ご視聴、ありがとうございました。
タイムシフト視聴は一週間、だそうです。
【境界カメラ#48】徳田神也の理詰め&BLUES + 第6回 〜◯◯なき◯い〜
http://live.nicovideo.jp/gate/lv314406961
まるまるなきまるい。
この響き、なかなかいいですよね。
少しだけ気に入ってます。使いどころがないけれど。
まるまるなきまるい。
「◯◯なき◯い」、穴埋めするとしたら他に、どんなものがあるでしょうか。
答えなき問い。
儚なき思い。
意味なき集い。
・
・
・
無謀なきあい。
さかなきらい。
もちろん、多くの人は「◯◯なき◯い」を見ただけで、あ、「仁義なき戦い」だ、とすぐに気づきますよね。
あーおもしろかった
簡単におさらいしますと「仁義なき戦い」シリーズは、1973年から始まった東映の映画です。「実録」という手法で、その後の映画界に多大な影響を及ぼしたと言われています。
現実
↓
当事者の手記
↓
作家による連載・書籍化
↓
取材
↓
脚本化
↓
映画
というような感じ。
それだけにリアルさが担保されているんですね。
見てる方は、フィクション…?現実…?ドキュメント…?
みたいな、虚実の狭間を見せられたよな気がしてくる。
今、大御所となって活躍されている人。
すでに鬼籍に入られた大スター。
現在とは違う街並み・通りゆく自動車・ファッション。
リバイバルすら起こりかねない、往年の日本。
予告編を見てみましょう。
本編に入ってないシーンがてんこ盛りじゃあ。
第1部
第2部『広島死闘編』
第3部『代理戦争』
第4部『頂上作戦』
第5部『完結編』
ちょっと気になったんですけど、最初の頃、出てくる自動車のナンバープレートの表示って、「広」なんです。
広島ナンバーって、今は当たり前のように「広島」と表示されていますよね。
全国的に2文字。
「鹿児島」や「富士山」は当然3文字。フルネーム表記です。
だけど昔は、1文字だったんですね。
品川ナンバーは「品」だったってことですね。
「頂上作戦」では「広島」になってました。
これっていつ変わったんでしょう。
調べてみると、「広」が「広島」「福山」に変更になったのは、1967年(昭和42年)のことだそうです。映画の撮影・公開時期である1972〜1974年くらいは、ちょうど切り替えとか手続きの都合でまだ、過渡期にあったのかもしれませんね。
その後はどうなっていったか
このシリーズ、「第一部」から「完結編」で完了し、その後「新・仁義なき戦い」として別ヴァージョンがあります。
このシリーズの最後がこれ。
新仁義なき戦い『組長最後の日』。
で、
2000年、布袋さんと豊川悦司が主役ということで話題になった新作が、これ。
『新・仁義なき戦い。』
タイトル内に「。」がついてるんです。
ちなみに、モーニング娘。の1999年の紅白歌合戦での披露曲は「LOVEマシーン」。
そういう時代です。
そして2003年、渡辺謙による初のヤクザ映画出演が、これ。
『新 仁義なき戦い/謀殺』。
2000年の阪本順治監督の『新・仁義なき戦い。』は、劇中のサウンドトラックの1曲(印象的だけどまだストーリーとしてはクライマックスではない場面で使われてた)が、クウェンティン・タランティーノに異常に気に入られ、映画『KILL BILL』のテーマとして使用されます。
全世界的に「キルビルのテーマ」として知れ渡り、松井秀喜選手の登場曲に使われたり、「日本人=KILL BILL」みたいな感じになっていきます。
この曲のタイトルはサントラ盤では「新・仁義なき戦いのテーマ」となっており、その洋題(邦題の逆)は「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」です。
海外で活躍する布袋さんが、フェスティバルでこの「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」を演奏したら、楽屋にいる海外の関係者から「君のギターは素晴らしかった。でも一番良かったのは、KILL BILLのカバーだったよ!」と言われた、というエピソードがあります。曲だけがずいぶん先行して、全世界を駆け巡っている状態w
それにしても「仁義」って「HONOR OR HUMANITY」なんですね。
そこ、「オア」なの?と不思議です。
「アンド」じゃなくて??
70年代の映画シリーズ「仁義なき戦い」は80年代になって、アメリカでも上映されたそうです。その際の洋題は「FIGHT WITHOUT HONOR OR HUMANITY」だった。
ファイトかバトルか…やっぱりここはバトルが正しい気がする。
今回、改めて参考にしたのはこちらの本。
そして20年前に買ってたこちら。
個人的には「この人のモデルがこの人か〜」とか「制作秘話〜」とかもおもしろいんですけど、そっちよりは作品として、「なんなんココw!!」とか「なんでそうなんw!!」とか言いながら観るのが好きなのです。
一度、それをやって見たかった。
ヤクザを礼賛するつもりは毫(ごう)ほどもないのですけれど、「特殊な集団/特殊な行動原理」を持っているという点で、やっぱりヤクザ映画は面白い。
どうしても現代ヤクザものの映画は、「経済的にどれくらい勝つか」が常にサイドストーリーとして進んでますよね。
インテリで金を動かすのが上手い奴が勝つ、みたいな。2003年の、渡辺謙・高橋克典主演の作品もそうだった。
暴力路線と経済路線のせめぎ合いというか、暴力=古いという感じで、それを超えて行くにはどうすればいいのか…という苦悩が、ヤクザ映画の通奏低音になっている。
70年代に公開された最初のシリーズは、舞台が1945年〜1968年くらいを描いている(当時から20年くらい前)ので、まだ「高度経済成長が昇華しきる前」なんです。
だから暴力の比重が大きいことがある程度、ヤクザ社会でも許されていて、「儲ければ勝ち」という価値判断がそこまで優位ではなかった。
だけどすでにそれに気づき始めていた親分衆たちは、あまりわかっていない若衆との間で齟齬が起こり、どんどん余計な殺戮や抗争が起きて行く…という感じだったんですね。
やっぱり「戦後」がどれくらい色濃いか、ということが重要になってきますよね。
太平洋戦争→朝鮮戦争という、日本に実はいつまでも影響を及ぼしている2つの戦争が、ヤクザワールドとそれに反発しながら包摂する社会、そして現実へと繋がっている。
なんとなく「こちらが元気じゃないと観れない」シリーズでもある「仁義なき戦い」。
Amazonプライムでは全部観れます。
できれば、できるだけ観てくださいね。