買ってみた。
いや「買うてもた」。
これをしばらく使ってみる。
自分に誇れる頭皮になる!
2大ボリュームアップ成分を高配合し、
敏感な地肌に働きかける実感型エッセンス。
なんのこっちゃ。
付属のパンフに書いてあることをそのまま写してみると…
「最小の刺激で、最大の実感」をテーマに、
2大ボリュームアップ成分「キャピキシル」と「ピディオキシジル」を限界まで配合。
実感できるヘアケアに深く踏み込んだスカルプエッセンスです。
うん。
「マンションポエム」と揶揄される、高級分譲マンションのキャッチコピーも思い出す。
なんかわからんが、ええ感じやんけ
って思ってしまうっていうやつ。
いや、思わず笑ってしまうけど。
一例:
浜田山に、美しい方程式。
ライオンズ浜田山セントマークス
解けない魔法を、この地にかける。
PREMIST 北浦和
この聖域は、総てのDESIREを満たす。
ランドステージ代々木の杜
ついにヴェールを脱いだ美のモード。
ライオンズステーションプラザ根岸ベイアーク
そこは、成城でもなく、仙川でもない。そして、成城でもあり、仙川でもある。
セイガステージ仙川
緑濃き庭園、洗練のソサエティが、「最高峰」の邸に彩りを添える。
エルザ世田谷
情緒という美しい刻の重なり。江戸を感じる歓び。受け継がれていく光景、そして粋。革新は伝統に支えられ、暖かな街にあたらしい息吹を垣間見る
アルファグランデ小岩 スカイファースト
天空に舞い踊る星々のトレモロ。人々の営みを物語る地上に散りばめられた灯火のロマネスク。あるいは、早朝のまどろみから朝日に洗われつつ姿を現す都会のエクリチュール
レーベン北千住ルミレイズタワー
うん、すごい。
マンションなんて実は「住む」「治安」「立地・便利さ」くらいしか売り文句ないから、もう、美辞麗句とレトリック(修辞技法)で弾幕を張って、目くらましするしかないんだろう。すべてを理解し噛み砕いて説明できたとてそれが暮らしに反映できる保証はどこにもない。
いや、今回はマンションの話ではなかった。
スカルプエッセンスの話。
「キャピキシル」
「ピディオキシジル」
そして「フラーレン」という成分が入っているという。
なんなんだ。
ポエムか?
手の届く範囲で、調べることする。
いや、買う前に調べろと。
まずは「キャピキシル」だ。
キャピキシルは、「育毛剤に配合されている」という情報しか見ることができなかった。あの有名な「ミノキシジル」よりすごいと書いてある。ミノキシジルは化学配合が主な成分だがキャピキシルは、天然草からの抽出エキスがベースになってる。医薬品ではないから法的な仕様制約はない。「アカツメクサ花エキス」と「アセチルテトラペプチド3」という成分でできているらしい。
・「アセチルテトラペプチド3」というのは極めて強い細胞修復作用を持つ4つのアミノ酸で構成された物質。
皮膚の修復に対して高い細胞復元効果がもたらす。
この作用が、衰退した毛母細胞の復元にも期待できる、と。
・「アカツメクサ花エキス」というのは、「レッドクローバー」とも呼ばれるマメ科の多年生植物「アカツメクサ」の花に含まれる「ビオカニンA」という成分を含有したエキス。
脱毛男性ホルモンDHTを生成する「5αリダクターゼ還元酵素」を阻害する効果が確認されているらしい。
どうやらアカツメクサの成分は、女性ホルモン様作用があるみたいだ。
「5αリダクターゼ還元酵素」っていうのは男性ホルモンの一部。
これは遺伝するらしく、「ハゲが遺伝する」っていうのはこの「5αリダクターゼ」の仕業だそうだ。
ビカニオンAについてはわからなかった。
「ピディオキシジル」
これも、ミノキシジルに似ているけれども副作用に心配が少ないと言われている成分だそうだ。
別名「ミノキシジル誘導体」。
このピディオキシジルは、まつげ美容液にも使われている。
これだ。
「スカルプD ボーテ ピュアフリーアイラッシュ」。
血管拡張作用で、血流を良くするために配合される。
つまり頭皮の血流を良くする、栄養を行き渡らせる、ついでに毛よ生えよ!ってことだ。
さて、最後に「フラーレン」。
パンフレットに「ノーベル賞受賞の美容成分」と書いてあったなんだその表現は馬鹿にしてんのかおい。
確かに理論上において1960年代には知られていたがC60フラーレンの実在を1985年、ハロルド・クロトー、リチャード・スモーリー、ロバート・カールらが初めて証明し、1996年のノーベル化学賞を受賞している。
だから、これは、なんなんだと。
「守る、フラーレン」(商品パンフ)
「ビタミンCの172倍の還元力で紫外線や生活習慣などにより、乱れがちな大人の頭皮をダメージから守ります。」(商品パンフ)
生活習慣のダメージをエキスでなんとかしようという厚かましいおっさんは去れ。しかし医学的な応用として、活性酸素を消去する作用は本当の様だ。難しい化学式とか書いても、我々にはわからんもんね。
さらに「合成香料不使用」「合成着色料不使用」と書いてある。
瓶にはスポイトが付属していて、引っ張り出せばそのまま頭皮て1滴、という感じだ。
説明としては「1ml(スポイトの半分)を2回に分けてご使用ください(1日目安2ml)」だと。ひと瓶は一ヶ月ぶん、60ml。
180日の返金保証がついている。
ということは、使い切った時点で「いや、なんかやっぱ違う気が…」となっても、返金してもらえるってことか。いや、一ヶ月使って、さらに一ヶ月、効果のほどを待ってからでも遅くはない、っていう感じすらする。おそらく180日程度の短さでは、効果は実感できない。
「溺れる者は藁をもつかむ」という表現がある。
私の場合はまだ溺れるまでに至っていないが、先に丸太とか発泡スチロールとかを用意しておくことくらいはできる。
完全に溺れているのに、まだ藁を束ねて頭に乗せようとしている人が稀にいるが。
そういう方々にも言いたい。
ともに戦おうではないか、と。