甲子園 of none
少し検索すると、記録している人がいた。1994年、Jリーグのプレシーズンマッチが甲子園球場で行われた。ガンバ大阪vsヴェルディ川崎。これを私は観に行った記憶がある。Jリーグが開幕したのが1993年。開幕前には東京ドームでプレシーズンマッチが行われていたらしい。初年度を優勝で飾ったヴェルディ川崎の各選手をはじめ、サッカーブームの勢いはすごかった。それは、野球場に芝を敷いてサッカー観戦に数万人が集まる、というほどの熱狂ぶりだったのだ。しかし、やはり甲子園球場は「それ用」ではないため、観戦はしにくく、かなり遠くの選手を目を凝らして見ていたようなぼんやりとした映像が脳裏に蘇る。あの熱狂を覚えている世代のえらい人たちは、他の競技でもそのブームを再現しようと努力しているようだが、なかなか難しそうだ。藤井聡太竜王がいくら強くても、「甲子園で対局」は実現しそうにない。
ノート of none
丁寧で几帳面に整理して書くことは素晴らしい。秀才ゆえにそれを過度に発動してしまった人に会ったことがある。湧き出るアイデアの集積・宝庫であるべきノートブックを、きれいに清書している人だ。それは「ネタ帳」と呼ばれる範疇のものだったが、彼は1ページの1行目から、思いついたことを順に、無駄なく書いていこうとするタイプだった。走り書きや殴り書きを一切しない。欄外にも文字はない。「あ、間違った」と消しゴムで消しながら、いきなり清書としてきれいな字で記録していくのである。そのやり方では、どう考えていたか・なぜそうなったかの経路も別のアイデアも他人からの助言も、一切残らない。ただきれいな、理路整然とたどり着いたかのように見える結果だけが残る。あとで閲覧するには便利だろう。他人にとっては、そこに順序よく書いてあることだけがすべてだ。「まるで人に見せる用だ」と思ったが、脳内の整理具合は人それぞれなので、咎めたりしたことはない。
プライド of none
巷間、「プライドが高い人」というのはただ自尊心だけが異様に高く、傷つけられるのを異常に嫌がる人のことを言う。ナルシシスティックな態度、それは多分に誰かの猿真似だったりするのだけれど、それをして「プライド」などと呼んでいる。その「プライドの高さ」は、たいてい目上や格上の相手に対しては発動しない。「プライドの高さ」が通用する相手にだけ、その自尊心を満たすべく強要される。馬鹿にされることを極度に嫌う「プライドの高い人」というのは、単に視野が狭いだけなのだ。客観性を欠いており、「プライドが高い人」と呼ばれてしまうことの弊害そのものについては理解が追いついていない。こういう「プライドが高い人」は、単に「心が狭く、無知なだけ」なのだ。馬鹿にして良い。もう一度書くが、「プライドが高い人」の様子は常に誰かの猿真似で、オリジナリティのかけらもない。
変態ニュース of none
変態性露出狂のニュースがたまに報じられる。目の当たりにしてしまった被害者と警察以外には知る由もない全貌や、その氏名が公表される。社会的な意義などほとんどない、確かに怖いが「困ったやつがいるもんだ…」以外の感想も特に湧いてこないニュースだ。おそらく、報道各社はおもしろがってやっている。性癖の果てに自分に亀甲縛りを施して屋外に出たのだろうから、その快感回路は通常とは違う。なのでもしかすると本人にとっては「全国ニュースで報道されたこと」はその快感の回路をショートさせるほどの強烈な威力を持っているかも知れない。変態性だけに、「逮捕」や「拘留」や「送検」や「裁判」までもが、快感回路に組み込まれている可能性すらある。社会的な害悪としては速やかに逮捕をして欲しいが、いわばテロリストの主張を垂れ流しているのと同じ状況になっていやしないかと、心配になってくる。おそらくなってる。
石炭と石油 of none
電気を作るのに、石炭と石油を使う。日本にとってこれらの原料は9割以上、ほぼすべてが輸入だ。この輸入が止まると電気が止まる。原子力発電に異常者たちが異常に反対して、政府が決断できないものだから現在、原子力による発電が止まって電気代が高騰している。そのぶん石炭・石油の発電の割合が増える。当然、CO2の排出量も増えるのだから「地球環境を守れ」と叫んでいる人たちの主張とは矛盾する。原発を止めながら・経済発展を遂げながら・CO2を減らすことはかなり難しい。無理である。石炭・石油で発電をすることのリスクは、原発をさらに研究・開発せずに放置することよりも高い。戦争やその他の要因で海外からの原料輸入ができなくなればアウトだし、太陽光パネルや風車をいくら設置しても、日本の電気はまかなえない。もちろん、どんな方法であってもリスクはある。世界的に見ても、原発の事故で死んだ人よりも、その他の発電方法にまつわる事故で死んだ人の方が圧倒的に多い。原子力発電に異常に反対する異常者たちには、それがまったく見えないらしい。