手続申請悲喜交交

「両性の合意のみ」とは一体何か

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同性婚が話題になっている。

調査では、LGBTなど、性的少数者に対する理解を増進するための法案を国会で成立させるべきか聞いた。その結果、「成立させるべき」が64.1%、「成立させなくてもよい」が26.5%で、6割以上が成立を求めていた。

同性婚を法律で認める「賛成」71% 20代では9割超 FNN世論調査
https://www.fnn.jp/articles/-/488784

忘れかけてたけど、首相秘書官が同性婚や性的少数者について「見るのも嫌だ」と言い、報道を受けて岸田首相が更迭したというニュースがあった。

オフレコ発言を、毎日新聞が勝手に報道して大騒ぎになったのだ。
「オフレコ破り」を平気でやった毎日新聞は責められず、「なんてことを言うんだ」と炎上した。

発言の内容を「言いませんから」と約束しておいて後で「やっぱり言います」て翻すんだから、そりゃ過激なことを「聞き出せた」ってことになるわな。

検証・オフレコ取材の功罪 国民への報道義務か、取材対象への迎合か
https://mainichi.jp/articles/20230216/k00/00m/010/274000c

記者が排除を恐れて取材対象に迎合するばかりでは、オフレコ取材はなれ合いの場に転じ、それこそ知る権利は形骸化してしまう。

とこの記事にはあるが、そんなことが通用するなら、記者など小学生でもできる。
何を偉そうに言ってるのか。

オフレコを含めてその場の空気と「オン」での発言・時流と私見を織り交ぜて読める文章に練り上げるのが記者の本分ではないのか。

約束を破ってスクープ気取りをしている毎日新聞は(この検証記事は有料)、えらく思い上がってしまってるんだなと思う。この記事には有責者として連名で

仙石恭 中田卓二 西田進一郎

と書かれているが、「毎日新聞?ああ、オフレコも狂った正義感で配信しちゃう会社ね?出入り禁止じゃぼけ」とは言われない、という大手メディアで殿さま商売を続けてきた、世間とは乖離した感覚の持ち主たちなのかな?と感じてしまった。幸あれ。

毎日新聞の自分勝手な正義感と炎上狙いは見事に当たり、秘書官更迭にまでなった。オフレコ破りで人生の軌道修正を余儀なくされた首相秘書官、やっぱりちょっとかわいそうだ。
ほぼすべての人にはそんな機会はないから安心していいが、「毎日新聞政治部」の取材は絶対すべて断ろう。

なぜ同性婚ができないのか。

憲法24条に

第二十四条

1. 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

2. 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

と書いてある。
婚姻の成立要因として「リョウセイノゴウイノミ」と書いてある。

この場合の「両性」とは、男性と女性の2つを指すと考えるのが自然だ。
婚姻は2人で行われるものだから、ここにもし「その両方」という意味しか無いのであれば「2人とも男性、2人とも女性」と取ることは可能だ。
しかし、それなら「両名」と書かないとおかしい。

両性とは「両方の性別」を指す。
婚姻は2名だけで行われるものだから、やはり両性とは男女の「2性」を指すだろう。
「2人とも男性、2人とも女性」だと「1性が2人」であり「両性」ではない。
「単性」である。

24条の文言を変えることは、すなわち「憲法改正」を意味する。
同性婚をしっかり規定すためには、条文の指す意味を広くするためには、憲法を変えてしまえば良い。

それしか方法はない。

ところが、

結婚の自由をすべての人に
https://www.marriageforall.jp/

というサイトには

同性どうしの結婚を禁止するとはどこにも書いていません。

憲法が言いたかったのは、「これからは両当事者の合意だけで結婚できるんだよ!」ということなのです。
憲法24条1項の「両性」という言葉から、憲法は同性婚を禁止していると論じるのは、強引でいじわるな「解釈」です。

と書いてある。

憲法と同性婚
https://www.marriageforall.jp/marriage-equality/constitution/

「禁止してないから認めてるんだ」という解釈は、可能だとは思う。
日本政府も現時点で「同性婚制度を憲法が禁止している」という見解ではない様子。

それにしても

憲法が言いたかったのは、「これからは両当事者の合意だけで結婚できるんだよ!」ということなのです。

は強引すぎるだろう。

日本語として読めば「両性」が何を指すかは明白なのに、「禁止と書いていないから禁止ではない、その昔はもっと厳しく、『個人として尊重される』と第13条で謳っているのであるし、ほんとにダメなら禁止すると明記するはずだろうし、1947年までは戸主の同意が必要だったがそれも無くなって男女平等になったのだし、ハイ問題ないでしょう!」という突破は可能なのか??

もう一度憲法24条1項を読んでみてください。読むほどに、なんだかとても前向きで私たちの背中を押してくれる力を感じませんか?

なんて書いてしまっているのはもう、「個人の感覚」としか言いようがない。

 

無理がある。

個人を尊重するという解釈で憲法24条を読むのなら、「人数」すら書いていない。
「禁止していない」という意味では「男2・女2」の結婚も禁止の文字はないのだ。

これは文章の問題なので、合わないならば修正すればいい。
それで齟齬がなくなる。

しかしこういう「同性婚を応援する」人たちには「速やかに憲法を改正せよ!」という主張が見られない。

同サイトの「最新情報」の箇所を見ると、こういう感じだ。

少し遡ったくらいでは「自民党議員に要請書をお渡ししました!」とか「与党の意見交換会に参加しました!」という報告は見当たらないので、基本的に「憲法9条を守れ!な方々と連帯した方が目的を達成するには近道だろう」という選択をされているようにも見えた。

どうして同性婚が話題になるかというと、「両性(男女)」だけに限らず、関係性が持続している2人であるのに婚姻が男女に限られていると、婚姻関係に関わる分野で法的に守られなかったり、行政の制度が利用できずに不平等になる、ということが起こる。婚姻関係にないと相続もできないし親権者にもなれないし、例えばまさかの時(病院での緊急時)、ベッドのそばにすらいる資格がない。

その解消としては、同性婚を認めるしかないのだ。

そういえば美輪明宏さんのコメントが話題になってた。

美輪明宏さん語る同性婚問題「岸田首相の無知にあきれ…人が人を愛したことの何が悪いのか」
https://news.yahoo.co.jp/articles/d4be0c1a86047cdd1718cd705a7441ad87b4bf98?page=1

・本当の歴史を学んでいない
・男色の歴史がある
・日本の政治家がいかに時代遅れで無知であるということが露呈された

などの言葉に反応して、「さすが美輪氏」と持ち上げる言説も多かった。
それぞれの発言は正しいと思うが、それならば美輪明宏さんには「ちゃんと憲法を改正しましょう、現状に合わせた形に変えましょう」とハッキリ言って欲しかった。

上の「日本の政治家がいかに〜」は、「新たな制度改革を進めることに否定的」という文脈で語られているようなので、そこに含意があったのだと受け止めたい。

しかし同性婚問題は、「二人の愛」とか「愛の形」とか「歴史に学ぶ」とかとは関係がない。
「人が人を愛したことの何が悪いのか」ということとは、次元の違う話だ。
変な言い方をすれば同性婚にまつわる話は、同性愛とは別のことだ。

ここをいっしょくたにすると、「同性婚を認めないってことは同性愛を差別することだ!」という話にすり替わってしまう。

これは極めて政治的・行政的・手続的なだけ、の問題なのである。

男女の婚姻にしたって、美しい形でばかり語られる同性婚と同じで、壊れることもかなり多い。

「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況」には、婚姻件数は50万1,116組、離婚件数は18万4,386組と書いてある。5年未満の夫婦の離婚率が高い。それでも離婚率は、世界水準で見れば日本は高くないそうだが。

婚姻しないと離婚もできないのにそんなのは今どーだっていいだろう、という感じもするが、それは「手続きに関わること」だからだ。

こういう時代に進んできたのだから、「憲法を改正する」で悶着はあっさり終わりだ。
サッと国会で決議して、改正すれば良いだけ。
それで「男男」も「女女」の婚姻も、関連法を作って「男女」と同じ権利と福祉を得られるようにすれば良い。

そこで「憲法には触れてはいけない」という先生方と「憲法9条があるから日本は平和だったのだ」と信じる新宗教の信徒の方々が「日本国憲法は不磨の大典であり永遠不朽の聖書である」という金科玉条を胸に「憲法の文言など1文字もいじらずに、勝手気ままなその時その時の政府の解釈で法律をヒネり出せ」と活動しておられるのに、その人らに応援してもらっててほんとに大丈夫なのかと不安になってくる。

同性婚に問題でも?

同性婚が認められない状態だと困るパターンとして、外国人との結婚がある。
どちらかが日本人だと、片方の外国人には日本在留の資格が与えられる。
それは「婚姻関係にあるから」が理由である。
現在はそれが同性には認められていないので、仕事などの理由がある場合を除いて在留することが認められない。扱いとしては「仕事で在留資格を得ている人と愛し合っているし一緒に暮らしている」というだけに過ぎない。失業したらアウトだ。強制送還の対象になる。

「婚姻関係にあるから」というだけで在留が認められるわけだから、同性であっても家族として当然の得るべき権利だという主張はよくわかる。

 

偽装結婚の問題を指摘している人がいた。
国籍は与えられないが、在留資格はもらえるのだし「離れて住んでる」というのはどんな家族にもあり得る事態なのだから、不法に入国・滞在したい不良外国人がブローカーを通じて金を払い、結婚を装って日本に潜り込む〜婚姻関係がある限りどこにいつまでいようが自由〜という状態(偽装)はいくらでも考えられる。今は男性に対して女性・女性に対して男性しか認められていないが、同性婚が可能なら(なんとなくの想像だが)男がどんどん入ってくる気がしてならない。それは単純に、法を犯す不良外国人は男性の方が多いという勝手なイメージがあるからだけど。

法務省の出入国在留管理庁の発表によると、令和4年1月1日現在の本邦における不法残留者数は、66,759人なのだそうだ。のっぴきならない事情がある人もいるだろうし一概に「全員犯罪者」とは言えないのだろうが、減少したとは言えそれくらいいる。
男女比は6:4くらいだ。
韓国を筆頭に、タイ・中国・ベトナム・フィリピンなど、アジア各国の名前が並ぶ。

そもそも得た在留資格の上位には短期滞在・技能実習・留学などがあり、第5位に「日本人の配偶者等」が来る(2,300人)。

これが「同性婚が法的に認められた」瞬間からどう増えるか、というか同性婚で日本にやってきた外国人が犯罪に手を染める確率がどれくらい上がるか、が問題になっていくのだろう。

 

そのころ台湾では

台湾では中国本土の人を除き、同性婚が認められた。

台湾 同性カップルの結婚 相手が中国本土の住民を除き認める
html/20230120/k10013955191000.html

これはまさに「同性婚を理由に在留し続ける中国本土人を増やさない対策」だ。
中台の間にある緊張感が、ここに現れているとも言える。

一方、中国はそれには乗ってこない。
普通に「今まで通りアウト」である。

中国、同性婚の合法化認めた台湾に追随せず=全人代報道官
https://jp.reuters.com/article/china-lgbt-marriage-idJPKCN1VB0GK

中国では同性婚は認められない。
中国人と日本人の同性婚が法改正で認められるようになったとしても、その二人が中国に渡って「同性夫婦」として中国の行政サービスを受けることは出来ないのだ。

この不均衡は、いつか解消されたりするのだろうか。

「婚」が大事なら。

今現在、すでに自治体によっては「パートナーシップ宣誓制度」というものがある。

様々な事情によって婚姻の届出をせず、あるいはできず、悩みや生きづらさを抱えている性的少数者や事実婚の人たちを対象に整備されたものだ。

自治体が発行するものだけに、片方がその自治体から転出したらその宣誓書は無効になる、などの制約はあるようだが、基本的には一緒に暮らす婚姻関係を模したものなのだろうから然もありなん。

行政サービスが男女夫婦と同等に受けられるのであれば(上掲した緊急時にも対応できるのであれば)それでじゅうぶん、という感じもする。

いやいや、自分らも同じ人間であるのに婚姻はできずパートナーシップ宣誓しかできないなんておかしい!という主張があるのもわかる。

でもそれなれば、やはり憲法改正しかない。
「婚」ならば、憲法を書き直すしかない。
だってそう書いてあるんだから。
書き換えればいいのだ。それだけだ。

それだけに、同性婚を心から望む人・それを応援する人たちに、応援する感じで共産党・社民党・立憲民主党などがバックアップについているのはだから、不穏な感じしかしないのだ。

同性婚を真剣に考え、やはりそうするしかない(憲法改正しかない)と当人たちが決断した場合、これらの政党の皆さん(政治家や支持者ら)は絶対に、手のひらを返すだろう。

憲法に禁止が明記されていないから法整備でいける!という主張も「憲法改正が異常にむずかしい日本の事情」ならではのストラテジックな論理なのだろうと思う。
憲法を改正しましょう!という議論が成り立たないことを知っている人が現実的な策として考えた戦略のような気がする。

その足を引っ張っているのは誰か。
ほんとうに悩んでいる人の頭を押さえつけ、自己の主張をしたいだけなのは誰か。

なんだか社会的な問題が噴き上がるたび、いつも同じ人らが同じ正義ヅラで現れて、どうってことない結果を出して踏みつけにして颯爽と去っていく。
そんなパターンが何十年と繰り返されている。

憲法を改正せずに、どうやって法的な同性婚の認可を実現するのか。

その経緯は、興味深いものだ。

 

そこに加えて「同姓か別姓か」の問題もあるからさらにややこしい。
同姓か同性か。
優先順位としてはどっちだ?

 

 







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