境界カメラ@ニコニコ

電話に出る人、再考。

投稿日:2018年7月8日 更新日:

去る7月6日(金)、『境界カメラ』のコーナー「デモ田中のTVパーティー」にゲストとして呼んでいただきました。

なぜ今回だけ「#46」の数字が全角なのかわからないですが、毎回、いろんな変わった人をゲストに呼んで話されているのに、今回は私でいいのか…なんて思いながらも。

前にやりました「ハラタツ50」の一部を反復していただきながら、番組は進んでいったのでした。

ーーー無料放送ーーー

・同じ服ばかり着てます
・ジョブズの変なところ
・天才と変人は紙一重
・テラコーは天才
・デモさんは2つ先輩
・インスタやってます
・奈良漬け
・関西弁の違い
・昔の話
・ツッコミってバカでもできますからね
・エロ本
・リモコンのゴム
・電話に出る人
・私はS
・うまいっ
・丸ごとそのくだりが頭に入って来なかった
・それができる場を作れてることがすごいこと
・おもしろTシャツについて
・なにも起こりそうにないよな
・ダサい、は言っちゃダメ
・時代によって、どうしようもないこと

 

ーーー有料に切り替えーーー

 

→有料限定なのでナイショだよ

 

【追記あり】怒らないこと

 

そんな中「電話に出る人」を再度、話題にしていただきまして、ああそうだ自分でもここ、ちゃんと確認しておかないと、人に誤解を与えてしまうし今後も変な感じになるな〜、と反省しましたので、改めてまとめておきたいと思います。

 

まず、私は「電話は撲滅せよ」と、思っているわけではありません。

こういう話をするときに、これを言わないといけないめんどくささって、なんなんでしょうね。
「命を守れ!」という抗議集会をやってる連中に「その集会、近隣の迷惑なのでやめてください!」と言ったら「あなたは命が大切だと思わないのか!」と反論されているような気分。

で、忘れてしまっている大前提ですが、多くの場合、「電話は、かける人のためにある」っていうこと。

かかってくる人は、着信音が鳴るまで、かかってくることを知りません。

ここで、2つに分かれますね。

1、まったくかかってくることを知らなかった場合。

2、かかってくるのを知ってて、待ってる場合。

私は、2、のことをとやかく言っているわけではありません。

これも面倒で何度も言いたくないんだけども。
言うまでもなく、用事や緊急性を知っているからこそ待っているわけで、取り逃がしたくない、出損ねたくない、からこそ、待っているんですよね。

なので、こういう「待ってる人」が「ハラタツ」と言っているのではありません。

「すべての電話というのは、出るものだ」と思い込んでいる、古い考えの人のことを、言ってるんです。

「電話に出ないといけない」と思い込んでいるのは「もう、古い」んです。

電話は、「かける人」にとって必要なものなのであって、電話に出る必要は、そもそもないんです。

番組の中で「すぐに伝えたいから。文字を打って送るより、電話の方が早い」という意見がありました。

この話をすると「電話の方が早い」という人、必ず出てきます。
毎度、言われます。

たいていは「電話の方が遅い」と主張する私に、「天動説を唱える未熟者」みたいな態度を取ってきます。
電話は今や、「結果的に遅い」ことのある、不便さを伴ったツールなのです。

 

説明します。

「電話の方が早い」と主張している人に、LINEやslackを使いこなしてる人って、絶対いないと思うんです。
いわく「文字を打つのが遅い」。
うん、それってまったく別問題ですよね。

番組内でも、デモ田中さんのフレーズとして「文字5秒。かけたら1秒」というのがありました。

そう、それって、「かける側の都合」なんですよ。

LINEで届くの、1秒です。実際はもっと早いか。

着信音が鳴るのも1秒だとしたら、そのあと、呼び出し音がなる間、「出ろ!電話に出ろ!」と願っているのはかけた方、ですよね。

相手が何をしているかまったくわからないのに、「出ろ!電話に出ろ!」と勝手に願っている。
「電話に出られないシチュエーション」をまったく考慮していない。
トイレの個室に入ってる時には、いくら「出ろ!電話に出ろ!」と願われても出れません。
電車内しかり。要人との会談中しかり。

こういうのを考慮して、本当に早く、その内容について確認して欲しいのであれば、1秒未満で、永久に何度も情報を確認し続けられる、LINEで送る方が、100%合理的です。

で、電話に出たら、何十秒もかけて、内容を説明されるんですから。
「えーっと」から始まり「で、」「あの」とか「今だいじょうぶ?」とか。

だいじょうぶじゃなかったら出てませんってば。

内容を聴き取りにくかったり情報を覚え違ったり、電話は「出る人」にとって、リスクが多いんです。

で、メモ取ってなかったり書き損じてたりする責任は、電話を受けた方にある。

メリットが大きい、と思い込んでるのは「かける側」の人、だけ。

今持った欲望を、すぐに発散したい、すぐに解決したい、と思ってるだけ。
相手のことを、ぜんぜん考慮してない。

勝手にかけてきておいて、内容についての責任を押し付けて「こっちの方が早いよ」と居直っている感じ。
長い目を持ってないんじゃないですかね、「電話の方が早い派」は。

言い方を変えると、文字情報による伝達方法に、長けてないんです、いえ、おそらく普通レベルにも達してない。

文字を打つのが遅くて不便なら、早くなるように修練しましょう。必要です。
できてる人がほとんどです。
若い人だけではない。
そう、これは、世代、で区切ることすら危険なんですよ。

電話の方が早いから!って、信じ込んでる人らってたぶん、電話の黎明期に生きてたら、「飛脚の方が早い」とか言ってますよ。

送る方は、「頼んだぜ!」って飛脚に託して、それで「やっぱり飛脚だぜ!すぐに出発してくれるもんな!」って思ってるんです。

だけど、勝手に送られた方からすると、用事してて忙しいのに玄関に急に「飛脚でやんす!」って来るんですよ。
はなはだ迷惑です。

ちなみに、悪質なクレーマーって、「記憶残します」という前提だと、あまりひどいこと言って来ないそうです。
店頭で、店員さんに暴言吐くような輩は、「録音・録画してます」に少し弱い。

永久に何度も情報を確認し続けられることがわかると、自説が弱いことを、自覚するんでしょうかね。

お問い合わせセンター的なところに電話をすると「サービス品質の向上のため、録音させていただいております」っていうアナウンス、最近は流れますよね。あれです。

もちろん、おかまいなしの狂人、というのはいつでもいるんでしょうけれど。

 

このへんで、再度確認しておきます。

この確認はとても面倒なのですが、私の言っていることがわからない人、というのがやはりけっこういる、というのをこれを書いて中断している間にも数件認識しまして、ああやはり、とまた思ったので、さらに確認させていただきます。

私、別に「電話は遅い!」っていう啓蒙活動をしてるわけじゃないんで、「じゃあこの場合は」「こんな時はどうなの?」とか、個別具体的な事例を出されて「電話は必要だよ」を主張されても困るんです。

そう、出たっていい。
そんなの、当たり前じゃないですか。
なに言ってるんですか。
電話を否定してる?
そんなわけないじゃないですか。

なんで「電話、出たっていいんですよ」ってわざわざ、言わにゃならんのだ。

 

番組内のコメントに、ありました。

「徳田さんは相手に出てほしいときないんですか?」

…あ・る・に・決まってる、でしょう?

だけど、「出て欲しい」はこちらの勝手な都合、願望です。
向こうの状況がわかってればいいですが、わかってないのに勝手にかけて「出て欲しい!」という欲望を優先させる、これは、「ただのわがまま」です。

なんで、出てくれないんだろう…私のこと、嫌ってるんだろうか…出て欲しい…電話に、出て欲しい…私は、それは思いませんよ。

出るか出ないかは、相手だけが決めるんですし、出られるか出られないかは、相手すら決められない要素が入って来る。
出られないには、出られない理由が必ずある。

もちろん「あいつの電話には絶対出たくない」も、立派な理由です。

 

こういうコメントもありました。

「本当に緊急の時ってないですか?」

…あ・る・に・決まってる、でしょう?

緊急の時は当然あります。
これを言うのも馬鹿らしいですけど、もちろん、緊急の時でも、「電話がもっとも早い」とは、限りませんけれどね!?

西日本を襲っている低気圧で、甚大な被害が出てる昨今、避難情報・緊急速報が、ぜんぶ電話で来たら、「このほうが早いから」って思います?思わないですよね。

行政が「連絡や広報を全て電話でやります」って言ったら、「その方が早いや!」って思います?思わないですよね?

「それは役所の都合じゃないか!」って思いますよね?

それを言ってるんですよさっきから。

 

被害を訴えたり、緊急を要する救護を要請するのも、今はSNSでやったりする。

電話は「電話しかできない」んですよ
インターネットを駆使することは、それ以外の要素も使うことですから、便利さ、速さ、訴求性、多くのことにおいて、優ってるわけです。

現在、電話(通話)の優先順位は、相対的に下がってきてますよね。
それは誰しもが認めるところ。
スマホの用途が「電話のみ」っていう人もいるでしょうけど、それにはすぐに「スマホである必要、ある?」って言いたくなります。だけどたとえ「電話しかつかわない」でもいいんです。使えるときに、いろんな要素を秘めている、っていうものを所持するのは、やはり重要なことです。

よく「電車内はスマホを見てる人ばかりだ」という批判めいた意見を年配者から聞いたものですが、あんたら昔、全員新聞広げて読んでたじゃねえか。
新聞は「新聞でしかない」。
新聞なんかは「たった一社の、主張を読まされてる」ものに過ぎません。

今となってはそれが露見している。
スマホには多数の新聞も、速報も、動画も、手紙も、ゲームも、ぜんぶ入ってるんですよ。あれを「スマホ」としか認識できないっていうのは、ああ、もう、ぜんぜんダメです私、と言ってるに等しい。

暗に「昔の俺たちは新聞を読み、教養を身につけたものだ」と言いたいんでしょうけど、ちゃんちゃらおかしいです。
他のことにおいてもそれレベルの知見でモノ言ってるんだろうからとにかく黙っててくれ、と、周りから願われてると思います。

電話の優先順位が下がってきてるっていうことは、違うものが上がってきてるということですよね。
とうぜん、代わりに何が使われているか、ということが重要になってきます。

 

例えば「LINEってよくわからない」とおっしゃる方がいます。

それは理解できます、私だってLINEの人じゃないから「全てわかってます」なわけはない。

だけど、「ついて行こうとしなはれ」ってことです。
ひょっとしたらこれ、最大に重要なことかもしれない。

新しいことはよくわかんねえ、じゃねえんだよ、ってことです。

今はLINEですけど、あと何年か経ったら、新しい主流のコミニュケーションツール、出てくるかもしれない。
なにも今、90歳の人に「イノベーションは起こってるんッスよ!次、ついていかないと!」なんて言うつもりはないし、言ってはいけないと思います。

 

 

よく考えてください。

自分を、早めに「旧き良きおっさん」側に置いてしまったりしたら、自分より10コも年上の人がバリバリ最新ツールを使いこなしている場に出くわした時、「自分は単なる無能」だと言ってることになるんです。そうでしょ?

今、新しいもの、最新のものを使いこなす若い人を見て「俺にはついていけねえ、新しいことはよくわかんねえ」って言えるのは、それだけですでに「年下へのマウント」になってるってことです。

 

お前ら、新しいことはぜんぶお前らがやれ。
俺はわからないから、今まで通りのやり方しかやらない。
覚えない。
だけど俺の尊厳は守れ。
敬意は減らすな。
だけど俺は変えない。

↑これを「老害化」と言うんです。

これを「年下へのマウント」と言わずしてなんと言う。モラハラとも言えるかも知れない。

そう言えば番組内で「さよなら、おっさん。」のことにも少し触れましたが、それはつまり、そういうことなんですよね。

NewsPicks「さよなら、おっさん。」事件
https://togetter.com/li/1241087

 

「批判されるべきおっさん部分」は誰しも、加齢にともなって持っているものだと思います。

だけど、どこか「新しいモノが、つぎつぎと出て来る方が悪い」って思ってるフシがあるわけです、老害化する人って。それって開き直ってるわけでしょう、「ついて行けないけど、俺は悪くない」って。ダメですよ。

ついていけないっていうほど難しいものじゃなくても、「ついて行こうとすらしてない」っていうのは、開き直りです。居直りです。
もっとも価値のない、エラそうなだけの、恐怖に負けた、怠惰な、唾棄すべき態度です。

黒船がやって来た当時、幕末の、武士達に似てる。思考停止して「来る方が悪いんだから、交渉すらする必要なし」っていう。

 

こういう人になりたい。↓

そうそう、で、コメントに、こういうの2つがあったんです。ほぼ同時だった。

「好きな人の声をただ聞きたい、とか無いんだな」

「あなたの声が聞きたい夜もあるのよ」

 

これって、対照的だなぁ、と、思いません?

やはり、人にモノを言うとき、それはたとえ文字だけのコメントであっても、そういうユーモアというか「一回ひねり」を、加えたいなあ、と思うんです。

書いた個人を責めてるんじゃないですよ、率直にそう思ったからそのまま書いたんだな、というのは理解できますから。
コメントってそういうもの、っていう部分、あるし。

だけど、やはり私の言っていることと、そのニュアンス(コレ、わざわざ言ってるんだよ?という状況と心理を含めて)を、すみずみまで汲み取って、やりとりの流れすらしっかりつかんで、

「あなたの声が聞きたい夜もあるのよ」

と言える、このセンス。

だからこそ、そのまま、読みたくなったわけです。

そうなんですよ、「電話に出るなんて、かけるなんて古い!」と言っている、反論してくれてる先輩に食ってかかるように説諭しようとしている、興奮気味のおっさんに対して、

「あなたの声が聞きたい夜もあるのよ」

ほど、気持ちのいいコメントは、ありませんわな、今思い出してみても。素晴らしい。

 

ああ、こういう人になりたい。

 

 

 

…というわけで今回は2時間くらい、お話しすることになりましたね。
お招きいただきありがとうございました。

デモ田中さんは才覚あふれる優しい、素敵な人です。
たまに失踪したりするそうですが、愛すべきキャラクター、楽しいおじさんです。

そしてこの番組の、DVDが発売&レンタル開始、されております。
これこそが本筋。

楽天。

 

 

 

 

 







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