おんな城主 直虎

おんな城主 直虎第二十一回「ぬしの名は」

投稿日:2017年6月4日 更新日:

もう、そうなんですね?
そういう感じで行くんですね?

毎回のタイトルはどちらからか持ってきて、モジっていくんですね?
いえ、かまいません。

勝手な妄想ですが、こういう「モジりタイトル」には、どうも作者の「面白いでしょ?」っていうドヤ顔が浮かぶんですが、たぶん考えすぎです。

それに、「君の名は。ならぬ、ぬしの名は…!!きゃー面白い!最高!安定の面白さ!」とか言って心底毎回笑える人たちが一定数いる、ということももう知ってますから、驚きません。ぜんぜんかまいません。

 

舞台となった浜名湖沿岸の街、気賀。

「きが」と呼ばれてましたが、昭和12年までは「けが」だったそうです。昭和30年に廃止され細江町に。そのあと浜松市に編入され(平成17年)、旧町域が北区となり今は区役所が建っているそうです。
まだ、地名には残っているんですね。

北区役所
〒431-1395 浜松市北区細江町気賀305
http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/maps/k-ward.html

 

武家は泥棒か

盗賊集団に捕らえられ、「武士は盗人ではないか」という正論をぶつけられ面食らう直虎。

確かに、農民が作った作物を「年貢だから」という理由で徴収するのは泥棒だと言われたら、ぐうの音も出ないかも知れません。
でもそれ(正論だ、と思うこと)って、思いっきり現代の価値観なんですよね。

館へ帰って悶々としている直虎に、母親の祐椿尼(財前直美)はこう言います。

「武家はどんどん奪うしかないのですよ」

 

ええええ!?

そういう論理なの?
武家自身が「奪わないと家来に与える領地がない。だから他所から奪うしかない」という考えでいる、と思ってるの?

いや、現実的にはそうなので、間違っているわけではないと思います。
天下統一をした豊臣秀吉が朝鮮出兵を決めた経緯には「もう、与える土地がない」という「労働者問題」があったはず、だからです。

でも建前として、ですよ。
武家が年貢を取ることに対して「どんどん奪うしかないのですよ」と思ってる、などというのは全くの誤った認識と言わざるを得ない。
百姓たち、被支配者が正論として、陰口として言うならまだしも。

まだ、「国」と言えば自分の生まれ故郷を指していた時代。
国境とか国際感覚というグローバルな視点などは、皆無と言っていい時代。

ちょうど「ローマ人の物語」9巻の最終ページに、塩野七生先生が書いていた一文があるので紹介します。

しつこく思われようとも、私は何度でもくり返す。人間にとっての最重要時は安全と食の保証だが、「食」の保証は「安全」が保証されてこそ実現するものであるということを。ゆえに「平和(パクス)」が最上の価値であるということを。

これが答えでしょう。

武士階級の発生はそもそもそういうあたりから始まったんだし、戦国を生き抜く小国の領主の家の人間が、そんな「奪うしかないのよ?」みたいな野蛮で陳腐な山賊的な認識な訳がない。

ほんと、このセリフ(というか論理展開)には「えええええ」と激しく幻滅したわけですが、なんとか直虎は、泥棒に「武家は泥棒」と言われ母に「どんどん奪うしかないのです」と言われ、とうとう「人はみな卑しいのじゃ」という論理的結実をひねり出します。母の論理からすると「卑しいのは武家だけ」なんですけれども。

「奪い合わずとも生きられる世を作り出せばよい」??
奪い合い?

なの?

安全保障、という概念は一切ないの?

嫌ですね〜、現代的な平等史観。
平和を維持するのに武力がいる、とは言いたくない『平和主義者』の思考が、こういう風に滲み出てきている、んでしょうか。
もちろん、作者がどんな思想を持ってても別に良いわけですが。

領主が盗賊に拉致されて監禁されるというエピソードの創作は、ドラマの成り行き上、しょうがない。

それにしても竜雲丸(柳楽優弥)の魅力はすごいですね〜などと、思った回でした。







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