ツッコミは「みんゴル」である
「みんゴル」とはなんでしょう。
そう、
今や全国大会まで開かれる大人気のゲームソフト「みんなのゴルフ」です。
プレイした事のある人なら、
すぐにそのゴルフゲームの画像が目に浮かぶでしょう。
ボタンを押して振りかぶり、インパクトの瞬間にまたボタンを押す。 
そのタイミングがズレたら、ボールは西へ東へ、
ぎゅんぎゅんカーブを描いて曲がってゆく。遅くてもダメ、早くてもだめ。
正しい瞬間に止めれば、そのキャラクターの持つ最大限のショットができる。
わざとズラしてフックさせる・スライス気味に打つ、
そういう狙いの時もあるわけですが、
基本は印の有るところでタイミングよくボタンを止め、まっすぐ打つ。
それが正しい事である証拠に、
うまく止めれば「ナイスショット!」とかという効果音が出るんです。

少しのズレでも前には飛びます。
しかし、「ここだ!」という完璧なタイミングと、
「まぁ大丈夫かな」という許容範囲がある。
 これは、まったくもってツッコミにも当てはまります。
ツッコミは「みんゴル」である。のであります。


ツッコミには、「完璧なタイミング」というものがあるのです。
それは、「みんゴル」でみたとおり、「ここしかない」という場所。
当然、ジャストの瞬間は狭い「今しかない」という一瞬。
その時間は、0.1秒ズレてもいけません。ずれると台無しです。
 しかしながらこれも「みんゴル」でみたとおり、
ツッコミが成立するのはその一瞬だけではなく、
その前後にある程度の余裕・許容範囲はあるのです。
当然、その範囲内であれば、十分な笑いが起こります。
 しかし「みんゴル」において完璧な一点を捉えられなかった時に
左右にブレるボールと同様、
“なんとか収まった”程度の精度のツッコミでは、
「ナイスショット!」とは絶対に言ってもらえません。
笑いが起こっている以上、今のは少しズレていた、という評価も、
本人以外にはわかりずらい。

その代わり、精度の高い一点をズバリと撃ち抜いたツッコミなら、
もう、言葉はそんなに重要ですらありません。
「なんでやねん!」「違うだろ!」など、
誰でも知っているツッコミ用語でなくても、笑いが成立してしまうのです。

 タイミングが完全である場合、「カンツォーネ!」でも大丈夫です。
「サプリメンツ!」でも大丈夫です。実際はそんな単語では長過ぎて、
あらぬ方向に要らぬ味わいが出てしまい違う結果を招くことになるので
あまり「大丈夫」ともいえないのですが、見渡せば、
そのタイミングたるや遅れたり早過ぎたりのツッコミばかりです。
 素人は言うに及ばず、プロの人たちも
“ツッコミの言葉さえ発していればそれでツッコミ”と言わんばかりの
残念な状況です。
「みんゴル」で考えてみれば、
それらは右へ左へフックとスライスを繰り返す、
不正確なショットばかりと言えますね。
 ビシッと決まるまっすぐで
強さもじゅうぶんな「ここしかない」ツッコミを放てるプロは、
実はそんなに多く存在するわけではないようです。
みなさんもお笑いを見るとき、特にツッコミ担当の人を見るとき、
「みんゴル」を思い出してみると、
そのおもしろさの原因がわかってよりおもしろく感じるはずです。
そして、人気がある人たちの「ツッコミの実力」を、
分かりやすく知る事ができるはずです。
vol.1 ツッコミは「みんゴル」である

vol.2 ブームってなんだろ 

vol.3 漫才・コントのどこを観れば良いか

vol.4 ダジャレがおもしろくない理由

vol.5 緊張と緩和?

vol.6 空気を読まんかい

vol.7 M-1グランプリをどう観たか

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