仏北部の原子力発電所で爆発、汚染のリスクはなし
http://www.afpbb.com/articles/-/3117268?cx_part=txt_topstory
これに対する、Yahoo!コメントが実に冴えておりますので見てきてください。
↓
仏北部の原子力発電所で爆発、汚染のリスクはなし(リンク切れ)
http://headlines.yahoo.co.jp/cm/main?d=20170209-00000037-jij_afp-int
いきなり「どこの原発もウソばっかやな」とか。
Yahoo!ニュースにコメントつけるのはバカっぽい人ばっかりなので、いやそんなことはないでしょうけども、あまり責任感の漂う、冷静で理知的なコメントは見受けられないのが通常のようなのでまぁこんなものなんでしょう。
日本の福島原発の事故以来、「政府発表=嘘だらけ」という決定的なイメージを持ってしまった人がたくさんいる、ということが可視化されていると言えなくもない。
それにしても「どういう風にリスクがないのか詳しく知りたい」ではなく「ウソばっか」と感情的に反応してしまうのは、ある程度しょうがないんでしょうか。
「これは信じるがあれは信じない」は、なにに基づいて決めてるんでしょう。
中には
日本なんて、原発のお陰で電気料金上がってるし。
というコメントもあったりします。
今後、原発が全て止まり続けると化石燃料の輸入で発電することになりますよね。
火力発電で。そのせいで電気料金が上がる、ということを「原発のせい」と言うのなら、「原子力発電が発明されたこと自体が悪」と言っていることになり、正しいですけどそれを言い出すと「原発のせいで」が結構敷衍(ふえん)できたりしませんかね。
コントロールできない部分はリスクとして研究・開発をもっと進めて、そのリスクを限りなく小さくしていくという選択が最も電気料金が安くなっていく未来だと思ったりもするんですが、どうやらそう考える人は少ないんでしょうか。
原発は、作るのに異様に金がかかって、発電自体にはあまり金がかからないそうです。
火力発電所は逆なんですね。
しかも燃料は外国から永遠に買い続けるしかない。
その石油を持って来るのにかかるリスクというと「値段交渉」「タンカーを作る」「タンカーを軍事的に守る」「油田を軍事的に守る」から始まるわけですから、もう「アメリカとの軍事的連携」とか「自衛隊のサウジへの駐留」とか、そのレベルで変わって行かざるを得ないことだと思います、近い将来的に。
今でさえ、化石燃料を買うためのお金は年間3〜4兆円だという試算があります。
いや、金の問題ではない!原発では人が死ぬんだぞ!と、一人も死んでない福島第一原発の事故を引き合いに出すのが流行ってたりもします。
逆に、「原発は別に安くない」と言っている人もいて、どこまでを「リスク」と考えているかをいちいち確認しないといけない状況でもあります。
リスク、というのは事故のリスクのことも含めます。
原発事故が起こってしまうリスク、その際の犠牲者・死者・再建コストなど。
火力発電を未来永劫全開にぶん回す場合のリスク、事故だって起こりますよ。
上に書いた「○○のせいで」を言い出すと、タンカーで従事している人らがペルシャ湾で海賊に襲われたりテロリストに殺されたりするのも「発電リスク」ですよね。その犠牲者・死者・再建コストなど。
それらのリスクを「ゼロ」にするということを、とにかく声高に言いたい人がいますが、それはもう宗教です。いもしない神のご登場を願っているのと同じです。
「リスクをとる」と言うのは、「その代わりに最悪なことが起こらないように選択するもの」だからです。
学校からの帰り道、こっちへ行けば猛犬がいる。こっちへ行けば不良がいる。噛まれるのはイヤだが、カツアゲされるのも嫌だ。その場合「あるていど噛まれることを覚悟して肉の塊を用意する」「あるていど殴られることは覚悟して小銭だけを持っていく」かのどちらかを選ばなければなりません。「家に帰る」という、自分にとってのメリットのために。デメリットを最小にするための、選択に迫られます。
肉を買うのにはお金も要りますし、容れ物だって要ります。
不良に渡すお金の方が少なくて済むのなら、軽く小突かれることは腹くくっておかないといけない。
お腹にジャンプでも入れておくか。バレたら怖いけど。
「なにもなく、すーっと家に帰れる」は、無いんです。
それを先生に相談して
「犬は愛情で手なずけるべき」
「不良少年は更生すべき」
と突っぱねられると、家に帰れない。
「リスクはゼロにすべき」と言うのは、無茶な妄想と言わざるを得ません。
このYahoo!コメント欄を眺めていると、
「直ちに影響はない。」
という文がちょくちょく出てきますね。
これは民主党(現・民進党)の枝野幸男氏(当時は官房長官)が何度も会見で口にした台詞です。
「直ちに影響はない」発言の検証
http://webronza.asahi.com/national/themes/2913030700002.html
2011年の、ネット流行語大賞(銀賞)、でした。
ちなみに2016年の大賞は「PPAP/ペンパイナッポーアッポーペン」です。
フランスの原発ガー!!っていうより、フランスはアメリカ・ロシアに次ぐ核兵器保有国です。
本国からずいぶん遠い、サハラ沙漠やポリネシア諸島で200回以上、核実験もやってます。
この部分に限って、「テメエんちでやれよ」という意味では、北朝鮮の方が立派ですね。
今回事故の起こった原発の場所は、ここ。
でもフランスの原発・核施設は、こんなに南部に多いんですね。
http://laurelzuckerman.typepad.fr/.a/6a010536460287970b014e604cdde1970c-pi
南仏のイメージ、がまた、違って見えてきます。
ところでこのサイト、おもしろかったですよ。
出光タンカー株式会社
「タンカーを知る」
http://www.idemitsu.co.jp/tanker/know/index.html