黄色い森の中で道がふたつに分かれていた。
残念だが両方の道を進むことはできない。
ひとりで旅する私はしばらく立ち止まり、
一方の道をできるだけ奥まで見ると、
道は先で折れて草むらの中に消えていた。次に、もう一方を見た。
こちらも劣らず美しいし、
むしろよさそうに思えたのは、
草が生い茂っていて踏み荒らされていなかったからだ。
もっとも、それを言うなら、ここを通った人々によって
実際にはどちらもほとんど同じように踏み荒らされていたのだが。あの朝、どちらの道も同じように、
まだ踏まれずに黒ずんでいない落ち葉に埋もれていた。
ああ、私は最初の道を、別の日のために取っておくことにした!
しかし、道が先へ先へと続いていることはわかっていたから、
ここに戻ってくることは二度とないだろうと思っていた。この先、私はため息まじりに語り続けるつもりだ。
今から何年、何十年先になっても言い続けるつもりだ。
森の中で道がふたつに分かれており、私はーーーー
私は踏みならされていない方の道を選んだ。
そしてそれが、決定的な違いを生んだ。
この詩の作者ロバート・フロストは、見抜いていた。
現実の我々は、どちらが良い道などを考え、効率的に選ぶようなことはできず、単に当てずっぽうで道を選ぶことの方が多いということを。
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1日1個、一年続けたら自動的に少しだけ賢くなるんじゃないか実験。デイヴィッド・S・キダーとノア・D・オッペンハイムのベストセラー。小林朋則氏訳。歴史・文学・芸術・科学・音楽・哲学・宗教の7分野から、365日分の知識。この本を読みつつ、知ってるようで知らなかったこともちゃんと知りつつ、ああそうなんだね~なんて思いながら、少しだけ書くことを続けます。最低限、「360ページ以上ある本を読んだ」の事実が残れば、それでいい。「教養が身につくかどうか」なんて、知ったことか、と。
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365