タバコについて、「禁煙・嫌煙派」と「喫煙・愛煙派」がいますよね。
そして「どちらでもない派(吸わないけど)」がいる、ような気もする。
でもこれ、実は「嫌」とか「愛」とかで区別する問題では、もはやないんです。
その辺り、すでに「禁・嫌」の方の人は、知識として持っている傾向にあります。
でも「喫・愛」の側の人は、「自由・趣味・嗜好」という切り口でしか見れていない傾向に、まだまだあるかと思われます。
実際、科学的根拠から言えば、喫煙者は、「愛する気持ち」や「選択的嗜好」によって、日常的な喫煙をしているのではありません。
駅前の喫煙所に駆け込む、食事の途中でも店から出る、ベランダ・換気扇の下で、など、様々なシチュエーションにおいて喫煙している人は、「依存している」んです。
それは、薬物依存とまったく同じ原理です。
さらに言えば、過去の芸術的作品、映画やドラマなど、「かっこいい男」「渋い役柄」にはつきものだったタバコ、今でも役者さんなどには「タバコを吸うシーンは…」という懐古が見られるようですが、ハンフリーボガードであろうがジョンウェインであろうが、勝新太郎であろうが高倉健であろうが、劇中で吸っているその登場人物は、「ニコチン中毒・依存症」なのです。
なぜ、それがわかるか。日常的に、吸っているから、です。
こんな分かりやすい、依存症はない。
ニコチンは、中枢神経を刺激するものなのだそうです。
ニコチンで、「リラックスする」というのは、まったくの大嘘です。
え、でも、タバコで一服、は、大昔からあるリラックス方法やろがい!とお怒りになる方もおられるかもしれません。
「喫煙すると、コルチゾール、という血中のホルモン濃度が上がる。これは、体がストレスを感じた時に分泌されるもの。つまりタバコを吸ってリラックスしているというのは、ストレスホルモンとすら呼ばれているコルチゾールが出るのに、単にニコチンが切れた禁断症状がゆるんだ、ということをリラックスしたと勘違いしてるだけなんじゃボケエエエ!!!」
なにか聞こえましたか…。
つまり、タバコは「吸う」ことでリラックスをしているのではなく、「吸う」ことでマイナスに落ちた状態から、吸わないことで禁断症状を発し、「吸う」ことでゼロまで引き上げる、という虚しい作業をしているんですね。
体に、めちゃ悪い。
リラックスとか、大嘘です。
で、ね、喫煙者の方は言うんです、「じゃあ、なんで売ってるんだ!」と。「売るから買うのは当たり前だ!売るな!」と。
甘えるな。
と言いたいですね。
まったく、アルコール中毒の人のこと、笑えなくないですか。
あなたがタバコを吸ってるのは、「売ってるから」なの??じゃあ売ってるものは、なんでも買いまくって、摂取しまくって、依存するの?
「どん兵衛」も常にコンビニで売ってるし「ペヤング」も売ってるよ?依存するの?ハーゲンダッツは?
なんですか、「売ってるのが悪い」っていう理屈。
ことほど左様に、依存症になってしまうと、責任転嫁までして、吸い続けようとするんですね。
漫画やドラマで見る、覚醒剤中毒と、まるで同じではないですか。
でも、リラックスとか禁断症状とか、基本的には知ったこっちゃないんですよね。
吸ってる人がいくら苦しもうが、原則としては「個人の自由」ですから。
問題は、「受動喫煙」なんです。
はっきり言い切っていいと思うんですが完全なる地下の個室で吸い続けるだけなら、いくら吸ってくれても構わないんです。
それで体を悪くして死のうが、それはもうそれこそ自由の結果なので。
依存症という病気なのはかわいそうではありますが、喫煙者ってなぜか、異常にカッコつけてますから、それで死ねれば本望なんじゃないの?とも思いますし。
受動喫煙の害は、白くてケムたい煙だけではないんですね。
目に見えない、ニコチンや一酸化炭素などの有害物質が、空気中にかなりの時間、舞い続けるそうです。
なので、「分煙」は、まったく意味ありません。
レストランの中で「分煙スペース」を作っても、受動喫煙の観点からは、なんの意味もありません。
玄関を開け放ったまま、「ここから蚊、入るべからず」という張り紙をしているようなものです。無理です。
なので、「思いやり」とか「マナー」とかで、受動喫煙による害というのは防げないようなんですね。
室内は、完全禁煙にするしかない。
一人暮らしして、家で吸いまくってもらうしかない。
だって、完全分煙にしたって、そこの従業員は関係なく出入りするでしょう。
お店の方針で、非喫煙者である店員が受動喫煙の被害をこうむる、なんておかしいでしょう。例え「分煙手当」をもらったとしてもね。今後は、「室内の施設では吸えなくて当たり前」になっていくと思います。
それが、時代の趨勢というものでしょう。もう、10年前とは違うんです。
電子タバコなどもいろいろありますが、「タバコを吸っている理由はニコチンが含まれているから。趣味・嗜好ではなく依存症」というのが当たり前に知れ渡ったら、「じゃあタバコをどこで吸えばいいんだー!!」みたいな意見がまかり通るというアホらしさは、消えていくでしょう。
それに近いことを、国会議員が言うんだから呆れるばかり。
WHOの「タバコ規制枠組み条約」には。
100%タバコ煙のない法的環境を作り出すべきである
すべての屋内の職場と公衆の集まる場所は禁煙でなければならない
外務省の和訳サイト
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty159_17.html
WHOのページ
http://www.who.int/fctc/en/
と、はっきり書いてあります。
100%、ということは、「分煙」というような曖昧な、訳のわからん恣意的な設備を作って「やってまっせ」感を出すな、という意味でしょうし、「すべての屋内の職場と公衆の集まる場所」というのの「すべて」というのは、普通は「100%」と訳してもいいですよね。つまりそういうことです。
選挙に使う
さて先日(2017年7月2日)、都議選の投開票が行われました。
それに伴い、「タバコ問題首都圏協議会」が、候補者全員にアンケートを行なったんでね。
「つまり完全禁煙派?分煙派?愛煙家?」みたいな。
その結果が表になって乗っております、全区。
私は世田谷区なので、世田谷区を見ます、
東京にお住いの方は、自分の市区、見てみてください。
世田谷区の定員は8。
あっ、当落がまとめられていますね。
いやマジで、「回答なし」って書いてる奴らって一体なんなん。
回答なしで当選してるのは、8名中2。
三宅しげき(自民党)と木村基成(都民ファースト)。
もちろん、単なる(なんて言っちゃ失礼ですよ)ボランティア市民グループからの要請ですから法的根拠も回答義務もないんでしょうけども…よほど忙しいのか、愛煙家なんでしょうね。都議会で、ぶっちめられればいいんだwwwというか回答なしの候補者がほとんど落ちている(8名中6)のも興味深い。
さて、このアンケートの回答には2種類あり、
a. 建物内は全面禁煙
と
b. 店内は全面禁煙(建物内に喫煙室設置は可)
がある。
bもそれなりの施策のように見えますが、要するに「分煙」てこと。
受動喫煙や非喫煙者の健康被害になんの意味もない「分煙」です。
つまり、
b. 店内は全面禁煙(建物内に喫煙室設置は可)
を選んでいる候補者は「分煙でええやん」と言っている、ということ。
タバコ業界と癒着しているか、自分の依存症に気づいていないかバカかのどれかでしょうね。
bを選んでいるのは
大場やすのぶ(自民党)
里吉ゆみ(共産党)
福島りえこ(都民ファースト)
いやいや、「回答なし」で当選してるさっきの2人と言い、自民と都民ファースト…。
しっかりしていただきたい。
a. 建物内は全面禁煙
と回答しているのは
小松ダイスケ(自民党)
栗林のり子(公明党)
山口拓(民進党)
の3人。
なんだかもう、誰に入れるのかバレてしまうじゃないか的な選択肢の狭さだww
地方議会の選挙となると、必ずしも党の名前で選ぶのが正しいとも限らないかもしれないけれど、こういう「禁煙に対しての態度」で決めるのは、とてつもなく有効だなあ、と思いました。
aを選びながらも惜しくも次点となってしまった
岡本京子(世田谷・生活者ネットワーク)
には次回、ぜひ頑張っていただきたい。
それにしても、無所属のくせに(党議拘束に左右されないくせに)、せっかくのアンケートに答えないでアピールの機会を傲然と失ってる
マック赤坂
ふじた孝行
ってなんなんだ。
そういうセンスがないから落選してるんじゃないか?
タバコ問題首都圏協議会
http://nosmoke-shutoken.org/news/enquete201706/
ちなみに、島嶼部(大島、三宅島、八丈島、小笠原諸島)の候補者は3(当選するのは1)。
ものの見事に誰も回答してないwwww逆に渋いわ。島シブい。
さて、タバコについて今回も言及して参りましたが、「禁煙」「受動喫煙」「副流煙」「健康被害」は政治的なトピックに完全になっているし、喫煙者の言う「自由」など、非喫煙者からしてみれば「刃物愛好者の、ナイフを振り回す自由」に等しい、という認識が高まっているという事実を、改めて噛み締めたいと思います。
最後に、こういう記事もありましたので紹介しておきます。
「キムタク・坂上忍は臭い」喫煙規制イベントで山田邦子がバッサリ、「禁煙してほしいタレント」ランキングで戸田恵梨香も流れ弾
https://news.merumo.ne.jp/article/genre/6249848
いやこの記事にされてることがすでに流れ弾やがな…。
ではさようなら。