つい前回、「タバコとファミレス」みたいなこと書いたばっかりでした。
衆院厚生労働委員会で参考人として読んでいた人の意見陳述中に「いい加減にしろ」とヤジを飛ばしていた、と。
受動喫煙対策を訴える肺がん患者にヤジ 国会議員「いい加減にしろ!」https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/judoukitsuen-yaji-anami?utm_term=.la7K35YoaZ#.nd18yqzPbJ
誰が。
自民党の大分選出の国会議員が。
そんな人ほんとにいるのか?とにわかには信じられないですけどほんとにいるんだから仕方がない。
で、謝罪コメントを出してらっしゃってます。
お詫び
この度、去る6月15日に行われた衆議院厚生労働委員会において、参考人のご意見の際、私が「いい加減にしろ」といったヤジを飛ばしたという報道がありました。
まずは参考人の方はもとより、ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば、心からの反省と共に深くお詫び申し上げる次第でございます。
もちろん、参考人のご発言を妨害するような意図は全くなく、喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想いで呟いたものです。
とはいえ、今後、十分に注意して参りたいと存じます。
この度は誠に申し訳ありませんでした。
もう、謝罪してるんだし反省もなさってるんだろうから良いとは思うんですが、ちょっとおかしくないですかこれ。
誰が、どこで、を思い返してみると、「いい加減にしろ」はあり得ないハナシだなぁ、と改めて思うのであります。
まず、「いい加減にしろ」って、「ヤジ」なんですかね?
国会議員らの口汚いヤジは、国会中継でもぜんぜんやめないところを見ると「あれも仕事」だという感じですよね。
実際、ベテラン議員から若手議員は「ヤジを浴びせろ」と命令されるんだそうで、それそれでもう、「慣れてること」なんでしょう。
しかし、ヤジの相手がおかしい。
だって、国会議員、ではないんですよ。
この日(2018年6月15日)に厚労委で行われていたのは受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案の参考人質疑。
参考人は、日本肺がん患者連絡会の長谷川一男理事長です。
立憲民主党が推薦した、っていうところで、すでに「対立する人」という構図で、この与党議員は見てたんでしょうけれど、いわば一般人です。
国会議員が一般人に放つ「いい加減にしろ」、これは「やじ」ではなくて「恫喝」です。
雰囲気としては笑いながら、嘲笑しながら、だったので怖いムードではなかったのかもしれませんが、流石にこれは軽率すぎるでしょう。
相手ががん患者、とかはまず関係ないレベル。
誰であろうが国会議員が一般人に「いい加減にしろ」?
お前酔っ払ってんのか?
問題は「深くお詫び申し上げる次第でございます。」の後ですよね。
もちろん、参考人のご発言を妨害するような意図は全くなく、
ここ、すごい神経だなぁと思うんです。
ただ謝罪してればいいのに、じゃあ貴方は「発言を妨害するような意図」が全く無いのに「いい加減にしろ」っていう言葉が出てくるんだ…はっきり言ってすごい怖いですよね。違う恐怖すら湧いてくる。
で、どういう意図かというと
喫煙者を必要以上に差別すべきではないという想いで
呟いたんだそうです。
これって、「喫煙者が差別されている」という認識が常日頃からあった、っていうことですよね。
でないと「必要以上に」とは思えないはずだから。
受動喫煙問題を、「喫煙者を差別する問題」だと思っている、ということなんでしょうか。
なんだか根本的な認識がおかしい。
言葉をあんまり論(あげつら)うのもアレですけれど、そうなると、
「深くお詫び申し上げる次第でございます。」
の前も、やっぱりおかしいでしょ、ということになってくる。
参考人の方はもとより、ご関係の皆様に不快な思いを与えたとすれば、
この謝罪文は、どういう経緯の果てに出してるんですかね。
「不快な思いを与えたとすれば」 ??
「すれば」????
まだ、不快どころか素っ頓狂な、横柄で恫喝的な態度で口走ったとんでもない発言、だったという認識が、無いんでしょうね。
俺の言葉が不快だったんかい?
不快だったんなら謝ってやってもいいぜ?
という気持ちでないと、「与えたとすれば」なんて言い方、できませんよね。
いえ、土下座してほしいわけではないんですよ。
この人、たぶんあんまりわかってないんですよ、ことの本質みたいなのが。
あまりにも気になって見てみると(すでにたくさん報道されていますが)、この人「タバコ議員」でありながら、あのファミレス「ジョイフル」の代表取締役相談役なんです。
ジョイフル「会社概要」のページ
https://www.joyfull.co.jp/company/profile/
でやっぱりそうなるとジョイフルの禁煙対策、分煙事情が気になりますよね。ジョイフルは「会社の見解ではない」と、議員の発言とは一線を画す態度だそうですが、この人「相談役」なので、こういう時、会社って誰に相談するんでしょうね。
ジョイフルの直営店は732店舗。
そのうち、全面禁煙は4店舗しかありません。
「完全分煙」ですら4割強しかない。
高知県では、喫煙ゾーンの向こうにトイレがあるそうです。
つまり子供も肺がん患者も、喫煙のモウモウの煙をつっきらないと、トイレにも行けない。
しかも「分煙」て衝立で仕切ってるだけで、意味わかってない。
ジョイフルの分煙状況がクソすぎる理由が判明。二度と行かない。
https://blogos.com/article/306174/
たぶん、高知の店舗だけじゃないでしょう。
要するに「考えが古いまま」なんですよね。
その上、上司に「完全分煙を…」なんて言おうものなら「いい加減にしろ」と言われてしまうんでしょうし。
もはや「ジョイフルには二度と行かない」と決めている人、ものすごく多く出てきてます。
全国チェーンの経営に、たった一言でとてつもない影響を与えてしまったってことですね。
当然、喫煙者であろう国会議員の、癒着と保身のせいで現実を見る目すら曇ってしまった現象、をはからずも目の当たりにすることができた感じ。
もちろん、合法なタバコを吸うことは個人の自由ですし、まだ産業として保護する段階ではあるんですが、与党は野党にまたボロカス言われる材料を与えてしまいましたね。
しかし喫煙者と非喫煙者が共存できる分煙社会の構築を目指してるという「自民党たばこ議員連盟」に名を連ねてる議員さん(今回の人はいない)にも、「貴方も同じことを突きつけられてるんですよ?」という問題意識を、切羽詰まって持つ時が、くるんでしょうかねえ…。
自民党たばこ議員連盟
https://ja.wikipedia.org/wiki/自民党たばこ議員連盟
とにかくなんかもう、文言から謝罪からお店の状態から対応、すべてがぜんぜんJOYFULじゃない。
どんどん改善されて行くといいですね。