ここに、すべてがあった。
工業デザイナーとして、あの「超合金」を生み出し、「戦隊アクションヒーロー」の原型を作った男。
今では当たり前、になった形の一つである「おもちゃ先行」の番組作り。
まずスポンサーたるおもちゃメーカーが、ヒーローやキャラクターを考案し、おもちゃ化するギミックまで盛り込んでデザインする。
番組がヒットすれば即ち、おもちゃのヒットに繋がる。
この黄金律の端緒が、あの「ライディーン」だったとは。
ドンピシャ世代の方はこの「村上克司伝」、「おおーッ!」って声出ると思う。
買ってもらったおもちゃ(超合金)の記憶と、覚え損ねているロボットの名前。
中でも、実写アクションヒーローの金字塔「スパイダーマン」制作に至る経緯は、当時の少年たち、また大人になってハリウッド版マーブルコミック映画が当たり前の世代には、理解不可能な次元のお話だ。
読むだけで少年時代の記憶を蘇らせてくれて「あああああなんで捨てたんじゃあああああ!」という激しい咆哮を引き出してくれる。
今は同じバンダイの系列から、当時のアニメなどのリアル造形に寄せて(つまり子供が遊ぶおもちゃのギミックは一旦無視して)制作された、懐かしロボットが多数発売されている。
確かに「未来ロボ ダルタニアス」は好きだったし買ってもらった覚えもあるし最後までライオンだけ大事にしてた記憶もあるけど、こんなフォルムではなかったように思う。
超合金魂 GX-59 ダルタニアス