地球は逆回転しない
歳をとることを哀しいと感じない人には、魅力がある。
1年365日を積み重ね、同じ時間を生きて来ていても、
人によって歳の取り方はまったく違うのだ。

「もう●○歳なのよねぇ…」
と、年齢だけで自分を蔑むようなひとは、
生きていること自体が
ダメだと言っているのと同じだ。
生き物はすべて、
生まれた瞬間に死に向かって出発するのだから、
「死に近い方が悪」という考え方をしてしまうと、
生まれてくることじたいに意味を見いだせない。

「若いっていいわねぇ…」
とうなだれるだけのひとは、
新品にしか価値を感じないと
言っているのと同じだ。

なんでもじんわりと手になじむのは時間が経ってからだし、
いろんなものを「良い」と感じさせてくれるのは
「時間そのもの」にしかない効果だ。
それを
「時効」という。

「ああ、歳をとりたくない…!」
と願うのは

「ああ、地球よ回らないで…!」
と言っているのとまったく同じだ。

歳はとる。
地球はまわる。

地球は地球でしかないから、
「どんな地球か」にはあまり意味がない。
ましてや地球自身は、
そんなことには興味がなさそうだ。

人は人であるだけでは人ではなく、
「どんな人か」に目的がある。
ただ生きているだけではなく
「どう、良く生きているか」に意味がある。

「若いことが素晴らしい」のなら、同じように
「歳をとっていること」も等しく素晴らしいはずだ。
つまり
「どんな人として、若いか」
「どんな人として、年齢を重ねているか」
のみが問題なのだ。
若いか老いているかどうかだけを
焦点にしてはいけない。

ダメなのは、
「若い時に戻りたい」と
意地汚く思う事。
そして
「歳をとりたくない」などといやらしく願う事だ。

それは,
「現実から逃げるから悪いこと」ではない。
意味がない事だから、実現しないようになっているのだ。

その証拠に、
いくら汚れても、
地球は逆回転しない。
アーカイブ目次へ
TOPへ戻る