具体性のない不安
具体性がないからこそ、不安になる。具体性のある不安は「問題点」とか「改善点」と呼ばれるので、発生した途端にタスクが生まれ、心にしんどさがあるとしたら「やるかやらないか」の迷いに移行する。具体性がない不安を生んでいるのはまず「具体性がない不安で悩みたい」という自分自身なのだと認識することが大事だ。具体性がないので、とうぜん解決もしないし終わりもない。漠然と浮かんでくる将来への不安は、返って直近の行動を曇らせる。望遠鏡で見た、遠くの空を飛ぶ怪鳥に気を取られるよりも、足にすでにかぶりついている巨大ワニをなんとかした方が良い。
変人
「俺(私)って変わってるから〜」と言いたい人は多い。変わってるというのは多くの人より優れているかズレているということを指していると思われる。優れていない場合はそこに対する自虐を指す。「変人」を自称する人はたいてい「変わった人」という、凡庸なカテゴリーに入っている。変わっている人としての振る舞いは、そのカテゴリーに属する限りみんな同じになる。同じような格好をして、同じような考え方で、同じように振る舞う。「俺(私)って変わってるから〜」という物言いが、すでにスタンダードな「変わってるって思ってもらいたい人」の王道なのである。なので「変わってますねえ」と追認してあげるのが一番の褒め言葉になり、御し易い。本当の変人は、その候補にも上がってくることがない。
使わないようにしてる言葉
「くせつよ」「○○なんよ」「○○がえぐい」などの言葉は使ってはならない。テレビを見て真似して、それが口癖になってる人はアホである。アホと思われたくない人は、これら芸人の言葉を真似してその場で面白味を出そうとはしてはならない。影響力ある芸人の言葉はご本人が適切な言い方で使うからこそ面白いのである。そこには「自分の表現をなんらかの方法でかさ増ししたい」という無意識のしょぼい願望があり、「自分は面白いことに敏感な発信者」だと思われたい薄汚い欲求がある。自分では生み出すものが何もないのでお手軽に流行の言葉を安易に流用する。上掲の言葉を日常で使っている人は、その言語感の浅薄さを披瀝しているのと同じなので注意が必要だ。昔で言うならことあるごとに「ナハッ!ナハッ!ナハッ!」と言っているのと同じなのだから。
登録名
あるお笑い芸人が、ケータイに登録している先輩の名前を「ウンコ野郎」とか「クソバカ野郎」とかにしていた。それは着信があった時、出るまでにそこそこの心の切り替えをするための有効な手段であると思った。ある有名女性タレントが、ケータイに登録している知り合いをA〜Dにランクづけし、着信音を変えていると言っていた。名前を見ずとも、鳴った音で重要性がわかるから出るか出ないかの判断に便利と得意げに話しており、こいつは性格の悪いものすごい嫌なやつなんだなと思った。