だ」と自宅の便所で一人で死ぬ人だけが、「俺の体をどうしようが俺の勝手だ」と言っていいのでしょう、と思うのDeath。
ニコチン中毒、のことをついでに書いておくと。
実は「タバコを吸ってリラックス」は、「タバコを吸ってるから、タバコ吸ったことでリラックスと勘違いしている」だけなのだ。
アホですね人間て。
タバコを吸う
↓
吸わないと禁断症状
↓
タバコを吸う
↓
リラックスした気になる
↓
吸わないと禁断症状
↓
タバコを吸う
以下ループ。
これを繰り返してるだけ。
タバコをまったく吸わない、というサイクルにはいれば、イライラじたいもリラックスじたいも無くなるのだ。
勝手にストレスの原因を400円以上も出して、持ち歩いているという状態。
ニコチンと言う意味では、アイコス(iQOS)もおなじ。
タールが削減されているそうなので、普通のタバコより体に害はない。
いやまぁそれでも喫煙所に閉じ込められて、最新の機器をくわえて何か吐き出している様は滑稽である。
立派な中毒患者に見える。
最新機器としては嬉々として、持ち歩きたい衝動に私もかられたりすることはあるが(ケースとかを揃えたりとかするの好き)、ものすごくスマートに最先端に効率よくニコチン依存症になっていく、と考えると、まぁ「草野球のキャッチャー」の範疇だと言わざるを得ない…。
「喫煙ヘルメット」があったら吸うのか?
…を考えると、いかに自分が迷惑をかけてるか、に自覚的になれると思う。
大きめのフルフェイスヘルメットの中にだけ煙が充満するようになってて、外にはまったく出ない。
全て髪・皮膚・口腔内・内臓に吸収されるまで脱げない「タバコ愛好家のための」ヘルメット。
だいたい、タバコ吸ってる人って「かっこつけてる」。
タバコ吸ってる人の「顔」を、駅の喫煙所で遠巻きに見てみて欲しい。
なぜかみんな、
「俺は激務の合間にひと時の休息をとっている企業戦士」とか
「俺はこのただれきった世の秩序に少しだけ逆らうアウトローなダークサイドを持った男」とか
「あたしは一人でこのセチ辛い世界を生きる、自立してなんでも判断できる気丈で理知的な女」みたいな顔してる。
それ、ただのニコチン依存だよ。
「かっこつけたい」っていう欲望がまずあって、それを繰り返しているうちに依存症になってて、もう理由が逆転してしまって、中毒と惰性で吸ってる。
恒常的に喫煙している人は男女問わず、
顔色も悪いし、
肌もガサガサだし、
白目も濁ってるし、
息も臭く、
歯茎も歯も汚い。
見たらすぐわかります。
というか近づくとクサいのでわかる。
カメムシと一緒。
どこがかっこいいんだろう。
どこをどう押して「モテる」と判断できるんだろう。
「いや、タバコ吸って長生きした人も沢山いる」っていう反論、よく聞きますけど、そんなカスみたいな情報、関係ない。
病院めっちゃ行ってるし(前述)。
依存してるから、
周りに迷惑かけてるのも構わず、
赤ちゃんがいようが吸い、
妊婦がいようが吸い、
禁煙の場所だろうが吸い、
飛行機だろうが「ああ、吸いたい、吸いたい」と24時間、思い続けてるワケだよね。
それのどこがかっこいいのか、説明できたら素晴らしいと思うし、
とにかく「屋内全面禁煙」と、「喫煙ヘルメットの開発」を待ちたいと思う。