最大級に面倒だな、と思うことの一つに、「運転免許の更新」があります。
そう感じてらっしゃる人は多いでしょう。
でもまぁ、運転免許証のことだから、仕方がない。
半休を取って、または混むのはわかってるが土日に…なんて人も多い。
どこだったっけ、どうやって行くんだったっけ…。
更新の日が近づくたびに、毎回、改めて1から考える感じ。
あ、俺って違反してたんだ…。
そういえば…ああ、また2時間の講習を受けないといけないのか…などと、暗鬱な気持ちになります。
↑このハガキが、届くのです。
そうか、あそこで…信号無視しちゃってたか…あれ以来あの交差点は通らないようにすらしているので(荻窪でした)、次の3年間、いや5年間は違反しないようにしよう!と誓いながら、免許の更新に行くことにします。
鮫洲。
正確には「警視庁鮫洲運転免許試験場」。
サメズ、っていう地名はなんでサメズって言うんでしょう。
よほど、鮫がいたんでしょうか。
「鶴見はいつでも鶴が見れた」みたいなところからつけたんだろうから、あっサメだ!っていう土地柄だったんでしょうかね。
鮫洲商店街のサイトによると…
鎌倉時代、品川沖で大鮫が死んで浮いているのを漁夫が見つけ、この鮫の腹を割いてみると、聖観音の木像が出現。この聖観音は鮫洲観音と呼ばれ「鮫洲」の地名になったといわれています。この観音像は海晏寺の本尊として奉られています。
なのだそうです。
それなら地名は「観音」なんじゃないのか、鮫観音とか…と思ったりもしますが、観音さん出て来て祀って…という由来って、全国にありそうですよね。
確か浅草寺も、そんな由来じゃなかったっけか。
あちらは川で、漁師の網に聖観音がかかった。こちらも聖観音。
聖観音、水に落ちすぎじゃない??というか聖観音というのは、固定の「絶対にそう呼ぶ」みたいに決まってる感じではないようで、1面2臂(顔一つに腕二本、の人間と同じ姿)のものは特定の特徴がない限りそう呼ぶんだ、的なゆるい規定があるっぽいです。
聖観音はよく、蓮華と水瓶を持った姿で作られているのだそうで、その「水」のイメージが、水辺(川とか海とか)の連想から、漁の安全や大漁を祈願するのにうまくマッチしたのかもしれませんね。
しかし「サメの腹を割いたら出て来た」ってすごい由来だ。
これがマグロだったら「鮪洲」になってたんでしょう。
シャチなら「鯱洲」。
カレイなら…鰈が観音さんを飲んでいる、ってことはないか。
ご存知の通り、東京湾は明治以前からも埋め立てが進んでいて、お台場とかはもちろんですけど、天王洲アイルとか羽田空港とかあの辺も、全部埋め立てです。
江戸時代には品川駅のすぐそばくらいからもう海だったそうで、品川には「御殿山下台場砲台跡」があります。
ここが黒船に対する大砲の台場になったということは、ここが見晴らしの良い、海際だったことを表しますよね。
マンションとかが多くある鮫洲。
たま(3年ごとくらい)にしか訪れないヨソモノとしては、毎回「何もないなここ…」という感想を持ってしまいます。
もうちょっと何かあってもいいんじゃないの…とは思いますが、車なら羽田までも品川までも道路1本、電車でも京急でどちらもすぐ…と考えると、暮らすにはとても良いのかもしれませんね。
免許の更新は8:30から受付が始まります。
だけど8時に開場する試験場施設。
意外と、8時ぴったりに行くともう受け付けの前段階まで進むことができます。
住所の変更はないか、などを正面玄関入って左の奥のカウンターで聞かれ、「あそこへ行け」と言われます。
その右の奥に、更新料金の支払いをするカウンターがありますが、ここは、8:30からしか開きません。
「質問票」に記入をして、20分近くここで並びました。
支払いが終わると、目の検査。
ここでは視力検査。
「ランドルト環」というやつですね。
たいていは合格する感じだと思うんですが、大型車の免許更新の人は、もう一個「深視力検査」というのをやるみたいですね。
3本の棒が動いて、並んだ瞬間にボタンを押せ、っていうやつ。
私の前の運転手調のおじさんは、「全くダメですね」って言われて「うそん!?」って言ってました。
視力検査は1日に2回までしか受けられず、2回ともダメだったらさっき払った更新料とかは返って来ずに後日…となるそうです。うそん。
これが終わると、前の免許を提出します。穴が開けられ返却。
そして写真撮影へ。
もう、ちゃんとした鏡とかないの?
朝早く、寝起きで来てるから自分の顔とか髪の毛とかぜんぜん最終確認ができないまま撮影コーナーへ。自撮りの得意なギャルとかなら泣くよ!?
係のおじさんらは毎日何千人もやってるから流れ作業でしょうけど、これで3年いくのよ??いくのよ!?と不安になりながら撮られました。
その不安はそこそこ的中するわけですけど、まぁだからと言って、どうしようもない。
それが終わって8:40分くらい。
2階へ昇ります。
受付があり、そこで「講習の案内」がありました。
いや、でも、だからといって8:50くらいに試験場へ来て受付して視力検査して…ってやってたら、9:00の講習には間に合わないかもしれない。
その日の混雑具合によるでしょうけれど、早めに講習室に入って待ってた感じからすると、平日ならまぁ、ゆっくり来てても間に合った、んじゃないかなぁ…??
いやいや、これは「違反者講習」なのですから、気を引き締めて待たせていただくという気持ちになれんか!?お客様じゃねえんだぞ!?
この「講習指定書」に書いてある「25」というのは、部屋番号です。
ここで、2時間の講習。
講習を担当されている人って、毎日大変だなぁと思います。
ルールに則ってやっていくしかないとは言え、大して面白い内容でもなく、かといって最新の道交法の情報もあるから勉強も日々必要でしょうし、そのうえご自分も、もちろん運転上の模範となるよう毎日、気も張ってなきゃならないし。
なかなか、慣れたりとはいえ2時間近く一人で何十人を前にしゃべるって、大変ですよ。
そして、来ている連中はしょせん「違反者」ですから、中には態度の悪いバカも混じってるわけですよ。
最後列に座って眺めていると、もう「居眠り」の範疇を超えて寝ているヤツがいます。必ずいる。
こういうところで平気で居眠りする人って、単にがさつで頭悪いんだろうなあと思います。
箸の持ち方も悪いだろうし、食べ方も汚いんだろうなぁ。赤ちゃんが近くにいてもタバコ平気で吸うんだろうし、言葉遣いも変で、集中力もないし部屋も不潔で、一緒にいても1ミリも楽しくないんだろうな、と想像します。
もちろん、仕事とか家庭の事情とか、寝不足にはいろんな理由があるしな…、と同情的になりかけたりするところですけれど、いやいやいやいや、それが事故の原因の一つだったりするから!と思うと、ここで居眠りするって「次はわたし、事故起こします」って宣言してるようなものじゃないの?ってことですからね。
そこで、思ったんです。
面倒で、憂鬱で、「余計な作業」にしか思えない免許の更新というやつ、これを、「ああ…面倒だ…」「ああ…憂鬱だ…」「眠い…」としか感じないとなると、こんなもの、苦行にしかならない。
この施設はどんなものだ…とかあの教官はしゃべりが上手いな…とかどんなアホウが居眠りこいたり貧乏ゆすりし続けたり電源も切らずマナーモードにもせず着信音鳴らしたりするんだろう…とか、これ終わったら食堂を覗いてみるか…とか、ちょっとでも楽しみを見つけて「逆に、こんな話や映像、普段はどこでも見ることはできないぞ!?」と考えると、2時間なんてあっという間です。
休憩を挟むので実質100分もありませんしね。
独特の雰囲気で作られた映像(事故の怖さと運転で気をつけるべき点が強調されている)を見て、部屋の電気がつくと講習は終了。
昔は、この部屋で、名前を呼ばれて前へ行くと、そこで免許証を手渡しされた、という記憶があります。
自治体によって違うのでしょうか。
今は、「講習済」のハンコが押された先ほどの「講習指定書」の下段に、番号は書いてあります。
この番号を読んで、免許をもらう。
しかも部屋を出たら、「免許交付」の場所がちゃんとあるんですね。
個人のプライバシーの問題に配慮してでしょう、個人名は呼ばない。
免許をもらったら、朝、視力検査の前に端末で作った「暗証番号」2つをまた違う端末で確認して、本籍地、漢字などに間違いがないかを見る。
この作業って、絶対にする必要まではないような気もするんですが、IC部分のチェック、という意味もあるのでしょうね。
全部終わって、11時。
また3年後にここへ来る、ということを考えまして、前回のことってこんな綺麗さっぱり忘れてるもんかね…と思いましたので、ここに書き残しておこうと思ったのでした。
最後に、いただいた教本2冊を紹介します。
「わかる 身につく 交通教本」
と
「安全運転のしおり」。
そのうちの一冊「安全運転のしおり」、表紙のクルマが家族ごと、全員無事では済まないレベルで道路から思いっきり飛び出してしまってるように、見えるんですが大丈夫なんでしょうか。