見ていただきたい映画を発見しました。
原題は「The Danish Girl」。
悲しくも美しい物語。
主役のはあの、スキャマンダー、です。
『ファンタスティック・ビースト』の、エディ・レッドメイン。
いや、オスカー俳優とはいえ『ファンタスティック・ビースト』の主役としてはちょっと線が細すぎるというか、繊細すぎる感じの人だなぁと勝手なことを思ってたんですが、これを見たら完全にそれも納得せざるを得ない。
こんな、繊細な表現をする人だったんですね。
『博士と彼女のセオリー』はまだ観れていません。
いつも、誰が出てるとかどんな話だとかは一切調べずにいきなり観るので、あれ!この人どっかで…とか、いつも思いまくりです(そういえば、「ROME」の奴隷ポスカ役の人が医者の一人として出てたな…)。
でも迷わずにどんどん観ていけるのは、「見放題」のメリットですね。
店のDVDの棚の前で「これは面白いかなぁ、どうかなあ」とか、迷わなくていい。
あの人は、この人。
なんともう一人の主役、というか人によっては(私の場合も)こちらに感情移入しちゃうだろうという、妻・ゲルダ役の、アリシア・ヴィキャンデル。
この人は、『エクス・マキナ』のアンドロイド役だった人です。
今、ウィキペディアで見てみたら、『エクス・マキナ』とこの『リリーのすべて』、この2作品で、すごい数の賞に輝いていました…(アカデミー賞では助演女優賞)。
素晴らしい映画だった。
なにせ、衣装が素晴らしい。
芸術家の二人がクラス部屋、スーツ、ドレス、ナイトガウンまで、なんだかヨーロッパ絵画そのものを眺めているような、美しさがあります。
デンマークからパリへ。
二つの性の間を、苦しみながら行き来する日。
それを、ちゃんと受け止めて、寄り添ってあげようとするゲルダ。
なんか、とにかくかわいそうなんですよ。
それは、悲惨だなぁとかかわいそうだなぁということではなくて、精神的に、頑張らなくちゃ、という心情が伝わってくるから。
セリフは多くなく、察するしかないような描写もたくさんあるんですけれど、なんか、かわいそうで。
しかし、えらい裕福だな…と思わずにはいられないんですよね、パトロンがちゃんといるのか…そこは端折ってあるのか、絵だけ描いて、どうやって生活を維持してるんだこの人ら…ドイツへ行ったり、そんな高額な手術をまで…。
トランスジェンダーなどという言葉はまだ存在すらしない1920年代。
偏見どころか「異常者」として隔離される危機すらある時代。
ちょうど第一次と第二次の大戦の間、ヨーロッパは平和で好景気、な時期だったんでしょう。
途中、昔の親友として出てくるハンス(マティアス・スーナールツ)。
彼に、不安定な精神を支えてもらいたい、なんていう心の揺れ動きも見せつつ、しっかりとした自我でアイナー、リリーを支えるゲルダ。
単に健気というだけでなく、ものすごい力強さを感じさせます。
原作は小説。
原作の小説(事実を基に書かれている)、デビッド・エバーショフの「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」は、いや、高いな。
こういう時に、Kindleを持ってると電子書籍版で読めるから便利だぜ…安いじゃないか、ごひゃ英語版やないかー!!!
日本語訳は、電子書籍化されていないのかね…どうなっておるのかね…講談社さんよ…。
と思ったら早川書房から、文庫が出てた。
読もう。
良い映画でした。
これは私が無知なだけで有名な作品でしたが、こういうのに、なんの予備知識もなくぶち当たるのが、先述したように、「見放題」の素晴らしさ。
Amazonプライムに入ってないなんて、割と信じられない。
月額500円で済むのに。
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