20年前とは10年前 x 2??
ちゃんと思い出せるのは10年前まで、という感覚であることがわかった。20年前だと、なんらかのデータ的な裏付けがないとぼんやりとした風景が浮かんでくるだけで、ほぼすべてがなんら実証できる記憶になっていない気がする。おそらく「10年前に思い出した10年前」の記憶を元手に作られた像なのだろうなと思う。そう考えると10年前のことを今、しっかり思い出す作業をしておかないと、さらに10年後には「20年前のことって正確にはほぼ覚えてないもんだな」ということになってしまいそうだ。
占い師は詐欺師??
「青春は手品師」という曲を思い出した。「青春という名の手品師たちにいつでも唇を開いていたよ」という歌詞だった。そもそも詐欺は犯罪で、犯罪の範疇は最初から決まっている。「ホストは詐欺師」と言われたらそんなことはなく、ホストの中に詐欺師がいるだけである。「銀行員は詐欺師」と言われたらそんなことはなく、銀行員の中に詐欺師がいるだけである。詐欺師はどこにでもいる。そして信じて突き進んだ結果、騙されて初めて「詐欺師だ」と騒ぎ始める。騙されたとわかるのは、自分の欲目が裏目に出たからだ。「嘘をつかれた」とさえ言えばなんでも許されると思っていると、また騙される。中には騙された分を取り返そうと、騙す側に回るやつもいる。
成人式とは何か??
現在の成人式は、埼玉県で戦後に始まったものがルーツだという。伝統と言ってもそれくらいのもので、古く裳着(もぎ)や元服(げんぷく)などの儀礼は「本当に成人なみに扱う」という厳粛さを帯びていた。七五三もそうだが、幼年死亡率の異常に高かった時代には、子供が成長するということ自体が祝うべきことで、神仏の加護のおかげだと信じられた。体だけが大きくなった子供が、派手な衣装で個性をアピールしたつもりになっている現在の成人式がもしなくなったら、彼らはどこであの発散をするのだろうか。どこにもそれを受け入れてくれる場所はないだろう。あれは、公共の、自治体が、甘やかしてくれていることがわかっているからやっているのである。つまり「成人になった祝い」ではなく「最後の子供会」なのだ。
不倫って??
意外にも不倫は、茶髪がプリンになったケバい女とタバコを吸うのが男らしいと勘違いしている脳みそに野菜の灰汁が詰まったような男がするだけではなく、上場企業の役職を持った男女が、理知的な顔で「自分の権利」を主張するかのようにやっている。それがバレて迷惑を被るのは互いの家族だけなので、他人からすれば別に好きにすれば良いんじゃないの、ということに過ぎない。社会的に何が問題かと言えば、不貞行為(いわゆる不倫)は、民法に書いてある「離婚原因」にあたるというところだろう。不貞行為の証拠が揃ったとしても、離婚しない夫婦は離婚しない。なぜ離婚しないかというと、離婚すると、生活がままならなくなるからだ。片方がもう一方に生活費において依存していると、離婚したいという自由意志さえ行使できなくなる。経済的な自立は、まず夫婦間であった方が良い。不倫したらいつでも捨ててやるぞ、くらいにお互いが思えるのが健全なのかも知れない。
悪霊って???
悪霊などというものはない。そもそも「霊」を定義できないような連中が、それを「良」と「悪」に分けることなど出来ようはずもない。「悪霊のせいで」と言い出したらもうそれは、物事がちゃんとわかっていないくせに偉そうにだけしたい、さらに金をせびることで生計を立てて楽に暮らしたいと考えているインチキを通り越したペテン師と断定しても良い。議論する価値もないクズである。目にも見えず、実体もなく実害もなく、誰も確認したことのない「霊というもの」は、逆に言えば「そのせいにできる」最もお気軽で、ライトな「原因」として多用されてきたのだ。人間にとっては不可解で手の届かない領域のことは当然あるので、おそらくそれらについて「霊」と名付け、処置としては「祈り」のみで済ませた時代が長かったので、今もその名残りがあるのかも知れない。
アイドルの暴露は醜い??
「恋愛禁止」を、人間が守るべき普遍的なルールだとでも思い込んで抜けられなくなった熱烈過剰なファンにとって、後年の「あの時は恋人いました」はどれくらいの衝撃を持って神経に響くものなのだろう。「恋人がいました」「男女の仲でした」などは普通に考えれば当たり前の話なのだが、虚構を信じ抜くことでいつの間にかそれが「真実」となり、自分が正義の側に立っているとさえ勘違いしてしまうというのは言ってみれば「金払いを良くさせるための呪い」である。「ガチ恋」などという自嘲に自虐を混ぜ込んだようなネーミングで俯瞰できている風を装っているが、その実態は商売でやっている「愛想」を自分への恋愛感情だと思ってしまう、ただのチョロい客なのである。単にそれだけの話なのだが、その純粋さを嘲笑うかのような、オバハンになってしまったアイドルたちの暴露話は、やはり極めて醜い。