鎌倉殿の13人

第2回『佐殿の腹』

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源頼朝(みなもとのよりとも・大泉洋)は佐殿(すけどの)と呼ばれてたんですね。

おそらくあの時代、「源頼朝が〜」と本名で呼ぶことはなかなかなかったんじゃないでしょうか。

なぜ佐殿と呼ばれているかというと、源頼朝がそういう官職だったからです。

源頼朝が任ぜられていたのは「右兵衛権佐(うひょうえごんのすけ)」。

「右兵衛府」というのは警護とか護衛とかそういうことを担当する役所で、例の如く「左」もあります。

「権(ごん)」、これは「副」っていう感じの意味なんですね。
さらに「佐(すけ)」は「次官」。

「右兵衛権佐」から「近衛少将」→「近衛中将」→「参議」というエリートコースが存在したそうなので、幼いながら「右兵衛権佐」に任ぜられたというのは、そういう身分の人だった、ということですね。

源頼朝が「佐殿」と呼ばれるのはなぜ?
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/special/history/001.html

ところが、平治の乱(1160年)で源氏は没落。

当然、源頼朝も官位は剥奪されています。
14歳の時です。

つまり北条の人らが「佐殿」と呼ぶのは実はおかしいんですね。
だって源頼朝はもう「右兵衛権佐」じゃないんだから。

だけど、じゃあなんて呼ぶんだ、ということになりますよね。
「頼朝殿」とは決して言わないんです。
本名を呼ぶなんて、親くらい。

彼は源義朝の三男なので「三郎様」とか呼ぶパターンもあったかも知れない。

よく考えるとなんでいつまでも「佐殿」なんて呼ばれてたんでしょう。

世が世なら、彼は天下を治めてたかもしれない地位にいた人の息子です。
クソ田舎の伊豆の人らからしたら、京の出来事は無関係ではないにせよ、流人となったにせよ「源氏の跡取りが…!?右兵衛権佐だった人!?」っていう感じ。

身分からするともう完全に別世界の住人である「本物の貴族」の登場に、右往左往したはずなんです。

ドラマ内でも、どこか浮世離れした源頼朝の様子が垣間見れましたよね。
坂東に生きる土着の豪族とは、生きる原理が違う感じ。

その源頼朝をかばう形で、北条へ引き取ることになりました。

北条時政(ほうじょうときまさ・坂東彌十郎)の行動はやっぱり不可解なものです。

歴史の結果を知っている我々は、時代を読み切った北条時政が、源氏に味方しておけば天下を取れるかも知れないと判断したのだろう、なんて簡単に思ってしまいますけれど、この時代に「源氏に賭ける」なんていうのは、もう明日明後日に首が飛ぶかも知れない、博打にもならない勝負だと言えるでしょう。

現に、源頼朝が挙兵した1180年に、土佐にいた弟の源希義(みなもとのまれよし)は呼応して挙兵し、瞬くうちに殺されています。

源頼朝に味方して良いことなんかひとつもなかったはずです。
なのに北条は、なぜ源頼朝を助けたのか…。

そこがまったくの謎なんですね。
もちろん、それなりの勝算があったのだろうという傍証はあると思うんですけど、はっきりとした決断ができる材料なんか、当時、あるはずがないんです。

源頼朝の首を斬った方が早いし、丸く収まる。

なのになぜ。

となると、やっぱり「北条宗時(ほうじょうむねとき・片岡愛之助)の暴走」が必要になってくるんですね。

「平家の世をひっくり返すのじゃ!」と夢想し暴走する若き坂東武者。
史実では早々に彼は死んでしまうのでどんな性格でどんなやつだったのか、ぜんぜんわかってないそうです。なので、暴走しつつ「北条を無理やり方向づけるきっかけを作った」役を背負わせるにはもってこいだということでしょう。

それに引きずられる形で、北条義時(ほうじょうヨシトキ・小栗旬)は戦乱に引っ張り出される。

それにしても、今回のサブタイトルにあるように『佐殿の腹』は誰にもわからない。

坂東目線で描かれる大河ドラマですが、武士からは貴族の腹は見えません。
しかも、江戸の武士とは違います。
「平安時代の武士」に、「京生まれの貴族」の腹など読めません。

そんな中、源頼朝はじっくりと、周りの引きずりこんでいく。
不気味にすら映る源頼朝の静かなる画策。

文字通り流されて、流れのまま田舎で20年を過ごしてきた源頼朝には、源氏の棟梁としてはあり得ない「立ち上がらない」という選択肢すら、本当はあったのかも知れません。

 

第二回の『鎌倉殿の13人紀行』は、ここでした。

音無神社。

蛭ヶ島(ひるがしま)公園。







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