自論構築過程

空気、読めますか??

投稿日:2016年8月5日 更新日:

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あるところで『空気は読めますか?』というアンケートをとったことがあります。
さまざまな解答があったことが大変興味深く、懐かしみつつそれを紹介したいと思います。

空気を読めるか読めないかは、ある特定の職業に限らずとも、わりと重要ですよね。

しかしまず第一に理解しておかなくてはいけないのは、「読めなくても生きてはいける」ということです。

そして、「どこでもいつでも不変の、正解などない」ということです。

それを踏まえて…

紹介しましょう。

設問:
空気は読めますか?

回答:
○多分。
○読めないと思います。「空気を読む」って?!
○空気は読めます。
○同じ空気の人には読めます。
○読めない人はきらいです。読もうとがんばってます。
○いちおう読めると思う
○まぁまぁ。
○読めない
○多分。
○読める。と思う。
○読めません!!?前へつっ走ります→
○よみすぎてなやむ
○たぶん…
○読めません。
○読めるけど気にしません。
○読めなきゃいけないときに読みます。。。
○読めないというか読まない(笑)
○適度に読みたいですね
○たぶん読める方だとおもいます…
○よめますっ!!
○ある程度は読めてるとおもうけど、自分ではわかりません。
○読める!!とは断言できないけど読むようにしている。
○わりと読めるほうだとおもいます。読めない人は嫌いです。
○ほどほどに。
読んだ方がいい時にはきちんと読みます。
常に読めています。読んで、従うとは限りませんが。

という結果でした。

 

手書きのアンケートでしたので、判読できるのはこれですべてでした。
みなさん、今更ながら書いていただいてどうもありがとうございます。

さて、この解答を見てみると3種類に分けることができますね。

すなわち

1、読めない
2、読める
3、読めるけど読まない

さきほど書きましたように、「空気を読む」には絶対的な法則などありません。

それが「お経を読む」とは違うところですね。

「空気を読む」はとても分かりづらい用語(というか用法)なのに、みなさん意味がしっかりとわかっているという、なかなか珍しい例です。
これが既にして「空気を読んでいる状態」だったりする。

時と場合によってそれぞれ違うんですが、言い換えることも可能だと思います。

それはたとえば

「気配り」。

相手の事を思いやり、最善の状態にコトを運ぶ言動を選ぶ。
それを「気配り」と呼ぶとしたら、空気を読んでいるとホメられることもあるかもしれません。

しかし
「空気を読む」は、その『大きさ』も千変万化するんです。

常に等身大の「わたし、あなた」の大きさでだけ、やりとりするものではありません。

言い換えれば、
「いつも自分だけで判断できるものではない」のです。
「読まねばならない時に100%読める」などということはあり得ないのです。

最高の「気配り」が、最悪の感情を呼び起こす。

ありえるハナシです。

 

もちろん人数が増えれば難しくなっていくし、それぞれがどんな人かという関係性も重要になってくるでしょう。
簡単なときもあれば、努力しても失敗する時がある。

ですからアンケートにあったように、

読んだ方がいい時にはきちんと読みます。
常に読めています。読んで、従うとは限りませんが。

というような意見というのはずいぶんとおかしな、勘違いをした態度だ、と言わざるを得ません。
自分が仙人にでもなったつもりか、すでにアンケートに記入する時、設問に対する怒りに燃えていたかのどちらかですね。

残念ながら「きちんと読みます」などというのは単なる勘違いで、「常に読めています」というのは自意識過剰で不遜な態度なのかもしれません。

その上「読んで、従うとは限りませんが。」などというのは、場の空気より自分は上の立場にいるのだという「まったく空気を読めてない」宣言とも受け取れる意見だと、言えなくもないでしょう。

何度も言いますが、厳密には「空気を読む」に、不動の、普遍的な正解はありません。
そのうえ大きさ、時間の前後、その環境など、さまざまな条件が複雑に毎回違います。

 

想像力も必要でしょう。

アンケートにこういう「空気は読めますか?」という設問がある場合、考えねばならないのは「これはどの時点で完結するのか」というところです。

会場で回収される用紙ですから、書き込んだ内容をいずれ、誰かが見るわけです。

友達と面と向かって話しているのとは違うのです。
書き込んだ時点で完璧な内容でもタイムラグが開いてから冷静に赤の他人が読むと、記入者の意図とは違う雰囲気をまとってしまっている、という可能性があるわけです。

ですから書き込む時点ではOKでも、読む人たちの空気まで想像しておかないと、「読めます!」という宣言は

「それが読めてない証拠なんだょ…」とつぶやかれてしまう原因になってしまいます。

 

ということで、

「空気は読めますか?」という設問に対する、もっとも正解に近い解答は『読めない』系統の答えだったのではないでしょうか。

なぜならこのアンケートで、「空気を読めない」ことに関してそれを責め立てる用意も意図も最初からありませんし、本当に「空気を読めてる人なのかどうか」は、その他のアンケート欄を見ればスグわかります。

ですから「読めます!」と書いてくれている人の中にも、それがナルホドと感心するムードを醸し出している人が多数います。安心してください。

「読める」が間違いで「読めない」が正しい、などとと言いきることはできません。

 

しかし先ほど挙げたお二方、

読んだ方がいい時にはきちんと読みます。
常に読めています。読んで、従うとは限りませんが。

は、あ、あきらかに「空気、読めてない…」状態です。残念ですが…。

 

そう考えるとどこかで「空気は読めますか?」と聞かれたら、「間違いなく読めます」などと答えることはとても恥ずかしいことで、「いやぁ、どうでしょうね…」とお茶を濁しておくのが一番無難なラインかもしれません。

それを「空気を読む」と呼ぶのが日本社会。

設置したかいのある欄でしたね。







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