鎌倉殿の13人

鎌倉幕府回 vol.0 【縮小編集版】全文書き起こし

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0:10
★「鎌倉幕府回」をなんでやるのか

…なんせもう800年くらい前のことなので
そんな慌てて説明することはないだろうっていうところもあるし
なんかやっぱり
ちょっとおもしろいところあるんじゃないのかなというふうに思いまして。

鎌倉幕府、
特に鎌倉幕府成立ですよね
なんで鎌倉幕府ができたんだと。
イイクニつくろう?
イイハコつくろう?か

んーそういうことしか
僕らは知らないというところで
んで2022年の大河ドラマの主人公に
なんと北条ヨシトキが選ばれているというような
三谷幸喜さん脚本のね
そういうことも話題になりながら

北条義時って誰っていうところから
普通ね
けっこうそういうところから始まるじゃないですか
ちょっとわかっていきたいなというか
うん
やっとります。

0:59
★800年の感覚

鎌倉幕府がなんで鎌倉幕府というふうに言われたか?
ということになりますが
んとー
それは「鎌倉にあるから」ですよね
ええ
後世そうとしか呼びようがないから
鎌倉幕府って呼んでるだけ
と言えば
だけなんでしょう
『鎌倉殿の13人』というね
大河ドラマのタイトルが表すように
「鎌倉殿」って呼ばれてたんですよね
将軍は。

これは有名ですよね
源頼朝
源頼朝が征夷大将軍になって
鎌倉幕府の初代将軍になって
2代目はその息子の頼家
3代目がその弟の実朝っていうことになっていくんですね

ここで源氏としての将軍はいったん途切れてしまうという
源氏将軍は三代で潰えるということになってしまったわけですけれども

僕らはね
もう800年あとにしゃべってますから
言ってみたらね
鎌倉幕府が滅亡した後に室町幕府があって
戦国時代をはさんで江戸時代があるっていうこと
僕らは知ってるわけですよ

その視点で見るので
こう
わかってることもたくさんある
でも鎌倉時代に生きてた人たちは
後に室町時代とよばれる時代が来ることなんか知らないわけですし
戦国時代みたいなことに日本がなっていくっていうのは
まったく想像もついてないはずですし

もちろんそれプラス
江戸時代260年のミラクルピースみたいな
鎖国するみたいなことになるなんてまぁ
もう宇宙のこと考える以上にわからないことなわけでね
その先なんてもちろん、てなもんですよね

それを考えると
今令和に生きている我々もこの先どうなっていくか、っていうのは
まるで鎌倉時代の人が室町・戦国・江戸・明治みたいなことが
想像つかなかったかのように想像つかないわけでしょ

現代の我々の先のことなんていうのは
まったくわからないわけで
今から800年先ってじゃあどうなってるの
日本だけじゃなくて
今は世界がつながったままどんどん進んでる状態ですけど
どうなっていくんだっていうのは想像つかない
その「想像つかない」っていうこの今の僕らの気持ちを
800年前に持っていって
鎌倉時代と呼ばれるところが始まる前は平安時代なわけですけど
もうじき平安時代も終わりだなとか思ってる人はいないわけで
その感覚ですよね

その感覚がなんかおもしろいなぁと思うところですし
鎌倉幕府ができた!
できましたおめでとうございます!
今から鎌倉時代でございます!
っていってはじまっていないので

わりとこう鎌倉幕府
最初の方ってめちゃくちゃの
もうぐちゃぐちゃの、
なんでしょうねもう…
殺し合いなわけですよね
ずっと殺し合いしてるみたいな
常にその機会をうかがっているというような
そんな事件がどんどん起こるわけですよ

4:00
★なぜ京都ではなく鎌倉に

鎌倉幕府っていうくらいの
鎌倉を都にしようとしたかと
首都にしようとしたかという感じですよね
ずっと平安時代まで平安京が都なわけで
京都ですよね
変わらないってみんな思ってたんでしょう
たぶん
ある意味では今でも変わってないわけで
京都を中心に政治が行われている
全国規模の政治は京都で行われている
当然そうですよね
帝がおられる
天皇がおられる
上皇がおられる
院がおられる
っていうのは京都なわけで
京都を抑えたものが日本を獲るんだ

平氏がやり遂げたわけですよね
平清盛が
もう
平氏にあらずんば人にあらずっていうくらい
京都を獲ってそこでどんどん出世をしていく
これ以上の権力はないっていう人になってしまうという
これがいわば平氏のやり方で貴族として成り上がっていく

これも僕らは鎌倉幕府・源氏の世の中を知っているので
「いやそうじゃなくて…」
ってその時点で思えますけど

その時はそれがスタンダードで
唯一正しくて唯一素晴らしいやり方だったんですよね
平氏はそれをやり遂げて平氏がどんどんどんどん出世をみんなしていくので
そのぶん源氏が抑えられてたわけですよね

ここでややこしいのは平氏以外は全員源氏か?っていう
んーと…

お前、平なの?じゃあ敵ね!
お前源なの?じゃあ敵ね
っていう分かれ方してないっていうのが
これややこしい
もちろん
「源平合戦」っていうくらいなので
壇ノ浦で「平氏が滅亡した」って聞いてるじゃないですか

小・中・高それで聞いてますからね
源氏によって平氏は滅亡させられたんだって聞いてるんで
それ以降平氏がいたらおかしいじゃないのってくらい思ってましたよ
でもどうやらそんなことはないっていうか
そもそもそんなわけはないっていう
結構
それまではもうなんていうか是々非々っていうかね

平氏か源氏かっていうことだけで
敵味方に分かれてるんじゃないっていう

源頼朝が挙兵したくらいの時には
後に出てくる畠山重忠という、武士

この人は頼朝と敵対するわけです
平氏側にいたわけですよ
というのはこの人平氏なんですね畠山氏っていうのは
武蔵の国の平氏なんです

だけどこれが後に頼朝側につくんですよ
鎌倉幕府の重鎮として活躍する
平氏なんです
鎌倉幕府を見渡すと周りほとんど平氏なんです
北条家も平氏ですし

清盛
平清盛の流れの平氏が滅亡したっていうふうに言えるんですよね
だから僕らが習ってた感じの「平氏滅亡」っていうのはたぶん言い過ぎなんですよ

なんか教え方ミスってるんですよね
それは言い方がどうかわからんけど
たぶん平氏滅亡は言い過ぎなんです

平治の乱で平氏が勝って
頼朝のお父さんの義朝がやられちゃった
殺されちゃった
その子供である頼朝
それから義経ですよね
殺されるはずなんですけど殺されなくて
頼朝は伊豆に流された
そこで北条と出会うということになるわけですけども

…殺すべきだったんですよやっぱり
だけど
こんなに勝ってる俺
こんなにイケてる
俺たち平氏がそんな子供を殺すなんてみたいなところもあったのかもしれないですよね
そういうことで頼朝・義経
それから二人の弟たちは助けてもらえるわけですよ
殺されなかった
言い方は悪いですけどやっぱり殺さないとダメだったんです

仕返しにくるんですもん
で来ちゃったわけですよほんとにね

源氏の御曹司として
嫡流として
本家として

いわゆる平氏は西国をおさめている
で…これも今の感覚とはぜんぜん違いますよね
関東のほったらかし感というか

思えば平将門とかね
200年くらい前にも
関東にいた平氏・源氏

姓を賜った元・皇族の血筋の人たちですね
平氏として
源氏として
その領地を治めてたわけですよね
好き勝手してるところもあれば都とのつながりで出世するみたいな
こう
つながりを持ちながらその土地を支配してたわけですよね
そこからほんとに武士の力が強くなってくる
それはやっぱり離れてたからですよね
都から離れてたからこそ好き勝手できて力を蓄えることができた
年貢は京都に送ってたんでしょうけど
それ以外の
いわば嘘ついて
余剰をため込んで
力を蓄える
武器を買う
馬を育てる
みたいなことができたんでしょうね

鎌倉に屋敷があったそうなんですよね
もう昔からね
馴染みの場所だったっていうことなんでしょうし
源頼朝は流されてた流人時代
伊豆半島の蛭ヶ小島でしたっけね
そういうところに流されたんですけど
わりとこう自由に行き来してたと

んと
伊豆半島の東側を渡るあれはなんですか
駿河湾…相模湾か
相模湾を渡って三浦半島
それからその向こうの房総半島
安房ですね
安房の国までもわりと自由に行き来してたと

んで
伊豆を西の端として
房総半島を東の端と考えて
今でいう神奈川・東京ですよね
武蔵・相模
鎌倉は真ん中にあるんですよね

しかも鎌倉の都市を見ると
前が海
後ろが山という要害の地である
守りやすい
狭いながらも守りやすい
源氏ゆかりの場所でもあるということで鎌倉に定めたんじゃないかと言われている

10:08
★鎌倉の素晴らしさ

鎌倉という場所は
あのー
鎌倉時代が終わっても割と武士たちにとっては重要なところで
鎌倉公方という役職が置かれたり
足利尊氏も室町幕府を作る前に鎌倉に
だから選ばなかったんですよね
なんかあったんでしょうね
なんかあったっていうか
けっきょく室町幕府っていうくらいで京都に幕府を置くことになるわけですよね
それはそのほうがやりやすいっていうのがやっぱりあったんでしょうし

だいたいその都が移るっていうのは
そこにあるもともと都に何かあるところを
そこに置いていきたいっていう気持ちが大きい

例えば平城京から平安京に移る時には
やっぱり南都北嶺の南都ですよね
東大寺・興福寺の力が大きすぎたので
お寺…お前らは連れて行かないっていうことで
平安京へ
京都へ移ったっていう
そういう経緯があったとして
お寺の力(旧勢力)っていうことですよね

だけど武士にとっては鎌倉はわりとやっぱり伝説の場所というか
大事なところですし
関東管領という役職があって
あの上杉謙信も長尾景虎だったのにあそこで
上杉家の関東管領の職を継ぐわけです
で上杉になるわけでしょ

江戸時代になるとさすがに古都あつかいになって
けっこうほんとに漁村みたいになってたそうですね
政治の中心ではもちろんないわけで
江戸になってる
そののち明治になってリゾート地になっていく
別荘があったりとか文豪とか
海外の外交官のお屋敷があるとか
その名残が今の鎌倉の街
観光する上でなんか鎌倉っていいよねって
いいイメージあるでしょ
鎌倉の街ってね
そのイメージはそのリゾート地になった後
電車が繋がった後の
住んだ人たち
街の人たちが作っていったイメージなんですよね
多くの人が思ってる鎌倉っていい感じよね
外国から観光客がいっぱい来てっていう
この感じは鎌倉時代のものではやっぱりないですよね
ってそりゃ当たり前ですけれど

名刹も多い古刹も多い
という鎌倉ですけれども

12:25
★けっきょく攻略される鎌倉

前が海なわけです
由比ヶ浜
太平洋とつながっている
そこからまっすぐに道が大きな道が伸びていて
ドン突きが鶴岡八幡宮
若宮大路まっすぐな道ね
そこに段葛という今は桜が植わってますけど
春には桜がばっと咲くところがあるわけですけれども
あの地形ね

不思議な地形というか変わったところですよね
あれほとんどほぼ変わってないそうでね地形としては
攻めにくいところだったわけですよね
だけど鎌倉幕府滅亡の際にはけっきょく攻められて
滅ぼされてしまうという
後ろが山で「切通し」という
こう馬一頭二頭は入れないぐらいの狭さだったんですって昔はね
山を切通し
こうね
有名な何個もあるわけですよ
山があるから攻めにくいと
それ以外は山の中を入ってくるとかもできないくらいの
こう
鬱蒼とした密集した山の森だったんですってね
だからもうほんとに木があって
ほんとにそれこそ物理的に通れないっていう
馬では
だから大軍は通れないっていう状態だったそうですよ

で切り通し
だからここだけ守れば大丈夫っていう守りの固さっていうのがあって
で向こうが海だから無理でしょってことで攻めれなかったんですけど

新田義貞
こう
切通しから行った時にこれは止められた
無理だった
で稲村ヶ崎っていう西側の岬の方から砂浜づたいに潮が引いた時に攻めて行った。
で入って行ったんですって

でこれをやった時に新田義貞が
たしか金の刀を海に投げて祈りを捧げたら潮が引いて
通れたっていう伝説があるんですって

でも新田義貞っていうのは
そもそも鎌倉にいたこともあるそうなので
そんなもん
潮引くかどうかくらいわかるじゃないですか
気づかないわけないじゃないですか
知らないわけないと思うんですよね
みんな知ってるわけでしょ?
前が海で後ろが山で切通し攻めにくいとは言ってもですよ?
新田義貞がやったようなことっていうのは
何百年も前からできるはずじゃないですか

なんでこう…鎌倉はそう言われてるんでしょうね
そこはけっこう不思議だなと思うんですよ
結果的に鎌倉時代にそうやって鎌倉に、大軍で攻めてくるっていうようなことはなかったんでしょうね
でその前はそんな鎌倉を大軍で攻めるような戦とかそういうのもなかった、と
だからここは要害の地である
守りやすいんだ後ろは山で前は海って言えてしまってたんだけど
いやいや砂浜づたいで稲村ヶ崎ぐるっと回ればぜんぜん街ん中攻めていけますよ
っていうことは秘密にはできないもんね
内緒ではないでしょ?
そこちょっとわかんないですよね
なんなんですかね

15:15
★不思議なパワーバランス

確かにその源氏しか鎌倉幕府で将軍になれなかったということがわかっているというか
決まっているというかそういう不文律的なことがあるので
周りの人たちは
自分のこう…権力を活かすには誰か源氏を立てないとだめなわけですよね

例えば頼朝の遺児であるとか
子供だった人
どこかで坊さんになっている人とか
あるいは頼家の子供
2代目の子どもとか
誰かどっか
でこう源氏の血が繋がっている人
京都にいる人であるとか
ああいう人を連れてきて将軍に立てて
でそれの後見に自分がなって
権力を欲しいままにっていうパターンしか
無理なわけですよね

不思議ですね自分がその…
倒して権力を取るっていうことにはならないんですね
それはいわゆる摂関政治とか藤原氏が天皇家とやってることと似てるじゃないですか

天皇家を倒すとか皇室を潰して自分が帝王に…
っていう風にはならないんですね
これなんでならないんでしょうね
これは日本のその…不思議な統治機構ですよね
世界にはあんまりないんでしょうし
中国は易姓革命ですぐ殺して全員殺して自分が新しく王朝を建てるわけでしょ

日本の場合王朝は守ってその王朝の権威を使って権力を欲しいままにっていうパターンなんですよね

ミニチュア版ではないけど
鎌倉幕府でも同じことが起こるわけですよ
将軍は源氏で誰かを建てる
のちには親王将軍であるとか皇室から誰か引っ張ってくるみたいなことで立ててですね
自分はナンバー2となって
鎌倉幕府の場合は「執権」ですよね
執権政治
北条家が受け継いでいく
ナンバー2となって実権を握るっていうこのパターン

社長とか会長はもう絶対にいてもらわないといけないっていう状態で
この家の人がずっとやってくださいと
実際は専務の私が全部やってます
どんな意見もわたくし専務を通さないと会長には渡さないのでよろしく!みたいなことになるんですね
そういう権力構造をとるんですね
それがうまく回るということがなんかこう常識になってたんでしょうね

それはひょっとしたら今でもそうかもしれない
日本人のそういう
こう伝統的な気持ち的には
独裁的なトップを嫌うっていうそういうのがあるのかもしれないですね

17:39
★13人の合議制!?

大河ドラマのタイトルが『鎌倉殿の13人』というタイトルですから
これは鎌倉殿=将軍ですね
将軍のために
政治をおこなうために
鎌倉幕府をしっかりと盛り立てていくために13人の合議制を作ったという歴史的史実がある
というところをタイトルとしてスポットを当ててるんだと思うんですけど
実際には何か起こった時に13人が集まって会議をしてよしこういう風にいきましょう賛成の人!あ、6人こっち7人!みたいなことをやってたわけではないっぽいんですよね
ないそうなんですよ
そういうことではない

これは初代将軍の源頼朝が急に死んじゃうわけです
なぜかわかんないけど馬から落ちて
それが原因でしばらく寝込んで死んじゃうんですね
今さら馬から落ちるかねっていう感じはしますけど
まぁとにかくそう書いてあるんですよ
そこには何か含みがあるような気がするんですよね
んーだって…

征夷大将軍ですよ
源氏の棟梁ですよ
武士のトップですよ
落馬、しますかね…??
それは馬から落ちて具合が悪くなったんじゃなくて具合が悪いから馬から落ちたんでしょ
馬から落ちるぐらい具合が悪くなってたわけでしょ
もちろんなんかこう糖尿病であるとか脚気であるとかね
昔ながらのそういう病気があったりする
既往症を持ってる人も
めちゃくちゃ多かったでしょうけども
特に殿様ですからね、いわば
だけどなんかそこにわざわざ「落馬」って書いてあるっていうのにはなんかこう含みがあるような気がするんですよね
言えないことがあるんじゃないかなっていう感じが伝わってくるんですけど

とにかく頼朝はほぼ急に死んじゃった
年末に落馬して年明けに死んじゃうみたいな感じでわりと急に死んでしまう
んで2代目
頼家がなるわけですよね
なんでしょうね
今までのドラマとか物語ではけっこうバカ殿っぽい扱いをされるわけですよ
ボンボンというか

有名なのはね
武士政権になるっていうことは
全国の武士
西の方も
もともと平氏だったところも源氏が勝って源氏が行って、
そこ源氏の土地になってますからもともとそこに豪族もいますから
その人たちと新しく行った源氏の御家人とかとの言い争い
土地の争いがやっぱりどんどんくるわけですよ
訴訟として

これを頼家のね
エピソードとして有名なのは
なんかこう
ここ、領土をどうしたらいいでしょうか
と頼家ね
若き将軍に言ったらですね
んなもんこれでいいがなと真ん中にびゅっと真っ直ぐ線引いて
これであとはもう運が悪かったと思えみたいな感じで突き返した、と

でこれがダメだ
こんなことではダメだ
ということで合議制ができたっていうような流れというかね
そうやって鎌倉幕府のいわば危機を救ったという家臣たちの話になるわけですけど
実際はそんな、こうね
単純なものではないんだと思うんですよ

というのも年齢もバラバラで
それぞれその13人に選ばれるような人たちっていうのはもう実力者ばっかりなわけですよね
この鎌倉幕府の最初の方における実力者っていうのは
それぞれの土地に
勢力
武力
兵隊
を持っている親方たちなわけですよ
言ってみたらね

鎌倉幕府そのものが持っている「鎌倉幕府軍」ていうのはいないわけですよ
それは国連と一緒ですよね
国連軍っていうのはどっかの国々の軍隊が集まってきて
国連軍ていうことに
ヘルメットとかを着替えてなるわけでしょ
常に国連のところに兵隊がこうずっといるっていうことではないわけで
それと同じで何かあったら鎌倉幕府は
源氏の棟梁
武士の棟梁としての命令で
それぞれの武士たち
いわば子会社みたいなところに命令を出して来てもらう
そういう方式を採り続けてるわけで
微妙な勢力争いというか
どっちが偉いんだみたいなこうね
実力で取り合っている関係でもあるわけで

それは結局さっき出てきた
畠山重忠「の乱」ということで
謀反を起こしただろっていう
もうほぼこれ言いがかりで嘘つかれて
で他の御家人たちが味方についてやられちゃうんです
畠山重忠殺されちゃう
息子の重保と一緒に
ほぼ騙し討ちみたいな感じでやられてしまう

あるいはその13人の一人に含まれてた
和田義盛
三浦一族の
これももうめちゃくちゃ言いがかりですよね
言いがかりで「和田合戦」っていう
あの鎌倉の市街を使った大戦争になるくらい、大・殺し合いになるぐらいの

…そんなモメんの?って思うんですよね
いや合議制とかやってたやん!って

そのね
こうライバル争い
バチバチの勢力争いみたいなのがあるのは分かりますよ
もちろんね
で将軍に誰が気に入られるかとか
それは摂関政治と一緒ですよね
次の摂政とか関白は誰になるんだっていう
熾烈な権力争いがあるっていう
それは分かります
それはワイロもあるでしょうし色々あるんでしょう
それはわかるんですけど

だって…
その

源頼朝が平氏にやられて
流されてきて
伊豆にいて
20年くらいそこでこう
鬱屈した生活をしていて
自由だとは言え

そっから御曹司
源氏の世に
源氏の御代に翻さんと心を砕く折からですよ
やっと挙兵してもうすごい少ない人数から一回負けて
もう命からがら逃げたようなところから
もう一回兵を集めて
富士川の合戦
バタバタバタ水鳥
みたいなのがあって
ぐわっと行くぞ
んで義経があって
一ノ谷・八島の戦い・壇ノ浦の戦い
みたいな感じで
平氏滅亡
みたいな感じに
なったわけじゃないですか
ずっと一緒に戦ってきてるわけじゃないですか

「あの」ですよ
「あの平氏」を倒したんですよ
で一番偉いっていう風にみんなで担いだ源氏の大将を
一番偉いっていう人になって
世の中変えた!みたいな感じになったんですよ
もちろん自分も出世した
所領も増えた

まだそこで権力の争い
これは分かりますけど
そんなね…
まだ一族同士
もうフルパワーでぶつかって殺し合うみたいなことが起こるかね!?って

野蛮すぎない!??
って思うんですよね

いやそりゃねえ
その
中世というかそういう時代のことですから
最後は弓矢でこう争うものだ
それが東夷である関東武士団であるっていうのはわかるんですよ
わかるけど
いや
やりすぎでしょ

ねえ
もう
なんか…

まだまだ続くんですよ
まだまだ殺し合うんですもん

で「和田合戦」なんかでいうと
和田さんていうのは三浦さんなんで
三浦さんの中で和田地方を所領にしてたから俺はもう和田のおじさんだっていう
三浦だけども「和田のおっちゃんやで」みたいな感じで
和田のおじさんで和田義盛なんですよね
和田一族

和田合戦で合戦になって和田一族全員殺されちゃう
だけど本家である三浦氏はなんで和田に味方しないんだって
これいわば将軍側・北条側に味方して
同族であるはずの和田をぶち殺しちゃうわけですよ
これは「幕府を守るため」っていう三浦側の言い分はもちろん分かりますよ
だけどこの和田側も別に幕府を転覆させて将軍を殺して和田将軍にって思ってるわけではまったくないわけですよ
なんとかならないのかねえそこ…って

だって今のね
鎌倉の街に残っている鶴岡八幡宮
その東側に御所があったそうなんですけど
すぐ横にね
で和田もそうです
畠山もそうです
北条もそう
三浦もそう
そこらへんに屋敷がみんないるんですよ
家があるんですよ
本拠地はもちろん地方にあるわけですけど

みんなもう
なんか官僚というかね
側近みたいな人たちなんで
しかも
親の代から
前代
先代からの旧臣
幕府を作ってきた忠臣なわけでしょ
なんでそんな殺し合いになるわけ!?っていう
すごくね…そこはなんか理解できないですよね

血生ぐさいと言ってしまうのは今の価値観でしょうけど
そうならない争いもいっぱいあるはずじゃないですか
だって土地の争いでね裁判だって持ってきて
一応こうなんか評定というか
あるわけですから
そういうことも可能なわけじゃないですか

なんか不思議だなあと思うんですよね
急になんか
なんかね
急にすごいあっさり殺されるみたいな
なんかね
そこは鎌倉時代の初期に関してはちょっと釈然としないところではあるんですよ
なんでそんな殺し合うわけ?

27:03
★承久の乱がうますぎる

ほんで後にその二代目の将軍の頼家がいなくなって
三代目の実朝になるわけですね
源実朝
この源実朝も殺されてしまうわけですけど
殺された後にあの「承久の乱」と言われる一大騒動が起こるわけですよ

今京都でね「よみがえる 承久の乱展」をやってるんですよね
これちょっと緊急事態宣言で中断してるんですけども
承久の乱は後鳥羽上皇が鎌倉幕府と
っていう風に
おそらく僕ら子供の頃とかもう覚えてないですけど社会の授業ではそう習ったはずなんですよね
「後鳥羽上皇による倒幕運動だった」と。
鎌倉幕府を倒すために京都を中心とした西国の武士の武力を集めて鎌倉幕府を倒そうとした
でもけっきょく後鳥羽上皇は負けて流された
いう風に習ったはずなんですけど
今は研究が進んでですね
鎌倉幕府を倒すつもりではなかったんだということがわかったと

2022年の大河ドラマの主人公・北条ヨシトキ
執権・北条ヨシトキを倒すのであるという目的だったと
倒幕までは考えていない
つまり幕府があることは認めていて
将軍・実朝との関係も良かったと
後鳥羽上皇は
だから幕府全部を潰すんじゃなくてその中で専横を極めてちょっと評判が悪いとされていた北条ヨシトキだけを倒して良い幕府にしてやろう
コントロールできる幕府にしようっていう風に後鳥羽上皇は思ってただけなんだと
だから他の武士たちに送った命令も北条ヨシトキ倒すべしという命令を出しただけなんだと
幕府を倒せとは言ってないということがわかってきた

んで今京都で行われている今言いました「よみがえる 承久の乱展」も
後鳥羽上皇 vs 鎌倉北条氏
って書いてあるんです
これだから30年とかもっと前ならば、後鳥羽上皇 vs 鎌倉幕府って書いてあったはずなんですよね
でもそれは違うんだと
ここは同じように見えるけれどもぜんぜん違うところですよね

源実朝(三代目将軍)が暗殺されてしまうわけですよ
それも鶴岡八幡宮の境内で儀式の最中に殺されるっていうことになってしまうんですね

いわば可愛がっていた実朝
実朝という名前も後鳥羽上皇が決めてあげたという話ですから
関係性はね
たぶん会ったことはないんですけど関係は良かったはずなんです
だけどその関係が良かった将軍を殺されてしまうなんて
これお前ら幕府は何をやってるんだっていうことになったんでしょうねおそらく
不信感つのったんですよね

で実朝ともども進めていた親王による将軍になってもらうという計画
これは頓挫しちゃうわけですよ
だってそこで
だって将軍が殺されちゃうようなところに息子はやれんってやっぱりなって
わりとこう極秘裏にうまく進んでいたはずの計画がもうストップしちゃうんです
これは後鳥羽上皇が幕府に不信感を持ったんでしょうし
なんで実朝が…殺される!?
将軍ですよ!?
みたいなことになるという
あの合戦があった街でもしっかり守っていたはずなのに
これ誰が悪いの?ってなったらやっぱり北条ヨシトキなんじゃないのってなったんでしょうね

実朝が死んだことが承久の乱の遠因
原因の一つになるわけで
後鳥羽上皇は北条ヨシトキさえ殺せばみたいな感じで来てるわけですよ
だけど北条ヨシトキ
そしてお姉さんの政子
北条政子は北条ヨシトキって言ってるのは知ってるんですよ
北条ヨシトキピンポイント狙いだっていうのは知ってるんで
ここで例えば北条ヨシトキが
分かりましたありがとうございました
って切腹とか自殺したらそれで終わりなんですよ
それで解決
承久の乱は起こってないんですね

「鎌倉幕府として受けて立ちましょう」っていう姿勢をとったわけですよ
これがけっきょく上手かったんだなっていう風に言われてるんですね

どういうことかというと
鎌倉幕府として受けないと北条ヨシトキだけが悪いんですってなったら周りは子会社の御家人たちですから
いわばね
武力を持っている
みんなで北条ヨシトキだけガンって殺されたらもう余裕で殺されちゃうわけですよ
だけど違うんだと
「受けて立ちました!幕府として!」っていう風に受けて立ったんです
だから「承久の乱」が成立したんですね
戦争できたんです
みんなでいくぞ
うわーこのままで行くと
鎌倉がダメになってしまうんだ
武士団
関東が取られてしまうんだみたいな危機感を煽ったわけですよね
本当は北条ヨシトキだけなのに

鎌倉が勝つわけです
鎌倉幕府軍としてもう圧勝するんです
後鳥羽上皇を含める3人の上皇が島流しになる

31:47
★根拠がわからない島流し

だからこれもね…僕はわりとまだね
詳しくわかってないんですけど
簡単に書いてあるわけですよ
3人の上皇島流し
「三上皇島流し」

これっていわば権力どころか
神様みたいな扱いをされている帝ですから
それを実際の政治をやってる中ではやりとりがあって
人間としてやりとりがあるんでしょうけど
これなんの根拠で
どういう根拠に基づいて
島流しですって決まるんですかね
そこけっこう不思議だなぁって思うんですよね

いやもちろんね
刀を突きつけてみたいなことなわけでしょ
たぶんね

「鎌倉の、ウチのものが言っておりますこちらへどうぞ」
って言ってひったてるわけでしょ
これは物理的なことじゃないですか
だけどこう刀を突きつけてる本人もね
これいいのかなぁ…って思いながらやってるような気がするんですよ
言われたとはいえ
うーん…みたいな

なんかそこの根拠というか
法律があるわけでもないわけで
いわば法律より上の人たちなわけですから
そこへ踏み込む

「島流に処す」ってそりゃ書くんでしょう
ぼん!てハンコを押すんでしょうけど
これの根拠なんかないわけじゃないですか
なんかそこは
なんかね
まだしっくり来てないというか
そんなことできるんだ…っていうところを
どうやって乗り越えたのかなっていう

その法律より上の存在である「治天の君」である上皇を島流しにするなんていうことをやった
それでなくても上皇様に武力で逆らったっていうことがもう北条ヨシトキの評判をのちのち恐ろしく下げることになるわけですね

それは明治以降ですよね
明治時代になって江戸時代が武士の時代が終わりましたと

でここからは天皇親政
天皇の時代ですということになりますと
これもう時代をさかのぼって検証(顕彰)されて行くわけです
天皇の味方をした武士
これはもうもう一回骨まで掘り起こして神社を建てましょうくらいのやり直しが起こるわけですよね
二階級特進どころじゃない感じ

でそれをやって行く上であれ皇室に逆らってる奴おるな…
こいつ北条?ヨシトキ?
悪い奴だな!っていう評価になっていく

その承久の乱があって上皇が流されたということはやっぱり事実なので
これはもう決定的な北条ヨシトキに対する評価になってたんですよね
だからずっと悪い奴っていう扱いなんですって

あの
頼朝が流されてきた時には
北条家ってめっちゃちっぽけな家なわけですよ
そりゃもうちょっと東側にある三浦一族なんかめっちゃでかいところですし
さっき出てきたその武蔵の国ね秩父の方の畠山氏って言ったら
もうほんと武蔵七党の一つ桓武平氏の流れですから大きい流れですからね
立派な人たちがいっぱいいるわけですよ

もう北条氏なんかもうそこらのおっちゃんと息子しかおらんがなみたいなくらいのちっちゃいところの人たちがそうなってしまうんですからね

鎌倉幕府を仕切り続ける人たち家柄になっていくっていう

35:08
★政子さんがすごい

頼朝の信頼もそうですし
やっぱり北条政子の存在は大きいですよね
政子さんが長生きしたからなんとかなった部分がすごくあるんですよね

承久の乱が終わったらパタパタって死ぬんですよ
もう役割を終えたかのように死んでしまうんですね

頼朝の奥さんになった
初代将軍の奥さんになった政子さん


頼朝死ぬでしょ
なんか急に死んじゃうんですよ
姐さんになるわけですよね

その息子が
二代目になる
頼家
お母さんですから後見ですよね
後ろから支える
でこれ
頼家もまあいなくなっちゃうわけですよ

三代目・実朝
実朝からしてもお母さん

実はこの二代目にいた頼家の息子

もう将軍は三代目で実朝がなってるので
二代目の息子たちは
どっか
お坊さんになってるんですよね
政子さんはその二代目の息子であった
まあまあ
京都で修行はしてるけども
これ鎌倉へ戻してあげようって
鎌倉へ戻してあげるんです
息子を

でここで
鶴岡八幡宮でずっといるわけです

でこいつですよ
この京都からきた二代目の息子
三代目はいるんですよ実朝
この二代目の息子がこの三代目を殺すんです
暗殺するんですよ

二代目の息子からすると「いや三代目の将軍はオレやん」てずっと思ってたんでしょうね

だからこれ
鎌倉へ
この
こいつを戻したのは政子さんなんですよ
こいつは孫なわけですよ政子さんからしたら

三代目
殺された実朝は息子なわけですよ

甥がおじさんを殺してるんですよ
孫が息子を殺してるんですよ
政子さんからしたら

これにもメゲずにですよ
こんな
もうだって身内みんな死んでるんですもん
この状況に負けずに
承久の乱が起こったときにですよ
この鎌倉を守るには初代の恩は海よりも深く山よりも高いでしょうって
御家人たちに説得したっていうんですよね
だから尼将軍て言われる

39:09
★大河ドラマの予想

でなんとなくその
姉ちゃん怖かったみたいな
そういうキャラなんですよね北条ヨシトキは
なので2022年の大河ドラマではどうなるのかなと思いますね
そのキャラ設定
微妙なキャラ設定
はっきり言ってあんまりその詳しくどこにも書いてないんですよね
『吾妻鏡』もそうですし

いわば当然ですけど
伝聞と
想像と
推測みたいなことでしか書いてないんで

どういうキャラクターなのか
まぁ微妙な人なんですよたぶん
北条ヨシトキはね

こう
二面性があるというか
大人しいところもあれば
優しいところもあれば
苛烈なというか
きつい
強いところもあったり
気弱なところもあったり

あそうそうこのね
この本なんかはこれを推してるんですよね

これ運命の縮まる端か

これを北条ヨシトキが言ったっていうんですね

これは確か承久の乱が始まった時に
雷が落ちたんですってお屋敷に
でなんか一人死んだのかな

それが自分の屋敷に雷が落ちたのでこれ自分の運命が
もうダメになっていく証なんじゃないの…
って弱気なこと言ったっていうんですよ

後鳥羽上皇に「あいつが今のこの日本が悪くなっている張本人だ!」って言われるような存在のデカさの人が雷落ちたくらいでそんなこと言うかっていう

そのなんか
なんか繊細さがそこにはやっぱりあるんじゃないかみたいなとらえ方ということですよね
そんなもん構うか!って思わない
そんな豪傑ではなかったんだっていう

39:09
★大河ドラマの予想

河ドラマなんかは全部で50話ある
一年かけてやるわけでしょ
んなら
承久の乱はけっこう最後の方なんですよね

半分くらいはたぶん頼朝挙兵から鎌倉幕府
征夷大将軍ぐらいに取るはずなんです
おそらくそっから
頼家時代
実朝時代
承久の乱
で終わるっていう
たぶんそういうバランスでやるんじゃないかなって思うんですよね

活躍というかね
目立つところをけっこう前半にとってあるはずなんで
これで引っ張るわけですよ
引っ張るというか興味をこうねグッと

急に畠山重忠とか出てきても誰でしたっけ?ってなるじゃないですか
まず義経が出てこないとやっぱりね
頼朝が出てこないとっていうことがあるから
そういう引っ張りはあると思うんですけど

39:53
★最後に(意義と目的)

鎌倉(幕府)回は何回も同じことを繰り返し言いながら知識を固着させていこうという
そういう意味もあり

えー僕もこう同じことを何回も何回も鎌倉回を重ねてやり続けながら知識を自分のものにしていきたいし
その
しゃべりながら新しい自分の中でできていくイメージというか映像を楽しめるようにしていきたいと思いますし

vol.0の鎌倉幕府回は以上でございます

ご清聴ありがとうございました

 

 







-鎌倉殿の13人
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