男性の薄毛は、AGA(AndroGenetic Alopecia)と呼ばれ、どんどん有名になってきてます。
その原因も、ほぼ確定しているみたいです。
簡単に言うと、「男性ホルモンのせい」。
男性だから男性ホルモンが豊富。
女性にもあるけど、当然、男性の方が多い。
男性ホルモンが、毛乳頭細胞にやって来る。
そこで「5α-リダクターゼ」という酵素と一緒になり、活性化する。
その上で「男性ホルモン受容体」と結合し「ジヒドロテストステロン」となる。
すると、なぜかこの合体した男性ホルモンが、毛乳頭細胞に「生えるの、やめんかい」という命令を出すようになる。
この命令を受けて毛乳頭細胞は、毛母細胞に向かって「分裂を止めんかい」という命令をさらに出すんです。
毛母細胞の細胞分裂によって髪の毛は生み出されているので、分裂が止まると毛も止まる。
けっこう複雑な段階を踏んで、髪の毛が成長するサイクルを、正常ではなくしてしまうんですね。
問題は男性ホルモン、というか「男性ホルモン受容体」の方。
後頭部にはこれがないがゆえに、薄毛にはならないんだそうです。
なんなんだろう。
これは宇宙の神秘にも似てますね。
「宇宙はこうなっている」「なんで?」「知らん」。
原因はわかっても、その理由はもはや神の領域。
髪の領域が狭まっていくのを食い止めるには、「ミノキシジル」と「フィナステリド」が、効果が認められている成分です。
ミノキシジルは『リアップ』に入ってます。
フィナステリドは『プロペシア』という薬に配合されています(こちらは処方箋が必要)。
「デュタステリド」というのも出てきてるそうです。
薄毛の原因は?
上に書いたのは「薄毛の原因」というよりも「薄毛の仕組み」ですね。
これこれこういう仕組みで、薄毛は進行します。
だけど、「で?」って話ですよね。
知っておいて損はないけれど、だからってどうすればいいんだ!と。
なぜ、男は薄毛になるんでしょう。
ストレスや生活習慣に気をつけましょう!
なんて言われてますよね。そう思ってます。
アブラの多い食事は…とかね。
美容院でも、そう言われたりします。
そんなの全部ウソなんだそうです。
薄毛の原因は、遺伝です。
男性型脱毛症(AGA)の原因は、遺伝です。
頭皮マッサージをしようが、食生活を改善しようが、ワカメを大量に食べようが、関係ないです。
そんなことで改善はしません。
つまりこれを言ってるいわゆる「プロ」は、情報が遅れてるんでしょう。
そりゃそうですよね、国家資格だとは言え、更新試験もなく何十年も開業できるんですから、わざわざ顧客に「今までのは全部間違いでした〜」とは、言いにくいんでしょう。
医者なら、言う義務もあるでしょうけれど。
まぁごまかしつつ「プロですから」みたいな顔してればシロートは騙せますものね。
と、言うか知らないんだから騙すもナニもないか。
「このシャンプーが素晴らしいんです!」とか、死ぬまで言い続けるんでしょうね。
薄毛の原因は遺伝、それ以外は科学的根拠のない、まぁ「信じたければ信じればいいという程度の、いわばおまじない」です。
現在、AGAを引き起こすことに関連しているであろう遺伝子が十数種類、発見されているそうで、これらの複合的な動きで決まって来るんですって。
…ということは…上に書いた「ミノキシジル」や「「フィナステリド」は、その進行をある程度食い止めることはできても、最初からの予防はできない、ってことですね。
根本的な解決は不可能、ってこと。
遅らせる、しかないのか…。
ちなみに「ストレスが髪を薄くする」なんていうのにも、一切の科学的根拠はない。
つまり、高いシャンプーとか育毛サロンとか、意味ないんですね。
いえ、もちろん「おまじない」くらいの程度はあるし、心の平穏のためには、あった方がいいと思います。
「騙す・騙される」ではなくて。
おまじないって大事ですから。自己暗示。
女性の薄毛は謎だらけ
男性ホルモンが悪さをして毛の成長サイクルを止めてしまう、というのはわかりました。
ハゲは男性ゆえの悩み…と言われてきましたが、「女性の薄毛」に悩んでいる方も、たくさんおられるんですね。
女性である以上、男性ホルモンが活発になって…ということはあまり考えにくいんですが、女性の薄毛の場合、男性によく見られるような「額が広くなっていくタイプ」とかあんまりいませんよね。
研究は進んでいるそうですが、「女性の薄毛に、男性ホルモンは関わっていないのではないか」とも言われ始めているようです。
いまだ謎。
単なる私見ですが「フツーに栄養失調」だと思いますよ。
女性は過度なダイエットでなくても、なぜか野菜をヘルシーだと思い込んでるフシがとても強いですから。
髪の毛はタンパク質で作られてるわけで、材料であるタンパク質を摂取せずに栄養のない野菜ばっかり食べてて、髪の毛まで行き渡るわけがないですよね。
男性ホルモンの活性もないくせに「薄毛なんです…」なんて悩んでる女性には「しばらく肉ばっかり食ってろ」と優しい言い方で言いたい。
関係ないけど、「宿便」なんていうのもウソですからね。
いつまでもそんなこと言ってたら笑われますよ。
有名人の中には「いやぁ、見事である!」と扇子を掲げて感嘆せざるを得ないほどの毛髪的復活(および維持)を遂げている方がいらっしゃいますね。私もプロなので、見ればわかるようになりました。
某県知事のごとく安易に「かぶれば良い」という発想ではないその処置&メンテナンスはかなり高価だと思いますが、ビジュアルイメージが大切な職業ゆえの「経費」なのでしょうか。
「衣装代」の費目で…いや、どうなんでしょう。
自毛植毛がすごい
「ジモーショクモー」って読むんだと思います。
「自家発電」は「ジカハツデン」ですけど、「ジゲショクゲ」ではないみたい。
今は、技術が進んでるんですね。
後頭部を、皮膚ごと持って来るんだそうです。
「毛包」ごと皮膚片を移植されます。
「毛包」とは、髪の毛が生えてくる穴そのもののこと。
細胞も酵素も、「場所ごと」持ってくるんですね。すごい。
これで、髪の毛の総数は増えませんが、見た目はずいぶん変えられます。
薄毛を気にする人にとって最大のポイントは「前頭部」と「頭頂部」ですから、とりあえずここを絶対に改善したいとなると、この方法の存在は大きい。
なにせ上にも書いたように、後頭部には「男性ホルモン受容体」がないので、そもそも薄毛は進行しないんです。
だから「自毛植毛」をすれば、そこに定着しますからそれ以上、その場所で薄毛が進行することはない、ということですね。
完全に過去の悩みになる可能性が!
今、研究は進んでいて、「体外で毛包を作ってしまおう」という方向に進んでいるそうです。
「毛包」は、髪の毛を作る場所そのもの。新たにこの場所を作り出すことができたら、薄毛治療は画期的な領域に突入することになるでしょう。
この臨床研究が2019年に予定されているそうです。
その先には、実用開発も進むと。
髪の毛なら倫理的にもちょっと緩めに進んでいきそうな気もしますし、自分がするかしないかは別にして、楽しみだなぁと思います。
ついに遺伝を乗り越える時代に。
これらは、ニュートン2017年9月号の「薄毛は科学で克服できるか?毛髪のメカニズムと薄毛の最新研究」に書いてありましたよ。
どちらにしても「薄毛」を「病気である」と認識し直すことで、「治癒する」という方向に進んでいくことは可能なんですね。
まぁ遺伝ならしょーがねえや…と思うのはもっとも簡単な道ですが、「完全な防止はできずとも、いや病気なら進行を遅らせたり、止めたりはできるはず!」という、勇気ある決断が必要になってきますね。
女神は勇気ある者のみに微笑む。
いや、一度試す価値がある、でしょうね。
↓