カンブリア宮殿を観てます。
このあいだの特集は、京都の有名料亭「菊乃井」の主人・村田吉弘氏。
和食の異端児が切り拓く!進化する日本料理の未来
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2016/1222/
和食が世界遺産に登録された、その立役者でもあります。
「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録されました!
http://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/
ミシュラン総計七つ星を誇る菊乃井では、修行法も少し変わっていました。
感覚で教えることは許さないんだそうです。
「なぜ、そうなのか」ということを、具体的な調理温度や調味料の分量などの数値も含めて伝えなければならない。
とても興味深かったです。
京都の老舗料亭 菊乃井
http://kikunoi.jp/kikunoiweb/Top/index
番組内では、イチジクで八丁味噌を作る!?という場面が。
科学的な「味噌ができる理由」を知っていればできること。
驚きをもってヨーロッパで受け入れられている、新たな和食を切り開く、すごい人でした。
インタビューで村田氏は、
「和食の素晴らしさをみんな忘れている。最近は脂質・たんぱく質を摂りすぎる食生活になっている。昔、たとえばおばあちゃんが作ってくれたような食事というのはどんなものだったか、これを思い出さないといけない」
というような趣旨のことをおっしゃってましたね。
伝統の味を守りつつ、革新的な和食を持って世界へ切り込んで行く「和の鉄人」、その説得力はスタジオの村上龍氏のみならず、役作りのせいかやたらほっそりとした美人・小池栄子氏をも飲み込んでいくようでした。
ではここで。
農林水産省と、厚生労働省が出している、「食事バランスガイド」というものを見てみましょう。
食事バランスガイドとは?
農林水産省
http://www.maff.go.jp/j/balance_guide/
厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html
これを見ると、ご飯・パン・麺は、5〜7食べろ、と書いてあります。
まさに「主食」。
ご飯中盛りだったら4杯程度に。
食パンなら6枚。
うどんや蕎麦などの麺類なら3杯。
他のメニュー(主菜など)よりも多く摂る必要性が、逆三角形の最上位にあることでわかります。
普通に考えれば、1日に、ご飯4杯?多い?少ない?
まぁそんなもんでしょうか。
よく食べる男性なら「足りないな」と感じる量かもしれません。
ところが、です。
白米をお茶碗一杯で150gとすると、これに含まれる糖質は55g。
角砂糖に換算すると、実に14個。
4杯/1日ということは、実に14 x 4、つまり1日に56個もの角砂糖を食べているのと同じだということになります。
「なります」というのは曖昧な表現かもしれませんね。
これは、比喩ではないからです。
1日に白米を4杯食べることは、角砂糖56個を食べることと、「全く同じ」です。
いくら何でも、「3食に分けていいから角砂糖、毎食18個ずつ食べましょうね!」と言われたら「それは無理…」っていうでしょう。
それを毎日、やってる計算です。
厚生労働省と農林水産省は、なぜこんなことを推奨してるんでしょう。
どう考えても「毎日角砂糖56個」は「糖尿病まっしぐら」ですよねえ。
調べてみますとこの「食事バランスガイド」というのは、「国立健康・栄養研究所」が、日本における「平均的な食事」を調査した結果、それをベースにして考案されたものなのだそうです。
国立健康・栄養研究所
https://www.nibiohn.go.jp/eiken/
平均的な食事?を?調査?
これ、まっとうな数値を出すための公平なもの、だと信じてしまいそうになります
が、健康に関することを「調査の結果」で出されてはたまったもんじゃないんです。
「アンケートで決めたよ!」ってことですから。
ここ、スルーしてしまいそうなので気をつけましょう。
「科学的な実験や根拠」で、決められたんじゃないんです。
「栄養学的・生物学的な根拠」も、まるで無いんです。
「平均的な食事を調査」して決めたんです。
つまり調査した当時、「日本人は平均的に、こんなものを食べてますよ〜」ということがわかったので、「これが理想だ」と決めつけてしまった、ということです。
なかなかの恐ろしさではありませんか。
「国民の6割が、お店でお釣りを多く受け取ってしまっても、返さずにポッポナイナイしてしまう」というアンケート結果が出たからって、国会で「お釣りを多く受け取ったらポッポナイナイしても良い」という立法にはならないでしょう。
アンケートや調査結果を、法的根拠のように示すのは誤りだからです。
アンケートや調査結果を、科学的根拠のように示すのは明らかに誤りなんです。
三大栄養素のバランスはこれでいいのか
さらに栄養系の本やサイトでよく目にするのは
「栄養素の摂取比率は糖質60%、タンパク質15%、脂質25%が理想です」というやつ。
これも、上の「平均的な食事の調査」で決められたものです。
アンケートを取ってみたら、「糖質60%、タンパク質15%、脂質25%」という家庭が多かった、という結果だったんですね。
これで「摂取すべき栄養は…」なんて決めていいんなら、科学なんて要らなくないですかw
「1日の栄養のうち、60%は角砂糖を食べなさ〜い」と言っているんですよ?
「糖質60%、タンパク質15%、脂質25%」、自分で、自分の健康のために色々調べてください、全くのデタラメですから。
「平均的な食事の調査」をした頃には、そういう食事バランスだったんですね。
でも科学的に解明されている今、これは根本的に見直すべきだと言えますね。
これを、厚生労働省と農林水産省が言ってる、ということは、病院も、医者も、栄養士も、それに従わざるを得ないと言うことです。
あんまり言うとどこかから怒られそうですがw、医者も、栄養士も、知ってる人はちゃんと知ってます。
自分や家族に、「糖質60%!タンパク質15%!脂質25%!」なんてことを推奨している人は、いないんじゃないでしょうか。
素人であっても、医者に向かって、「太る原因は?」と真剣に問うてみたら、「糖質のみのせいです…」なんてことは言えるわけがないんです。
でも、言えないんですね。
お商売ですから。
厚生労働省と農林水産省には逆らえるわけがない。
いえ、別に「陰謀論」的なことを言いたいのではなくて、省庁の指針なんてものを、すでに科学と情報社会が乗り越えちゃってるよ〜、ということなのです。
昔は「一汁一菜」。
そういうご飯でした。
麦にせよ米にせよ、炭水化物で満腹になるべく、味付けの濃いおかず・お漬物・お味噌汁…。
こういう「日本食そのもの」のイメージが、「日本人に合う、日本の食事たるもの」のイメージを作ってきたんです。
で、思い出してください。
冒頭の、菊乃井の総帥・村田氏の言に戻ります。
「昔、たとえばおばあちゃんが作ってくれたような食事というのはどんなものだったか、これを思い出さないといけない」。
あの、科学的な分析力で数々の新和食を生み出している村田氏でさえ、依拠しているのは「平均的な食事の調査」と同じ発想だったのです。
これ、厚生労働省と農林水産省が主導では不可能かもしれませんが、いつか抜本的なパラダイムシフトが起こらないと、日本人は糖尿病で死に絶えます。
20代、30代はまだいいらしいのです。
40代、50代、60代になった頃から、糖尿病へと体が落ちていきます。
今、最後の人口爆発世代である団塊ジュニアが40代に突入してます。
2060年時点では、日本の全人口の39.9%が65歳以上になるそうです。
つまり「高齢者が増える」だけでなく、「その100%が糖尿病患者」という恐ろしい世界がやってくるということになりますね。
社会保障制度が破綻するのは人口減だけでなく、「食事のせいだった」ということです。
「国民食が国民病を作っている」という悲しい事実は、ひょっとすると、激しい国際競争に揉まれ、変質したTPPなどの外圧によって「日本の農業が完全にダメになった」後にしか、挽回できないのかもしれません。
日本が滅び、外国に占領された後、食生活が変わり、やっと健康的に改善し始める、なんていうことも…。
そう、思ってしまっている今日此の頃です。
※追記
何度も言いますが、「太る原因は糖質」です。
脂質はいくら食べても太りません。
タンパク質をいくら食べても太りません。
「糖質だけ」が、太る理由です。
「だってお菓子はやめられないも〜ん」
うん、わかります(o^∇^o)ノ
それは「中毒」です、「糖質中毒」。
かわいこぶってないで、
糖質バクバク食べるのやめましょうね。