楽しみ方!?
なんちゅう底意地の悪いことを言うんだ被害者もいるんだぞ!とお怒りを受けそうですがそもそも「謝罪会見」は主に、被害者のためではなく加害者(または騒動の当事者)が、あくまで「謝罪を通して自分自身のため」に行なうものですから、それと無関係な人間としては「冷静に鑑賞する対象」としても良いのではないか…とも思うのです。
というかいつしか、そうならざるを得ない。
そうでない会見もあるのでしょうけれど、そういう会見も事実、ある。
「覚えていない」という悪手
「記憶にございません」は、太古の昔、小佐野賢治(国際興業グループ創業者)という人の国会での言により広く人口に膾炙したセリフだったりもしますがこの時期、実は奇しくも「すわ、映画の宣伝か」と思われてしまうところだったりもします。
映画「記憶にございません!」
https://kiokunashi-movie.jp/
ただし、実際には「記憶『に』ございません」と答弁した記録はなく、正確な答弁内容は「記憶『は』ございません」「記憶『が』ありません」などの繰り返しである。
※wikipediaより
記憶がない、と公の場で言ってしまうことは、暗に「覚えてないんだもん知らんがな本心としては」と言っていることになってしまいます。
ただしこれは、「本人からすると事実」なんですよ。
嘘偽りなく、覚えていないのは真実。
だけど、ですよね。
その事実、どうやって確認できるの?
と言われたら、もうこれは本人にしかわからない。
記憶にないと言っても、100%がないのか、20%くらいはあるのか、その濃淡はどうか、時間経過で薄れていたりそれ以降、1ミリも思い出したりはしてないのか…もうこれは、第三者にはどうしようもない。
なので、「記憶がない、かどうか」などは、言う必要すらないんです。
本人の記憶なんて、どうでも良い。
例えばお酒を飲んだ果てのご乱行、だとしたら、もう、「お酒をそうなるまで飲んだ」ことが悪いと言えば悪いし、うまく酒量をコントロールできていないこと自体が悪い、と言わざるを得ないでしょう。
「朝起きたら家だった、どうやって帰ったのかも覚えていない」
なんて、何の免罪にもなりません。
お酒大好きな方からは何度も、このセリフを聞くことあります。
「記憶がない」
「財布がない」
「朝、家にいた」
など。何度も聞きましたけど、「え、それって怖いことですよね」と言っても、たいていは、まんざらでもない顔をしておられる。
いや、武勇伝でもなんでもないよ?
ただ、適量がわからず何度も人事不省に陥る、ハタ迷惑で自制心のない人間だってことだよ?
それを平気で言えているのなら、「酒が悪い。俺は悪く無い」と言っているのに、とても似ています。
なんなら「売ってるのが悪い」とでも認識してるんじゃないでしょうか。
謝罪会見の場でそれにつながる認識を披瀝するのはやはり良くないとは思うのですが、実は本人に止められない酒乱については、「売ってる」ことにもやはり、関連はしてきますよね。
いち個人を執拗に攻撃したい意図は、まったくありません。
ものすごい交通事故で人命が失われ、
「老人から免許証を取り上げろ」という、世代間の軋轢すら生んでいます。
アクセルが戻らなかったのではなく、足が動いてなかったんでしょう?と。
ああいう事故が起こるたび、やはり「道具は使う人の使い方によるものだ」という当たり前の事実が再確認されます。
でも、どこかで私は「そういう人に、平気で売ってますよね?車」という事実も、じんわり滲(にじ)んでくるんですよね。
交通事故は、人間が起こすものなので、こりゃ使い方次第でどうしようもないことです。パニックになると、たかが右足と左足のことですから、ブレーキに踏み変えなきゃならないところをアクセル踏み込んじゃう、あり得る話です。
「そんな感じの人に、平気で売ってますよね?プリウス」。
って、ふわ〜っとですけど思うんです。
販売した人は、その老人の耄碌ぶりとか、直に会ってるんだからわかりますよね。
だけど「交通事故の責任は販売店には微塵もない」ので、売ったらあとは知らん。
これは、包丁もそうだしナイフもバールも、普通はそうですよね。
だから責任なんて追求しようがない。
まともに車庫入れもできない人が「売ってるから」買って、そして事故が起きて、まったく関係な人が死ぬ。やりきれん。
まともに自己の酒量コントロールもできない人が「売ってるから」買って、そして他人に暴行する。醒めたらケロッと謝罪する。
販売を規制しろ!っていうわけではないんですが、売る側も売る際に、なんらかの別の指針がいるんじゃないの??
「金と免許証持ってるから」だけじゃダメでしょ、という気は、してきますよね。
たぶん、ここはけっこう重要で、「高齢者/自動車運転/免許証」の問題に、「売れなくなるから」っていう、別角度の要件が不可視の状態で挟まってるんですよ。
謝罪会見は芸能人(あるいは企業)がするものですけれど、昔のあの事件を起こした人があのとき謝罪会見をしてたとしたらなんて言ってただろう…も、少しだけ想像すると味わい深いものがあるなぁ、と思うことはあります。