買うてもた

バカ殿がやってきた日

投稿日:2024年6月26日 更新日:

 

 

 

 

 急に、プレミアムバンダイからメールが来て、

発送?配達?プレミアムバンダイ?

一瞬、ほんとに意味がわからなく、スクロールすると…

ううぉぇあ!?みたいな声出た。
バカ殿がこっち向かってる!?

買ったの?買ってたの?2月に????
酔っ払ってたとかっていうこともないので、朧げながら蘇ってきた記憶をたどってみると2月ごろ、「予約販売」のお知らせが来て、予約購入してたんですね。

↓オフィシャル販売ページ。

 

以前「ジャギ」を買ったんですが、こちらはメディコスで、Amazonで買ったんだと思います。

 

ならばなぜ、ますますプレミアムバンダイに会員登録してたんだろう(という部分は本当によくわからない)。

それにしても、あのさ…。

宛名シールの品名にハッキリ「バカ殿」って書くの、やめてよね。
配達の人に、「あ、この人、バカ殿買ったんだ!」ってハッキリわかるやん?
いや、バカ殿買ったんだからバカ殿だってことがバレたって別にいいんだけど、「フィギュア」でええやん?

「数あるフィギュアの中でバカ殿買ったんだ!?」って思われるやん?
次配達に来た時にも「ここの家にはバカ殿があるんだ」とか思われるやん?
配達員さん達の中で「今日、荷物ある?ああ、バカ殿んとこ?」とかアダ名共有されてまうやん?

やめてよね。

 

それにしても存在感が凄まじい。

「バカ殿」というのは一般的に「周りの家来がぜんぶやってくれる、愚鈍な二代目(以降)の大名」っていう感じの歴史上の言葉であり、そこから派生した、同族経営をすら揶揄するような意味なはずだけど、「バカ殿」は現在、会話や文章で使われる場合であっても、いったん「志村けんのバカ殿」のイメージを通過してしまうことを避けられない。

このインパクトは、何と言っても「白塗り」だろう。

白塗りといえば歌舞伎だ。
「志村けんのバカ殿様」は歌舞伎「一条大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)」のパロディであるという。

源義経の生母・常盤御前は源氏没落後、子らの助命と引き換えに我が身を敵の御大将・平清盛に預けることにした。
なんでも欲しいままにすることの出来る時代のトップ、平清盛なのに、なぜ敵将(源義朝)の妾などを自分のものにしたのか。

一説には常盤御前、そうとうの美人だったという。
だからこそ、というかその逆算で、「源義経も美男子」っていう伝説に繋がったんだろう。

そうとうの傾城傾国レベルでないと、帝を超える権力すら持った男が「欲しい」と思うわけがない。そんな傾城傾国レベルの美女のことなのだから、美男子でないわけがない…いやいや、父親側(河内源氏)のブサイク具合は無視か…!?

一女をもうけた後、常盤御前は平清盛の元を離れる。
一条長成(いちじょうながなり)という人の妻になる。もちろん自分の意思などではなく、平清盛の命令だろう。
一条長成は財政を司どる大蔵省の長官なので「大蔵卿」と呼ばれる。
平安京の一条大路に住んでいたので「一条殿」と呼ばれているわけで、氏は藤原である。
同じ「一条」という呼称だが、摂家である一条とは別系統のようだ。

彼には常盤御前との間に一女、そして一条能成(いちじょうよしなり)という息子がいる。
この息子はのちに源義経に加担し、源義経が源頼朝に追われ京都から逃げる時にも同行したという。
彼にとって義経は「異母兄」にあたるわけで、「兄者を頼みます」と母に願われたら断れないだろう。
立身出世をかなぐり捨てて、しかしやはり貴族の子息なので流罪や死罪にはならず、職を追われただけだった。

源頼朝が勢力を増した時だからそういうことになったがその前、平家全盛の時になら、この一条一家はどう振る舞っていたのか。

なにせ2人の天下の総大将の妾となった人物が家にいるのである。
政治的な発言権はないにしても、平家としても、扱いに困るのは目に見えている。

逆に言えば、それなりの財力を持った公家の邸宅に「源氏と気脈を通じる可能性のある婦人」がいるということは、平家の規模しい監視下に置かれていたということである。

なので一条長成は、「バカ殿」ならぬ「アホ公家」のフリをしていた…というのだ。

これを志村けんが見て「バカ殿」の着想を得た、のだ。

「アホ公家」として登場する一条長成(11:30ごろ)。
本当の、源氏再興の志を持つ武家としての本性を現す一条長成(57:50ごろ)。
また、「アホ公家」に戻る一条長成(1:22:00ごろ。音羽屋!!!!)。

この「アホ公家」というコンセプトが、わかりやすくスライドされて「バカ殿」になったと考えられる。
本来は藤原氏だが、『一条大蔵譚』では「実は源氏の血を引いている」ということになっているようだ。
影に日向に、常盤御前や息子・一条能成を通して源義経を支援していたとしか考えられない一条長成なので、後世の浄瑠璃作者はそういうキャラ設定を思いついたのだろう。

おそらくそれくらい、当時の(平安末期の)人たちにとって常盤御前というのは、もはやフィクションとしか思えないような数きな運命をたどった人だった。『一条大蔵譚』には源義経も源頼朝も平清盛も出てこないが、「源平合戦」イメージは娯楽として、江戸時代には創作意欲を無限に掻き立てる、エピソード満載の史実だったのだ。

「アホ公家」→「マジ武士」→「アホ公家」。

「アホ公家」→「マジ武士」→「アホ公家」に戻るというギミックを含むこの『一条大蔵譚』、これを知っていると、「志村けんのバカ殿」に初期、頻繁に出てきたこのくだりがとても興味深く感じる(知らなくてもなぜかゲラゲラ笑ってたけど)。

「急におっとり刀で真剣になる」というギミックは「アホ公家」→「マジ武士」→「アホ公家」の流れを含んでおり、バカ殿が出す低い声の面白さを引き立てる。

それにしてもこの、「志村けんのバカ殿」への由紀さおりさんの出演が初回からだとすると、『柳生一族の陰謀』で烏丸少将(からすましょうしょう)を演じた成田三樹夫の白塗りが話題となったのと同じく、1978年である。ということは1946年生まれの由紀さおりさんはその時31、2歳であり、「年齢いじり」があれほど盛り上がっていたのには「時代だねえ…」と言わざるを得ない。

 

変なすごいおじさん

 







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