見たもの、思うこと。

BOØWY 1224 THE ORIGINAL

 

渋谷公会堂って、なくなるんですか。今、工事してますよね。
なんと2018年に、新装オープンするそうです。
新しい渋谷公会堂は地上6階地下2階、になるんですってよ。

新庁舎・新公会堂の計画概要
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kusei/cityhall/plan02a.html

「渋谷公会堂」で検索すると、ウィキペディアの「歴史」の最後に、

会場に入れなかったファンが会場に向けて大暴動を起こし、公会堂のガラスが割られるという事件も発生した。

と、この夜のことが書かれていました。

そう、これです。

1224THE ORIGINAL
ONE-NIGHT PREVIEW 1212

に、行って参りました。

1224 -THE ORIGINAL-について
このたびリリースを発表しました、1224 -THE ORIGINAL-について、多くのお問い合わせをいただいておりますが、一部誤解を招いていることもございましたので、内容について、あらためてご説明させていただきます。

もともと1224をリリースした2001年の時点では、4:3の画格の編集済みビデオマスターしか存在しておりませんでした。(そしてそこには一部欠損がございました)
1987年当時、もともとフィルムで撮影されていたことはわかっておりましたが、そのオリジナルフィルムの存在については、判明しておりませんでした。
ところが近年、そのオリジナルフィルムが発見されました。
このフィルムを調べたところ、欠損もない完全な状態であることがわかりました。
そこで、35周年を期に、オリジナルフィルムから起こしなおした作品を発表しようということになり、LAのスタジオでテレシネという作業を経て、丁寧なレストア作業、そして4Kベースで最高の状態でデジタライズを行いました。
また、前嶋輝氏により、全く新しい編集を行い、その編集データをLAに送って、有名なポストプロダクションであるROUNDABOUT STUDIOの、ハリウッドで活躍する当代一流のカラーリスト、オペレーター達により、まったく新しい作品としてよみがえったのが、今回の「1224 -THE ORIGINAL-」です。

フィルムベースですので、ならではの深い味わいのある映像となりました。
そして今年だけでも「MINORITY REPORT(4K版)」や「GLADIATOR(4K版)」など数多くの名作のレストアやカラーリングを手がけるGREGG GARVINの手によるカラーリングを経て、高画質、高音質、初のHD、初の16:9によるリアルなGIGがここによみがえりました。
完全新編集ですので、これまで見られなかったステージ上のショットも、たくさん見ることができます。

12月12日のZEPP試聴会は、この作品を大画面、大音量で体感できる唯一の機会です。
是非このチャンスにふるってご参加ください。

BOØWY 35th ANNIVERSARY
http://boowy35th.com/

なんと、そうだったんですね。信じましょう。あの「ONLY YOU」の欠落部分が、出てきたと。

 

大画面でコンサートを観る、という意味では最近、こちらにも行きました。

どうやれば氷室京介は卒業できるのか

これ↑は、2016年の東京ドーム最終公演の、いわば映画化。

今回の(ONE-NIGHT PREVIEW 1212)は、30年前のライブ、ですよ。

 

いやぁ、すごかった。
想像以上でした。

はっきり、しっかり色々と見えて、皆さん確認できたんではないでしょうか。でも確かに、2017年現在レベルの高精細・高解像度のカメラではそもそも撮影されてませんから、荒いところ、描写しきれていないところはあって当然ですよね。

特に松井恒松(現在は松井常松)氏のダウンピッキングは、手の動きが追えてない。ほら、溶き卵を箸でシャカシャカやるときに箸先が見えなくなるみたいな、あの感じ。溶き卵で言うなよ…。あのスピード、あの頑なさ。オルタネイトならもっと楽なのに、と今さら思わせるストイックさ。

そして布袋さんの、あの動き。「弾きながら踊ってる」んじゃなくて、「踊りながら弾いてる」んです。完全に踊ってる。なのに突っ立って弾いてるのかしらと思うくらい正確に音が出てる。

まこっちゃんの速さ。なんでそんなに速くするの?というくらいにテンポが早い。オリジナル録音と聴き比べるとライブ盤は、もう2倍くらい速いw
「タブ譜」を買って練習していた当時、「CASE OF BOØWYとLAST GIGSでは、どうしてここまでIMAGE DOWNの速さが違うわけ???」と泣いていたことを思い出します。

それにしてもみんな若い、というだけでなく、あんなに全力で動きまくっていたんですね。その迫力と体力、切迫力にドキドキしてきます。何が彼らを、ここまで動かしてたんだろうか、と。その、ヒリヒリする感じが大画面から伝わってきました。
特に「BLUE VACATION」のギターソロあと〜、そして「IMAGE DOWN」の後半〜、この迫り方、怒涛感がすごかった。このまま何かが爆発するんじゃないかと思うくらいの高揚感。

 

とにかくヒムロックが「全力」なんですよ。

30m先に思いっきりボールを投げる、みたいな感じで、1音1音を歌ってる。ちょっと、大丈夫?って思うくらい。その上、その激しさの中で、ピッチが狂っていない。これって相当に凄まじいことなんですよね、もちろん、イヤモニなんかしてない。そんなものはない。

迫力あるアクションを売りにしたロックバンドのステージだと、いつの間にかチューニングは狂いボーカルは外しまくり、でも楽しかったー!盛り上がったー!みたいな感想で終わることもしばしば、かと思うんですが、なんなんですかこのバンドは。音楽としてきっちりしてて、それはドラムとベースがしっかり支えて、メロディ面とビジュアル面を、二人のフロントマンが要求以上のものを出してくる。オーディエンスのパワーに、完全に勝っている。

同時に、観ながら思いました。
「あれ?ヒムロックって、ドラムを聴きながら歌ってるな!?」と。

これ、30年経ってるの…

バンドブームが日本にはこのあと来て、でもアメリカでは同じ1987年にニルヴァーナがデビューして、グランジがバンドのスタイルの大きな一つになる。お化粧して髪を立てる、というのが特殊なジャンルになって行く。音楽性と共に、ジーパンTシャツの飾らないスタイルが、フツーになって行く。

2017年になって年の暮れ、あの1224を再び観れるなんて、なんて素晴らしいんじゃ。

上映前、ステージでは高橋まことさんを迎えて、ダイノジさんとのトークがありました。

 

そこで明かされた、「解散について話し合われた夜」の話。

まじですか。
今そこ、経営が変わって「スマイルホテル」になってるみたいですね。

何はともあれバー4人だけで集まって「売れたら解散しよう」的なことを決めたんだと。
それをもう、「JUST A HERO」のツアーあたりで言ってたんだからすごい。いやいや、言ってるだけじゃなくて、ほんとにやっちゃうからすごい。そしてそのまま30年、再結成のサの字もないのがすごい。もはや美学。うん、いえいえ、解散してもまた再結成してくれて、東京ドーム公演をやってくれるバンドも、素晴らしいと思いますよ。でもBOØWYは「えー、再結成は…?」とファンやマスコミ含め、400億回くらい言われて来たのに「無いですね」のまま、ボーカルがステージを去ってしまいました。

ああ、どんな感じだったっけな…とそれを懐かしみ、記録映像を観るたびに「すごすぎる。まじかこれ」と思わせてくれるエネルギーを、30年以上持続している。もはや魔法。

あの時発したパワーは、それほどの凄まじさだったんですね。

そりゃ、公会堂のガラスも割れますよww

少し映り込む客席は、さすがクリスマス・イブ、ひと目で「おしゃれして来てるんだな」とわかる女子で埋まっています。そして後方で拳を突き上げる男子。

この「ONE-NIGHT PREVIEW 1212」のチケットは、上映された「発掘/再編集ライブ」のDVDまたはブルーレイとセットになっています。

もちろん、商品は1224に届けられるんですね。心待ちにします。
そしてその映像を観て、さらに豪快にちまちまと、思うことを書いていきたいと思います。

1224以降に以下に、追記していきます。

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↓DVD到着後の追記スペース↓
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2017年12月24日に追記しました。

1224 -THE ORIGINAL- [DVD]

1987年の12月24日に行われたいわゆる「解散宣言ライブ」のDVD。

あの“失われたONLY YOU”の消失部分も丸ごと見つかったとのこともあり、イベントに参加してきたのは上記の通りであります。

セットリストは、以下の通りです。

1. LIAR GIRL
2. ANGEL PASSED CHILDREN
3. BLUE VACATION
4. ハイウェイに乗る前に
5. GIGOLO & GIGOLET
6. PSYCHOPATH
7. CLOUDY HEART
8. MARIONETTE
9. わがままジュリエット
10. LONGER THAN FOREVER
11. 季節が君だけを変える
12. WORKING MAN
13. B・BLUE
14. RENDEZ-VOUS
15. ホンキー・トンキー・クレイジー
16. PLASTIC BOMB
17. BEAT SWEET
18. IMAGE DOWN
19. NO. NEW YORK
20. MEMORY
21. ONLY YOU
22. DREAMIN’

「ONLY YOU」の欠落部分は、歌詞でいえば一番の

寒い夜には抱きし…

くらいから、

     …そのままで
ONLY YOU かざらないで

くらいまでの約40秒間。ここも、完全に映像として(なにせ見つかったのはマスターなので)復旧してました。

 

では、観ましょうよ。

あの、BOØWY作品の数々を見てきた人たちには馴染み深い、東芝EMIのロゴを懐かしく感じますね。
今回の一連の復活作品は、UNIVERSAL MUSICからの発売です。

これも、そうでした。

“GIGS” CASE OF BOØWY -THE ORIGINAL-

曲は、これがアルバム「PSYCHOPATH」を受けてのツアーであるがゆえに「GIGOLO & GIGOLET」やタイトル曲「PSYCHOPATH」など、アルバムからの曲も多いですね。
それにしてもこの時、BOØWYの人気は頂点に達していました。ここが時代的に、把握しずらいところだなといつも思うのですが、現在のように例えばバンドとしても、シーンとしても、人気の「ダンス&ボーカルグループ」がたくさんあって、アイドルグループも超人気な人たちがたくさんいて、という大変な時代では、そこまでなかったはずなんですよね。バブルへ向かう頃、音楽は当然盛り上がってはいたものの、人気の集中が起こるのは主にテレビを通してであって、音楽番組を経ていない形で異常な熱気を帯びてテレビの人気者を追い越していく、という形は、まだ無かった。

…というのも、「こういう形で」、めちゃくちゃに人気を集めたロックバンド(全員わざと革ジャンでステージングしちゃうような)というのは、BOØWYが初めてだったんです。もちろん、かっこいいロックバンドは他にもたくさんいたし、革ジャンでロックンロールで人気、と言えば矢沢永吉が在籍していた「キャロル」がすぐに浮かびます。

 

その違いは。

うん、「こういう形で」という部分ですね。
ロックファン、一部の音楽ファン、新し物好き、不良、ヤンキー、悪いやつ、みたいなだけの人気ではなく、「完全なるポピュラリティの獲得」を果たしたのは、「こういう形で」は、BOØWYが初めてだったのではないでしょうか。その余韻を消化しないまま、「これから頂点の人気を本人らもファンも満喫して行く」ことのないまま、解散してしまったんです。

だからこそ、それがロングテールとして30年続いている、ということなのだと思います。

そして、彼らが本邦初の売れ方であり、その音楽以外のスタイルも新しいものだったので(それはライブ映像や音源などに残るMC部分にすごく強く現れているんですが)、「どうカッコつけたらいいかわからない」という部分があったのだろうな、と推察されるのです。

型がない状態ですから。
BOØWY解散後、バンドブームが猛然と巻き起こり、同じようなスタイルのバンドがたくさん出てきて、まるでコピーのような動きや歌い方のボーカリストがそれこそ「雨後か?おい、雨後なのか!?」と言わざるを得ないほど出てきます。一つの「型」のようにヒムロックのスタイルは踏襲されていくわけですが、もちろんBOØWY活動中にはそのスタイルは誰にも真似できない唯一のものとして確立されかけていたので、歌い方、喋り方、踊り方、立ち居振る舞いすべてにおいて、本人は探り探りなところもあったのでしょうし、だからこそ「切り開いている」という充実感が、あったのかもしれません。

今からBOØWYを観て「なんだこれこのバンド。ダセエな…」と思う人がいるのって、これは当たり前なんです。30年前から、いろんな変遷を経て、今があるから。
逆に言うと、「このスタイルで爆発的に人気を得たバンドがあった」から、これをダセエと言える下地ができたんです。ここを、履き違えてはいけない。

メイクをして、髪を逆立てる。
そういう人らは、BOØWY以前にもいたんでしょう。
でもそれで、チャートで1位になるような人らは、いなかった。
1位になったからこそ、「ダセエ」と感じちゃう人らの目にも触れたんだろうし、このあと出てくる「雨後のフォロワー」の瀰漫(びまん)により、「このスタイルはダサい」という選択肢が生まれたのです。

大胆に言えば、グランジの影響もあり、BOØWYが売れたからこそ、「Tシャツでジーパンのバンド」がでかい顔できるようになったんじゃないですかね。言い方を変えれば、「ジャンルとしてお化粧をする」という、ビジュアル系が確立した。もちろん、他の人気バンドの影響も、小さくはないはずですが。

 

後期はすでに「アイドル化」した人気を得ていたBOØWY。

いわゆる「キャーキャー人気」だったんですね。
それに反してか、このツアーで布袋さんは、最初の方は「全く動かない演奏」をしてたそうです。
「どうせ聴いてないんでしょ?」ってことなんですかね。
でも、何本かを経たあと、戻ったそうですがw

この映像では「こんなに踊ります?踊れるんです?」というくらい活動範囲が広い。
渋谷公会堂のステージが、完全に小さく感じます。

オープニングVTRには「MARIONETTE」のMVに登場した部分が使われてますね。
よく見るとステージの照明が、クリスマスツリーっぽくなっています。

これは個人的偏見ですが、昔って、「一番喧嘩強い奴がボーカルをやる」みたいな風潮があるような気がしてて、1986年の今で言う「フェス」の原型(「ロックンロール・オリンピック」のこと)の映像を観ると、「ああ、主張も喧嘩も、バンド内で一番強そう…」っていう感じの人が、ボーカルやってるように見えるグループばっかりです。エコーズ(辻仁成)もそうだし、ローザ・ルクセンブルグ(どんと)もう。もちろん、ARB(石橋凌)もそうですよね。

そんな中、不良の大将としてフロントにいる、という図式を体現しているヒムロック。その図式を思うとき、私は必ず大きなお祭りなどに登場する山車(だし。だんじり)の上に乗って煽る「大工方(だいくかた)」を思い出します。あれって、「その地域で一番喧嘩が強い奴」がやる伝統があるらしい。

そういうなんとなく勝手に想像するような図式も、「Tシャツでジーパンのバンド」には適用されなくなって、30年くらい経つってことなんですね。バンドは、不良のものではなくなった。

 

始まったぞーう

1. 「LIAR GIRL」を観ながら思うのは、ヒムロックも布袋さんも、「どう撮られてるか」を意識しながら演奏してるな、ということです。もちろん熱量は高く、パフォーマンスは客席に全力でぶつけられているんですが、「自分たちが活きる画(え)」みたいなものが、意識されている気がします。

2. 「ANGEL PASSED CHILDREN」へのスピーディな流れ。これって歌うとなると、かなり難しい曲ですよね。まず早い。やたら早い。コピーバンドがやると、こんなキレはまず出ない。歌がラップみたいになっちゃう。そして突然サビ部分(やたらワイルドな〜)は高音で、ここの音程外したらただのヘタクソになる。息継ぎするヒマがない。単純な感じですけど、これがかっこいいっていうのは、ほんとにすごいことです。

MCがあります。
「今夜は特別な夜だぜ!」
これも「クリスマスイブである」「ツアー最終日である」という意味合いがまだほぼ全ての人には強く、この時点ではヒムロックも“そういう意味”では言ってないように見えます。
でもこの「特別な夜」という言葉が、本当に特別性を帯びることなる。

3. 「BLUE VACATION」は、上の、12月12日のフィルムイベントの際にも書きましたように、特別な圧力を持って後半に怒涛のように押し寄せる演奏になっていました。何回見てもすごい。ギターソロの部分、布袋さんがクリスマスソング(「ジングルベル」)を弾きます。これはメンバーも知らなかった「アドリブだった」という噂。顔は映りませんが、そのフレーズが出始めたころ、後ろを向いているヒムロックは布袋さんの方を見て、「お!?」という反応をしている「ように見えます」。その後、「なくしちゃったのデリケーション〜」からの迫力は、「ジングルべル」で一瞬ほっこりした気分を醒ましてくれるような緊迫感です。

4. 「ハイウェイに乗る前に」も、これってどうやって息継ぎするの?というタイプの曲ですよね。どうやって歌うの?っていう。しかもライブの、この速さ。これを動きながら歌っていて、このピッチの正しさ。改めて「この人、歌上手いっていうレベルじゃない」という畏れを持ちます。
この曲のギターソロでは布袋さんが、ドラムのセットに登って演奏します。そうするとヒムロックは、ベースの松井さんの足元へ滑り込んでパフォーマンスしている。この「二人が(良い意味で)争ってる感じ」が、BOØWYの緊張感、だったんですね。あっ、「ピエロにもなれない」の「い」の音程がはっきり狂ってしまいました!気にならないw!!

ここでMCが。
「めいいっぱいオシャレして集まってくれたジゴロと、それからジゴレットに送りますGIGOLO & GIGOLET!」

5. 「GIGOLO & GIGOLET」
ジゴロとジゴレットって何?
ウィキペディアには

女から金を得て生きている男

と書いてあります。

また、「小学館・仏和大辞典」には

「(年上の女性に養ってもらっている)若いつばめ」または「(見かけ倒しの)優男」

と書いてあります。フランス語なんですね。ジゴレットという言葉があるのかどうかはわかりませんが、「ジゴロの女性版」てことですよね。実際は万国共通で、特に女性蔑視というわけでもなく「男から金を得て生きている女」を、「ジゴロの女版」として名詞化する必要はない、っていう感じなんでしょうか。そんな言葉を「めいいっぱいオシャレして集まってくれた」から贈るって素敵wこの曲も、すごいリズム感ですね。

6. 「PSYCHOPATH」は、今では聴きなれた言葉になりましたね、大人気アニメのタイトルにもなっているし、個人的には同名のアルバムが、ジョン・ライドンの1997年の作品にあります。ジョン・ライドンはSEX PISTOLSのボーカル。BOØWY結成時はパンクムーブメントの残り香が強かった時代。ジョニー・ロットン(ジョン・ライドンのこと)を意識していたとヒムロックも発言していたように、そういう影響力が全世界に及んでいたんでしょう。その彼と、同名のアルバムを、BOØWYがなんと先に出しているという不思議。サイコパスじたいは、反社会性を帯びた精神疾患、というような意味合いで使われてるんだと思います。その辺り、正確には「ソシオパス」に分類されたりするんでしょうけど、ロックとしての内面の憂鬱、そして社会面への反骨という、象徴として採用された言葉なのかもしれない。馴染みが薄めの「Pで始まるけど発音しない単語」も、当時は不思議さを助長していたのだと思われます。

聴いているだけで怒りと不安と、そしてなぜか自信が湧いてくる不思議なアルバムです。

7. 「CLOUDY HEART」のイントロ、布袋さんのアルペジオで始まるんですが、イントロA、G、Fと進みながら、その音が録音されたパッドか何かを足で踏みながら演奏してる!しかもAメロになってもまだ続いている。この曲はもともと「ロックンロール」という曲名だったそうですね。それをレコーディング中のエンジニア、マイケル・ツィマリング氏が「cloudy heartって感じだね」と言ったことがきっかけで、曲名が変更されたんだそうです。最初は、かなり早いテンポの曲だったらしい。のちに2003年に発売されたヒムロックのベストアルバム「Case of HIMURO」でこの曲が新規録音され、なんと最後の部分に歌詞が書き加えられていました。

この時のライブはソロ15周年で行われた、1夜限りのさいたまスーパーアリーナ。

 

8. 「MARIONETTE」の演奏前、「お前らが日本で一番にしてくれた最高のロックンロール贈ります」という発言があります。オリコンで週間・月間で1位。TBS「ザ・ベストテン」でも1位になった。「ラブソング以外の楽曲がチャート1位になった」ということで話題になっていたそうです。そんな人気が暴騰した状態で、どんな曲でも1位になるんだろ?ということで作ったと、本人たちは公言していた。このシングルのB面はなんとスージー・クアトロのカバー「THE WILD ONE」で、さらになんと本人とデュエットしていて、さらにさらになんとそのデュエットはボーカル録音がそれぞれにバラバラだというやりたい放題感がとても好きです。榊原郁恵さんの「夏のお嬢さん」が即座に脳内に鳴り響く人は、とりあえず合格ですw
この曲は最初に聴いた時、歌詞カードを見ながら「どういう意味??」という単語がたくさん出てきて困惑しました。習ってない英単語のオンパレード。「Complain(不満)」?「Complication(複雑化)」?「Occupation(仕事)」?
極め付きは「Bamboozle」ですよね。ば、バンブーズル??なにそれ!!??って思ってました。「人を騙す」みたいな意味だそうです。

9. 「わがままジュリエット」も、先述の「Case of HIMURO」に、新規録音「JULIET」として収録されてました。中学生当時、この曲のMVの意味不明さに困惑した覚えがありますw
「夜のヒットスタジオ」にもこの曲で出演。ヒムロックの初恋の人を呼ぶ、という昔のテレビの企画っぽいものに乗じる軽さが、この時はまだあったんですね。しかも呼ばれた女性が完全に引いてしまっている、という黒歴史感。そのあとによくあんな感じで歌えるな…という、稀代のアーティスティックさを存分に味わえるエピソードです。この曲も、前提として「異様に歌が上手くないと上手く聴こえない」という特徴を持っています。

ここで、メンバー紹介がありました。高橋まこと→松井常松→布袋寅泰→「でまぁ俺が歌を歌ってる氷室京介だ」の順。革ジャンから、モノトーンのヒョウ柄ジャケットに着替えてますね。他のメンバーはそのまま。

10. 「LONGER THAN FOREVER」は、中学で習う英語「なになに、より」という表現「THAN」が出てきて、英語がわかったような気にさせてくれるタイトルでした。「永遠より永く」?「永遠より ながく」というタイトルなら、倉木麻衣の曲にあるのを知ってるぞ…。スパッとこの曲の演奏が終わって…

11. 「季節が君だけを変える」の、印象的なイントロが始まります。このタイトルってほんと違和感ありますね今だに。なんだか英語を直訳してしまったかのような。「季節」が主語。でも「君だけを季節が変える」だと違う意味が加味されてしまう感じがするし、「君だけを変える季節」という体言止めが意味としては自然なような気がしますがこれだとなんだか季節のことを集中して歌ってるのかと思われかねないし。最後のシングルとして、布袋さんがヒムロックに「歌詞を書き換えてくれ」と言ったというくらい、解散に向けての緊張感が閉じ込められているように聴こえる曲です。ラブソングっぽいんだけど、「別れ」や「最後」を感じさせる。ハネたリズムの中に、悲しみを滲ませることに成功している。それはサビで繰り返される、イントロと同じギター。それは自分は変わらない、変わっていけない、間抜けな自分を置いて君は…、という、歌詞がすべてタイトルに降りかかってくるという構造。アウトロの響きの寂しさは、流石に「いや、解散とか、しない、よね…」という不安を、会場に振りまいたんじゃないでしょうか。

12. 「WORKING MAN」は、松井常松の作詞。のちに、布袋さんの2003年の「DOBERMAN TOUR」で披露されました。この時のバンドメンバーに、松井さんがいるのです。異様に盛り上がってましたね。確か大阪のフェスティバルホールで観た。

この曲は、松井さん自身がカバーし、これまた違った魅力の、まさにソリッドな楽曲に仕上げてらっしゃいます。

 

そしてそのアウトロと、

13. 「B・BLUE」のイントロが繋がる。ライターの佐伯明さんはこの部分のことを「運動神経の良さ」と表現されてました。「LAST GIGS」では1曲め、そして氷室京介の「LAST GIGS」では一番ラストの曲として演奏された、「BOØWYの象徴」と私が勝手に感じている曲でもあります。歌詞が飛んでしまったところもありますがw、なんだか余裕を感じる歌唱風景でもあります。それにしても

on the wing with broken heart 破れた翼で
on the wing with broken heart もう一度翔ぶのさ

というのは力強い言葉です。ありがたさを感じる。力を与えてもらえる。

この「B・BLUE」はもともと「TRUE BLUE」というタイトルになる予定だったそうなんですが、同時期に、世界的人気を誇っていた絶頂期のマドンナの最新アルバムと、かぶってしまった。そこで変更されたと。

このMV、マドンナも若いですが「あれ…?合成し忘れてないw??」と思ったんですけど合ってるんですよねたぶんw

 

14. 「RENDEZ-VOUS」は、アルバム「PSYCHOPATH」ではライブ録音としてクレジットされている曲ですね。物語性のある歌詞です。エルフ、を助けてあげたんだけど魔法で良いことが起こったりはしないんだなオイ!!っていう。ちょっとふざけながら演奏する布袋さんを観てヒムロックが笑っている、という微笑ましさを垣間見ることができます。ギターソロで布袋さんは「ダックウォーク」を披露。チャックベリーが発明?したのかこれって。

「Nadine」。↓1:18くらいから。

コップ水をまき散らしながら、なぜかマイクを逆に持っているヒムロック。
演奏的におそらく、少しシビアさの低い、余裕を持てる楽曲なんですかね。

15. 「ホンキー・トンキー・クレイジー」は本当に不思議な曲です。最初の高橋まことのカウントから「ホンキートンキークレイジーアイラービュー!」というフレーズの大合唱のあと、布袋さんのギターフレーズで、テンポが一変するww
最初のカウントなんだったのwwっていう。「LAST GIGS」では「やりすぎじゃない?」っていうくらい速くなってますよね。このサビの「ホンキートンキークレイジーアイラービュー」っていうメロディは、実はDexys Midnight Runnersというバンドの、「Come On Eileen」という曲のサビメロディを逆から取った、という話です。

この曲を含めて、高校生の時、ずっと聴いてましたよDexys Midnight Runners

16. 「PLASTIC BOMB」はプラスチック爆弾。実はこの場合の「PLASTIC 」っていうのは「プラモデル」とかのプラスチック、ではなくて「可塑性」を意味しています。可塑性っていうのは、「形を変えられる」ということ。有名なPLASTIC BOMBである「C-4爆弾」は粘土状。隙間に詰めたり、ものを包んだりできる上に起爆装置がないと暴発しないので安全性が高い。爆弾なのに安全性が高いっていうのもおかしな話ですがね。まさかこの曲に「可塑性」の意味が含有されているようには思えないですが、「可塑性」を知ってから聴くと、いや待てよ…「手遅れになる前に」とか「Do it again」とか、それっぽく聴こえるところもあるぞ…。で「ノクタンビュール」ってなんなんだと。「まるで」が付いていることから、「普通じゃないこと」を表す言葉だとなんとなくわかります。「お前そんなの、まるでノクタンビュールじゃないんだから!」みたいな。実は、「夢遊病者」を指す言葉だそうです。どこで調べてくるんだろう的な単語が散りばめられているのも、BOØWYの歌詞の魅力、ですよね。

17. 「BEAT SWEET」のイントロ、このリフとリズム感はまだ、日本のバンドで超えた曲ないんじゃないかと思うほど印象的ですね。特に10小節終わったくらいでドラムは入ってくるところ?なにそれどーなったの?って感じますよね。実はドラムが入る直前から、リフは1音減っていて、その分スピード感が出たように聴こえる。単純に見えて工夫の嵐。コピーしたくてたまらなくなる。おそらく調べなくても「タブ譜」の累計売り上げはBOØWYがトップでしょう、と思いつきで言ってしまえるのもわかります。

MCで「こんなイカしたクリスマスの晩はねえぜ…渋公選んで、良かったと思います」という発言が。
のちに高橋まことさんが証言されてましたが、今日、解散宣言をすることは決まっている。それをいつ言うんだろう、と。それはヒムロックに一任されているので、わかっていながらどうやったらそこへたどり着けるんだろう、という逡巡も、あったように聴こえてきます。

18. 「IMAGE DOWN」の後半の怒涛もすごかった、と前に書きました。初期からの曲は、なんというか、迷いがない。構成やアレンジは技巧的ではないにせよ、迷いがない。ゆえに特有の勢いがある。シンプルであるがゆえに、根拠のないエネルギーがある。だってこんな勢いのある曲の名前が「イメージダウン」ですよw?そしてとにかく速いwこの間奏部分の煽りのところ、ベースの刻みの速さは、尋常ではない。
「お前らこのやろう覚悟して聴けよ!」と布袋さんをイジるヒムロック。外して対応する布袋さん。ウケるヒムロック。お互い目は見ない。この二人が並んでいるというのは今考えるととても不思議にすら見える光景です。良かった、再結成なんかしなくて。今から新しく法隆寺を今の技術で建て直しても、それは法隆寺はないんですよ。なんだこの適切じゃないたとえは。とにかく「IMAGE DOWN」は理屈じゃない。理屈ではない音楽のパワーを存分に浴びれる、それが「IMAGE DOWN」。

19. 「NO. NEW YORK」は本編の最後。「LAST GIGS」でも2回披露されたくらい、BOØWYにとっての代表的な、しかもライブっぽい曲ですよね。BOØWYの特徴として、「男っぽいだけじゃない」「エレガンスさ」と「ゴシック感」、「格好良さと可憐さ」みたいな、男性性と女性性、その両極を混ぜ合わせたような魅力が挙げられると思うんですが、「NO. NEW YORK」はそういうイメージの先端にある曲です。シンプルだけど、そんなに簡単にマネのできない難しさがある。それはまさに「華」の問題のような気がする。何百メートル走ってきたんだ、というような体力の消耗具合で進んできたライブは、ここでいったん終了。

 

いやぁ、まだ解散宣言、しないんですよ。いつ言うんだ。

この時、渋谷公会堂の、今はもう無い噴水広場が映し出されます。解散するのか?と言う噂はすでにファンにも聴こえていて、信じる、または信じたくない、でも会場には入れなかった人らで、広場は埋まり始めていた。会場へ入るガラスに、大勢の人が張り付いている。

20. 「MEMORY」アンコール1曲めがこれ。いや、アルバム「PSYCHOPATH」収録の楽曲とは言え、なにもここにこの曲を入れなくても…そう考えると、歌詞の内容から考えても「あれ?これ、解散マジじゃねえか??」という確信が、会場のファンには湧いてきたのだと思います。しかも歌ってるヒムロックの様子が、どうもおかしい。声に、想いがこもりすぎている。姿に、万感こみ上げる様子が出過ぎている。やばい、これはやばいぞ…と、みんなが思い始めても仕方がない様子になっている。布袋さんのギターは、ホワイト仕様のものに変わっています。「MEMORY」を含めても、残り3曲。いつ言うんだ!?言えるのか?俺が言うのか?どうやって?ここで!?みたいな、ヒムロックの葛藤が感じられるような、歌詞の言葉じたいに思いを引きずられすぎないように、自制と感慨を複雑に交錯させながらギターソロを見つめるその視線が客席に戻った時、もう、会場を見ていません。

21. 「ONLY YOU」は40秒間が失われたと思われていました。その40秒がどんな様子だったかは、今回は初出し、ということになります。これは新たな編集を行われる過程で、もちろんクリアな映像で処理されているからこそわかったことだそうですが、この「ONLY YOU」を演奏しながら、布袋さんが泣いているんです目に、涙を溜めている。コーラスも震えている。それをごまかすように、ドラムセットの方へ登る布袋さん。その様子を感知してか、振り返ったヒムロックが布袋さんに微笑みかけています。おそらく布袋さんの様子を見て、再度ヒムロックは奮い立ったのではないでしょうか。改めて、自分の役割を確認した、というか。確かにソロの間も、布袋さんの様子はおかしい。さっき「RENDEZ-VOUS」の時、あなたあんな感じだったじゃない…wと思うくらい。

 

さあ、ここで再度演奏は終了。

メンバーは楽屋へ。まだ解散について言及しないヒムロック。カメラは、楽屋へ向かうメンバーを追います。廊下。けっこう遠いなw
松井さんが壁を指で撫でながら進む。奥の広い部屋へ到達し、赤い絨毯に置かれたパイプ椅子に座る。すぐにタバコに火をつける布袋さん。1本もらう高橋まことさん。鏡に向かって顔を見てる松井さん。その間に座って、タオルを肩にかけ、ただ呆然と虚空を見つめるかのようなヒムロック。メンバーが演奏などについて、会話をしているようには見えません。そんな空気ではない。アンコールの声を送る客席が映ると、泣いている人もいる。あっ、楽屋で、ヒムロックと布袋さんが、何やら一言だけ言葉を交わし、お互いに笑い合う、という瞬間がありました。これって「今から言うんだよ俺…」「頑張ってね」みたいな感じだったんでしょうか。メンバーとだけ見せ合う、短いながら貴重なシーン。「そろそろ」とスタッフから声がかかり、タバコをくわえながら了承する布袋さん。直後、先に楽屋をひとり出て行くヒムロック。楽屋を出るともう、あの笑顔はありません。決意と哀惜と覚悟が、悲壮感を持って同居しています。

アンコールの声が大きくなる中、三たびステージに現れる4人。

 

いよいよ。

もう、涙ぐんでるヒムロック。
ステージに放り込まれた花束をわざわざ拾う布袋さん。それをヒムロックに手渡す。笑顔で受け取るヒムロック。

「6年間」と言い出した瞬間、客席には悲鳴。メンバーの名を挙げ、「4人が…」と言いながら下手(しもて)へ顔を向けた時、布袋さんがそれに反応して、そっぽを向きます。声のトーンが涙まじりになっている状態に気づいている布袋さんは、「ヒムロックの顔を見たら自分もいよいよやばい」ことを瞬時に悟ったんでしょう。なにせ、上にも書いた通り、「一番喧嘩の強い人がボーカルをやってる」んです。一番強い人が。その人が、泣きそうになっている。まさに異常事態。想像をやっぱり軽々超えてきた、初の異常事態。顔を見ないように布袋さんは、向こうを向いてしまいました。その動きを見て、さらにヒムロックは布袋さんの感情を悟り、胸を詰まらせてしまいました。カメラは、向こうを向いてしまった布袋さんの表情を捉えています。腕を組み、下方を見ながらも、まばたきの多さで、涙がたまらないようにしているかのような動作です。ここで、例えば腕を目元に当ててしまったら、「泣いている」ことがハッキリわかってしまいますから、あくまでドライに進めたい基本方針は守りたいところでしょうし、ここは絶対に「泣いてしまいました」という雰囲気にはしたくない、という布袋さんの、強い美学を感じます。

それでも、結果的に、長い無言の時間を作ってしまいました。それにより、客席は「マジなやつだこれ」という、悲壮感が超・増幅します。あのメンバーが、声をつまらせている。下方を見つめる松井さん。彼はまさか何か発言をここで振られることはないとは確信しているであろうものの、冷静で沈着な風情を保っています。シンバルのアームを握りながら、静かに待つ高橋まことさん。サングラスは今さらながらずるい。

少し落ち着いて、涙をこらえながらも話し始めるヒムロック。
客席からは絶叫。引きの画角になりました。
この時、正面を向き直っていた布袋さんが、一瞬、目元に手をやります。ゴミを取るかのような仕草にも見えますが、楽器の三人は完全にうつむいてる、異様な4ショット。

涙を流しながら、「これから、一人一人が、一人一人のために。今まで4人でしかできなかった音楽をやってきたように、一人一人、これから、やっていこうと思います。」とはっきり宣言しました。

 

改めて映像を見ながら聴きましたが、これよりハッキリした解散宣言って、無いんじゃないですかね。

「これからは一人一人別々にやっていく」ことを言うのが解散宣言、これはそうなんですが、この宣言にはこれプラス、「これから、どのようにやっていくのか」という、一歩踏み込んだ具体性が含まれています。

つまり、「今まで4人でしかできなかった音楽をやってきたようにやっていく」、ということですね。これって、流れで同じようなフレーズを繰り返している感じで聞き流されてしまうかもしれませんが、かなり重要なことです。

「ただ解散して、別々でやっていく」だけではない、というハッキリした宣言ですから。
BOØWYは「この4人でしかできないやり方」で登り詰めてきたわけでしょう。彼らの音楽は「こんな感じ、日本にはなかった」と専門家に言わしめるほどの人気を得た。実力も認められた。その「オリジナリティ溢れる、唯一のスタイル」が、「この4人でしかできないやり方」だったわけです。

解散はするけれど、この「◯◯しかできないやり方」は、完全に引き継いでいくし、それが解散する意味だよ、という、恐ろしく論理的で、凄まじく透徹した言葉だし、おそらくここが、ヒムロックが考え抜いてきた、最重要なセンテンスだったんだと思います。逆に、これを言えれば、解散に向けての全てを言えたことになる。

その証拠に、その直後には曲フリに入ります。
曰く「フォークのバンドじゃねえんだからジメッとすんのは似合わねえと思うから!最後に!ビシッと送るぜ!DREAMIN’!!!」。

 

22. 「DREAMIN’」の叫びは未来への咆哮。決意へのオトシマエ。涙で、振り絞るような声で歌う姿を見て、号泣しながらも拳を振り上げる客席。すごい場所に居合わせたものですね。2017年12月12日のフィルムコンサート会場には、この渋谷公会堂のライブ会場にいた、という人が10人くらいいらっしゃいました。その方々となら喫茶店で、14時間くらい喋れそうですw
足を開いて、最後までどっしりと低音を支える松井常松氏。アウトロに入る頃、苦しそうな表情すら見せるヒムロック。これで終わりか…なんとも言えない緊張感の中、メンバーの名前を改めて挙げ、「We are BOØWY!」と叫んで、演奏は終わりました。

楽器を降ろし、ピックさえ投げずに帰っていく(マイクスタンドにくっつけた)布袋さん。

 

この次の日、新聞には解散の広告が出ます。

新しい編集で、新しいライブを観るように楽しめた「1224 THE ORIGINAL」。
あの日の迫力を「昔日の哀愁」と片付けるのはまだ、難しいほどのみずみずしさがありました。

ちなみに、オープニングから着ていた革ジャンは、のちにヒムロックの「SHAKE THE FAKEツアー」でも登場するんですよね。
クロムハーツの革ジャンを衣装として着用していたんですが、なんだかアンコールの時にアクセサリーか何かが引っかかって脱げなくなったので、ハサミでジョキジョキ切っちゃったんだそうです。クロムハーツの革ライダースを、ですよw?

タイプは昔の型だと思うんですが、ヤフオクでは売ってました。
誰か私に買ってください。

即決クロムハーツ☆フィリグリークロス装飾JJ DEANライダースS
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/g167922301

 

で、ザクザクに切ったライダースを、クロムハーツへ修理に送ったと。するとクロムハーツ創始者のリチャード・スターク氏が「俺の革ジャンをこんな風にするなんてイカすじゃねえか。どんなやつなんだ!?」と英語で言って、それがきっかけで交友が始まった、んだそうです。それが1994年。1998年には「氷室京介とクロムハーツ」のコラボグッズが作られて、それがツアーグッズになるという驚異の発展を遂げることになります。破れたクロムハーツの代わりに、この「1224 」のジャンパーが、ピンチヒッターとして登場した、んですね。ちゃんと保管してあるっていうのも素晴らしいなぁ、と感じたことを思い出しました。

というわけで、そんなつもりじゃなかったんですがw「BOØWY 1224 THE ORIGINAL」について書かせていただきました。ここまで読んでるあなたはもはや変態。BOØWYのメンバーも50代〜60代にさしかかろうとする現今、もはや自分からすれば「いつまでビートルズのこと熱く語ってるわけ?」とおっさんたちに思ってたあの感じが、あれっ、そのおっさん側になってる!?的に実感できるようになってきているような気がだんだん、してきました…。

今回「オリジナル」と題して発売されたライブ。でもまぁ「4Kスキャニングしデジタル映像データ化」するという作業を経ていないライブ映像は、まだまだあるわけで…高崎市文化会館で撮影された「BOØWY VIDEO」もそういう感じで観たい気も…するし…これはひょっとして、もはや「源氏物語」化した、再販に次ぐ再販を歴史として延々と楽しむという壮大な「音楽saga」の一部に加担している、という自覚を持った方がいいんじゃないか…?いつか著作権が全て切れてフリー化して、ゲーム化されたり神格化されたり概念化されたり、「三国志」扱いされていく可能性すらあったりして。
新しい映像技術が生まれるたびに俎上に登り、再生技術の向上とともに常にたずねて新しきを知る…という。

例えば10代の人が見ても素直に「うわぁかっこいいなにこれ」って思える部分は普遍的にあるし、楽曲としても新しさはオリジナルアルバムを含めて、今だに輝きを失っていないので、いつまでもファンとしての自信もなくならない。不朽のバンドサウンド。

長々とお読みいただき、ありがとうございました。

 

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