漫才・コントのどこを観ればよいか
サッカーでも、
ボールのない空き地を観ているほうが
先を読めておもしろい観戦ができます。
サッカー選手はわざと空きスペースを作り、
みずからそこへ走り込んでボールをもらいます。
ボールに触っている選手は、
いつか必ずボールをどこかへ向かって蹴り出すのですから、
その蹴り出す方向が事前にわかってしまえば
試合の展開もおもしろく感じるはずです。
漫才・コントも同じように考えることはできないでしょうか。
原則的にはふたりの人間が交互にしゃべる形態ですから、
話している側の人間を観るのが当たり前の観客の作法でしょう。
しかし、ではそれを、
もうひとりはただ呆然と立ちつくして待っているのでしょうか。
お芝居でもドラマでも、
セリフのないヒトのリアクションというのはとても重要です。
黙っている側の表情や仕草や態度によって、
黙ってはいるけれどもその意見に賛成か反対か、激怒か肯定か、
ツッコむのかやんわりと流すか、が事前にわかりやすくなるからです。
しゃべっているヒトだけを観ていると、
次に突然声を出した瞬間を見逃してしまい、笑うタイミングを逃します。
お笑いに慣れていないヒトや年配の方の、
「笑いや反応が遅れる」原因はすべてここにあります。
コンビはふたりで一人ですから、
次の動きを予測しておかなければ楽しめません。
とても短い間であっても、黙って聞いている側のツッコミのヒトは、
次に自分がしゃべり出す絶妙のタイミングを、
ストップウォッチを刻む様に計っているのです。
寸分違わぬ間(ま)でツッコめるように、
それこそ稽古を積んでいるわけですから。
確かに漫才やコントで、
おもしろいのは話している方のヒトです。
それは当然ですが、それを楽しみながら、
黙っているヒトが次になにをしようとしているのかを気にかけることが
できたら、お笑いを観る技術が向上したと言えるのかもしれません。
vol.1 ツッコミとは「みんゴル」である

vol.2 ブームってなんだろう

vol.3 漫才・コントのどこを観ればよいか

vol.4 ダジャレがおもしろくない理由

vol.5 緊張と緩和?

vol.6 空気を読まんかい

vol.7 M-1グランプリをどう観たか

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