山口達也氏、そしてTOKIOの会見を見たり、全文文字起こしを読んだりして「ああ、そうなのか」とか「ああ、そういう感じなのか」とか、複数の感想を持ちました。
その感想が倫理的に、社会的に正しいラインとどれくらい乖離してるのかはわかりませんが、いくつか思ったことを書いておきたいと思います。もちろん勝手な私の意見なので「お前それ腹くくって言ってる?」とか「どう考えても違うでしょアホなの」とか言われたら「すいません」というしかないんですけれども。
まず、TOKIOのメンバー4人の会見について。
見て最初に素直に「おや?あれ?」って思いませんでした?いや、やり方は様々でしょうし、自由だと思います。どうせ芸能レポーター陣が聞きたいのはメンバーそれぞれの思いや気持ち、ですからね。でも、ですよ。TOKIOって「株式会社TOKIO」で、創業者5人でやってるんでしたっけ。すでに独立して、自分らの事務所で活動してたんでしたっけ。あの「メンバーしかいない」様子に、私はものすごい違和感あったんですよね。会社としての処分とか、意向とか、今後の対策とか現場でのいきさつとか、そういうのを言わないといけないのは事務所の人なんじゃないですかね。「大人だから」で済ませられることじゃないような気がして。いえ、コメントは事務所も社長も後にも出したりして、やることはやってるので「大問題である」と言ってるんじゃないですよ。
ただ、TOKIOの4人だけにそれをあの場で背負わされることは、問題を小さく見せるには確かに最短距離だわな…と感じたんです。あそこで、微に入り細に至ることを事務方が責められたりしたら、他の、同事務所のタレントにも問題が及ぶ可能性がある。「会社はああ言ってたが、貴方はどうか」みたいな広がりが、出る恐れがある。TOKIOだけなら「当事者の言葉」にもっとも近いというか「感傷にすり替える事すら可能」ですからね。それを考えると、どっちにしてもグループは矢面に立つことからは逃げられないわけだし、自宅や仕事の現場へいつまでも押しかけられるよりは、メンバーだけの記者会見の方が「早く」乗り切るには良かったのでしょう。どうでしょう。
で、実際は詳しく追いかけてない(ワイドショーとかちゃんと見てない)のでわからないんですが、被害者たる高校生の女の子がそれなりに叩かれてる?っていうことがあるんですってね。確かに、「行くなよ」とか「行ったからにはわかってたんだろう」とか、そういう意見が出てくることは理解できます。確かに、行かなければ被害そのものもなかっただろうし、行ったからには…と求めに応じていれば被害とは呼ばなかったのかも知れない。でも、そんなのは違うんですよ。100%、犯人が悪い。相手がどんな気持ちであろうが、法律を犯してまでそんなことをやってるという時点で、ほかの要素は一切関係ないんですよ。女子高生の非を言い立ててる連中はどうかしてます。デヴィ夫人とかは「たかがキスくらいで」とか言ってるらしい。頭おかしいのかババア。たとえどんな女子であろうが奥底にどんな思惑があったとしても、そんなものは関係ない。被害は、その被害のみで被害です。実はそうではない!なんて1秒以内に思うなら、それはドラマの見過ぎです。
で、ややこしいのは「アルコール依存症だ」っていうポイントのようなんですよね。あんなことをしでかしてしまった…という、涙ながらの会見。
「酔った事件の会見がシラフ」問題
いや、その会見がシラフである限り、少なくとも「絶対にこれから先、死ぬまで酒は飲みません。飲んでるとこ見つけたらライフルで狙撃して殺してください。」くらいのことを言わない限り、そんな会見、信用できます???
「お酒のせいでやらかしてしまった」とシラフで言ってるヤツのことって、みんな信用するんですか?おかしくないですか。だってそのあと、夜、泥酔しながら「なんで俺が会見なんかやらなくちゃならねえんだよぉぉぉおお〜(全裸で)!!!」とか、言うかも知れないじゃないですか。だって「酒飲んだらやらかしちゃう」んですから。違います???
その点、「依存症」の怖さは犯罪に結びつくということで、それはそれで社会的にも対処すべきことはたくさんあるんでしょう。
だけど、だけどです。
これ、そもそも「アルコールって怖いね」っていう話ではない、ですよね???そこ、曖昧にわざとしようとしている傾向があるような気すらします。
そして、もう一つ、混ざっててややこしい問題が「TOKIOと福島」の関係。
TOKIOは「鉄腕DASH!」などを通じて、福島を応援してきたというのは事実です。
しかし、山口達也がわいせつで捕まった、その途端に「#今度は福島がTOKIOを応援する番だ」というハッシュタグが出来たりして。
おそらく山口達也氏はもうTOKIOには戻れないので、確かに「山口のせいでTOKIOがダメになる」ことを避けたいというのはわかります。純粋に「ジャニーズのTOKIO」のファンも、全国に大勢いるわけだし。今まで応援してもらってきたし、福島県民は今度はTOKIOを!っていうことですよね。
正直、私がその一連の流れを見て湧き出てきたのは単純に「被災地を応援したいという気持ちや活動と、酒乱&淫行は両立しうるんだな…」という感想でした。
まさか未成年へのわいせつな行ないで、多くの人の想いを自分の人生ごとぶっ潰すなんて想像もしてなかったんでしょう、それは単なる「思い上がり」なのかも知れませんよ。どんなにプレッシャーのある仕事でも、ストレスを抱えてても、いくら大変でも、男性のほとんどの人がそんなこと、しませんからね。「仕事の大変さ」とか「芸能界の特殊さ」とかは、絶対に理由にはなりません。
だから逆に言えば、これで社会復帰した後も、例えば「福島の食を応援する!」はぜんぜん可能だってことですよ。
というか山口さんにはもう、それしか道はない。普通はそんな、罪滅ぼしのサインになるような明確な土地は存在しませんから、それはラッキーだとすら言えるでしょう。福島に移住とかして、それは罪滅ぼしっていうわけでなくても、一生をかけて福島を応援する、自らがそのイコンになる気でやる、っていうことは可能ですよね。そこへTOKIOのメンバーの陰からの助力があったりして…。
罪としては、未成年の少女を(精神的に、あるいは肉体的に)傷つけたっていうのは、本当はかなり重い。本当はね。起訴猶予になったそうですが、彼は「依存症患者」であると同時に「性犯罪者」でもあるわけですから、そこはもう昔のゆるかった時代とは違い、社会はかんたんに許してくれないでしょう。ファンの年齢層が上がったからと言って、NHKホールあたりで「おかえり公演」がそう簡単にできるとは思えない。だってそのファンの子供くらいの年齢の女子を…っていうことですからね。専門機関での治療と、性的な認知の歪みを正すプロセスを経ていただきたい。
おそらく今回の件は、「アルコール依存症」がベースにあって、その行き過ぎで性的な犯罪を犯すに至った…みたいな感じの解釈と認識が世間にあるように私は思うんですが、どうなんですかね。
どっちが先?っていうか。
性的嗜好や情欲の巨大さがあるがゆえに、アルコールがその補助剤になる、んじゃないんですか。それともやっぱりアルコールのパワーがすごくて、性的な衝動が歪みつつ極大化していくものなんですか。
それって本人にしかわからないことかも知れないけど、この順序ってすごい大事じゃないですか。だってアルコール依存症を脱したって、エロティック・エナジーがみなぎりすぎてる人なんかいくらでもいるような気がするじゃないですか。逆に、例えばセクシャル・ヴォルテージの源であるキン・タマを両方引きちぎったって、酒に溺れる人はいつまでも溺死し続けるでしょう?
そこんとこが、よくわからない。