やっと、聴くことができました。ヘッドフォンで大音量。
パラドクス、とは。
「ジレンマ」とか「矛盾」という意味でも使われる言葉ですね。
二つまたはそれ以上の価値観や結果がぶつかってしまうような状態。思い起こせば似たような言葉、『AMBIVALENT』というタイトルのアルバムが、すでに10年前、2007年にありましたね。
ambivalenceは、相反する二つの感情が、同時に起こったりすること。
やはりなんだか似ていますね。
ただアンビバレンスは、同時にそれが起こったからといって、パラドクスに陥るとは限らない。
いわゆる「タイムパラドクス」について有名なのは「親殺しのパラドクス」。
タイムスリップして過去にいく。
親を殺す。
自分が生まれる前に親となる死ぬ。
自分は生まれてこれない。
さっき親を殺した俺は誰?
というもの。ここに矛盾が生まれます。
そもそも「親を殺す」と決めた自分は、親が殺されるんだから生まれてない。その場合、現在にいた自分(俺)にしてみれば、過去に遡って行く、それ自体が「未来」なわけでもあるんですよね。
10:00にタイムスリップして40年前に10分で着いたとしたら、自分の位置はどこであろうが、元の時間は10:10になってるわけだし。
もう、ややこしくて考えたくなくなる、のがタイムパラドクス。
永遠の、SFのネタになり続けることでしょう。
その前にタイムスリップには「質量の問題」があるような気がするのですが、それは「秘密の動画」で語ったりしてますので興味ある方は探してください。
さて、布袋さんの新作『Paradox』。
7曲目のインストゥルメンタル、「Maze」が圧巻です。
そしてタイトルチューン「Paradox」。
インパクトのあるリフはもう「ああまたテレビ番組で使われまくるぞ感」満載です。
1曲目のイントロはもはや「Lust For Life」。
↑しばらくイギー・ポップを観る時間にww
布袋さんはイギー・ポップとのコラボレーションも実現させている。すげい。
1曲目のイントロは、イギーへのオマージュ、というのも含まれてるんでしょうね…。
最近はファンの中でも「明るい励まし元気ソングばかり」なんていう不満が出たりもしてるそうです、確かに郷ひろみさんへの提供曲(「笑顔にカンパイ!」)とか、ローソンのテーマソング(「Heart To Heart」)とか、いやぁダークさゼロか!気のいいおじさんのハッピーソング的な、快活で明瞭な楽曲もあったりします。
しかしよく考えてみたら、「あの布袋さん」ですよ?
その楽曲の幅。音楽センスの引き出し。
なんせ今井美樹さんの「PRIDE」、曲だけじゃなくて詞も布袋さんですよ。
我々がかんたんに測れるほど、浅い音楽感ではない。
バカみたいに「GUITARHITHMの頃がいい」とdadaをこね続けるのはもちろん自由なんですけど、いやいや、ちゃんと聴いてる?
活動とか言動をちゃんと見てきてたら「昔が良かった」なんて、なんで言えるの?と不思議な気持ちになります。
11曲目「Aquarium」。
このコード進行なに?
わからんけど、アルバム『fetish』の「NO.1 IN THE UNIVERSE」を聴いた時の衝撃を思い出します。
なになに?このAメロのコード進行なに!?っていう。
2曲目の「Pandemoniac Frustration」。
歌詞の最後の方に
世界の誰もが
被害者になり得る
暴走したセダンが
部屋に飛び込んで来るように
とあります。確かに。
うん、いや、現実はセダンっていうかプリウスかしら。
ものすごくマニアックな、気持ち悪いことを言いますと、
3曲目の「Dreamers Are lonely」、歌い出しの
旅の始まりは
っていうところ、
氷室京介の『NEO FASCIO』という曲アルバムの3曲目、「ESCAPE」という歌の後半に出てくる
夢をくだらなく
のメロディに似てますね。
やっぱり気持ち悪いですよねこれすぐに思いつくのって。
ツアーグッズに「ミトン」があります、ちょっと欲しい。
いやぁ『Paradox』、聴きごたえのあるアルバムです。
でどうすんのよ、これ、買うのかよーー!!